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東京大学大学院理学系研究科附属
天文学教育研究センター

ニュース

2025年1月16日 ニュース
極めて明るいクェーサーに周期的な明るさの変動を発⾒
東京⼤学⼤学院理学系研究科附属天⽂学教育研究センターの堀内 貴史特任研究員を中⼼とした研究グループは、CRTS、Pan-STARRS(パンスターズ)、ZTF などのアーカイブデータやむりかぶし望遠鏡(国⽴天⽂台⽯垣島天⽂台)、MITSuME 明野 50cm望遠鏡(東京科学⼤学)、MITSuME 岡⼭ 50cm望遠鏡(京都⼤学)、SaCRA 望遠鏡(埼⽟⼤学)を⽤いて、クェーサーWISE J090924.01+000211.1 が周期的な光度変動(約700⽇周期)を⽰す珍しい現象を発⾒しました。またこのクェーサーは⾚外線で極めて明るい銀河としても同定されている珍しい天体であり、本研究の結果は銀河とブラックホールの共進化の過程に⽰唆を与えるかもしれません。
2025年1月7日 ニュース
天文学専攻の紅山仁博士が第41回井上研究奨励賞を受賞
天文学専攻学術振興会特別研究員の紅山仁氏が、第41回井上研究奨励賞を受賞しました。紅山氏は東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所が運用する口径1.05 mシュミット望遠鏡を用いて、地球近傍を通過する小惑星の発見を目的とした可視光による広域サーベイに取り組みました。また同氏は地球接近小惑星の自転速度の分布に上限が存在することを世界で初めて明らかにしました。その他にも研究代表として共同研究者を束ね多くの科学成果を創出したことなどが評価され、今回の受賞に至りました。
2024年10月19日 イベント
三鷹・星と宇宙の日 2024
2024年10月19日(土)、東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターは国立天文台、 アストロバイオロジーセンター、総研大天文科学コースと共催で 「三鷹・星と宇宙の日2024」 を現地開催(事前申込不要)しました。当センターでは、講演会、東京大学アタカマ天文台(TAO)、 木曽観測所、電波天文学グループ、大学院生企画の計5本の企画展示を行いました。ポスター・動画・ インタラクティブツール・ジオラマ等の展示、観測装置の実演解説(状況により中止の可能性あり)、 クイズラリー等を通して研究成果や施設紹介を行いました。
2024年9月30日 ニュース
TAO山頂施設で紫金山・アトラス彗星の撮影に成功!
東京大学アタカマ天文台 (TAO) では、TAO山頂施設のあるチャナントール山頂にて 2024年9月30日から2024年10月4日 (チリ時間) の未明に紫金山・アトラス彗星の撮影を試みます。 撮影に成功した場合は、最新の画像を順次、本ウェブサイトに掲載していきます。ぜひご覧ください。

撮影初日の2024年9月30日 04:48-06:30 (チリ時間) に、早速、静止画とタイムラプス動画での撮影に成功しました! 写真は9月30日6時9分 (チリ時間) の紫金山・アトラス彗星です。東空に雲があったために薄明が進んだ時刻での 撮影となりましたが、それでも薄明に負けず、彗星は肉眼でも良く見えていました。

※こちらの画像をご利用の際は「撮影 : 東京大学TAOプロジェクト/中西昭雄」とクレジット表記をお願いします。
2024年5月2日 ニュース
東京大学アタカマ天文台 (TAO) 望遠鏡サイト完成記念式典開催
東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターが推進しているTAOプロジェクトは、2012年から口径6.5mのTAO望遠鏡の製作を、 2018年から道路拡張工事を、2020年から山頂工事を開始し建設を進めていましたが、2024年にエンクロージャを含めた山頂施設が完成したことを受け、 2024年4月30日にチリの首都サンティアゴにてTAO望遠鏡サイト完成記念式典を開催しました。理学系の記事はこちら
2023年10月28日 イベント
三鷹・星と宇宙の日 2023
2023年10月28日(土)、東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターは国立天文台、アストロバイオロジーセンター、総研大天文科学専攻と共催で 「三鷹・星と宇宙の日2023」を開催しました。今年は現地開催(※事前申込・定員制)を主として開催しました。当センターでは、講演会、東京大学アタカマ天文台(TAO)、木曽観測所、電波天文学グループ、大学院生企画の計5本の企画展示を行いました。ポスター・動画・インタラクティブツール・ジオラマ等の展示、観測装置の実演展示(状況により中止の可能性あり)、クイズラリー等を通して研究成果や施設紹介を行いました。詳しくは国立天文台の「三鷹・星と宇宙の日 2023」特設サイトもご覧ください。
2023年6月30日 ニュース
星の材料があるのに星が誕生しない!?:棒渦巻銀河における星形成抑制現象
東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターの前田郁弥 研究員を中心とした研究チームは、野辺山45m電波望遠鏡やALMA望遠鏡を用いて、近傍宇宙の複数の棒渦巻銀河における分子ガスからの星の生まれやすさ(星形成効率)の詳しい解析を行いました。その結果、棒渦巻銀河では、棒部の星形成効率が渦巻腕に比べて系統的に低い、つまり、棒部の星形成活動が抑制されていることを示しました。さらに研究チームは、分子ガスの速度幅が大きい領域ほど抑制の度合いが大きいことを発見しました。これは、棒構造に由来するガスの激しい運動が要因で、星形成が抑制されていることを示唆しています。この成果は、銀河内部で星が誕生するための条件を知る手掛かりとなります。
2023年4月24日 ニュース
国内望遠鏡による観測でスターリンク衛星の日除け効果を検証
東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターの堀内 貴史特任研究員を中心とした総勢28名からなる研究グループは、日除けを搭載したスターリンク衛星、バイザーサットの太陽光反射低減効果を地上観測によって測定しました。その結果、従来のスターリンク衛星に比べて太陽光反射をおよそ半分に低減すること、つまり日除けの効果があることを示しました。この研究成果は人工衛星群の明るさを様々な角度から検証したことで、観測研究の将来について考えるための重要な材料となるでしょう。
2023年4月12日 ニュース
藤井総長、国立天文台をご訪問、東京大学アタカマ天文台(TAO望遠鏡)に関する覚書を再締結
東京大学と国立天文台は、東京大学アタカマ天文台(TAOプロジェクト)の 口径 6.5m TAO望遠鏡運用に向けて、協力の覚書を再締結しました。藤井輝夫総長はご署名のため国立天文台を訪問、常田佐久国立天文台長と会談ののち、国立天文台の施設を見学されました。続いて理学系研究科附属天文学教育研究センターも訪問され、TAO望遠鏡の主力観測装置MIMIZUKUを見学されました。
2023年4月7日 プレスリリース
星の鼓動とダストの不思議な相関関係
東京大学大学院理学系研究科の橘健吾大学院生らの研究グループは、太陽のような恒星が進化した姿である漸近巨星分枝星の変光の振幅が、星の宇宙空間へのダスト形成供給量と相関を持つことを発見しました。この発見は、人工衛星望遠鏡による長期間の赤外線モニタ観測結果を解析して得られたものです。宇宙でダストがどの天体から作られているか、あるいはダストがどのように作られているかを知る手掛かりとなります。
2023年1月30日 プレスリリース
世界初!AIが描く天の川銀河のガス雲分布
東京大学大学院理学系研究科 藤田 真司 特任研究員(大阪公立大学 大学院理学研究科 客員研究員)を中心とする研究グループは、国立天文台野辺山45m宇宙電波望遠鏡によって詳細に観測された天の川銀河 (銀河系)の一酸化炭素分子の大規模データから、星の原料となる星間分子ガス雲を約14万個同定しました。 そして、人工知能を活用し、それら約14万個の星間分子ガス雲の距離をそれぞれ推定し、天の川銀河における星間分子ガス雲のサイズや質量を求め、世界で最も詳細に銀河円盤の星間分子ガス雲の分布を描き出すことに成功しました。本研究成果は、大きな星・星団を作るための重要なイベントとして考えられている“星間分子ガス雲同士の衝突”の頻度計算など、さまざまな天文学研究に波及すると期待されます。
2022年11月28日 プレスリリース
分子ガス観測で明らかになった高速電波バースト出現環境
東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターの廿日出文洋助教、新納悠特任助教らの研究チームは、未だ謎の多い天体現象である「高速電波バースト」の起源に迫るため、出現した銀河(母銀河)における分子ガスの観測を行いました。その結果、高速電波バーストは、一般的な星形成銀河やガンマ線バーストの母銀河、重力崩壊型超新星の母銀河とは異なる銀河環境で出現することを明らかにしました。
2022年10月29日 イベント
三鷹・星と宇宙の日 2022
2021年10月29日(土)、東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターは国立天文台、アストロバイオロジーセンター、総研大天文科学専攻と共催で 「三鷹・星と宇宙の日2022」を開催しました。今年は現地開催(事前申込・定員制)とオンラインイベントの両方を実施するハイブリッドの形態で開催しました。当センターの現地開催では、ポスター・動画・インタラクティブツール・ジオラマによる研究成果・施設の紹介や観測装置の実物展示(実験状況により中止の可能性あり)・大学院生によるミニ講演会(※整理券による抽選)を実施しました。東京大学理学系研究科・理学部 YouTube チャンネル では、酒向重行 准教授によるメイン講演と大学院生によるミニ講演のライブ配信も行いました。一部のコンテンツは引き続き視聴できますので是非ご覧ください。詳しくは以下の特設サイトをご覧ください。
「三鷹・星と宇宙の日2022」天文学教育研究センター特設サイト
2022年9月16日 プレスリリース
赤外線放射の「鼓動」で探る銀河中心ブラックホールを隠すダストの分布
東京大学大学院理学系研究科の水越翔一郎大学院生らの研究グループは、活動銀河核の赤外線放射強度の時間変動現象の解析から、銀河中心ブラックホールを取り巻くダスト層による活動銀河核中心部からの光の減衰量(ダスト減光量)を測定する新しい手法を開発しました。463個の活動銀河核に本手法を適用した結果、可視光では中心放射が約1杼分の1に暗くなるほどダストトーラスに深く隠された活動銀河核の存在を明らかにしました。また、先行研究で示唆された、ダスト減光量とブラックホールから我々までの間にあるガス量との関係を、より多くの天体を用いて示しました。
2022年8月9日 プレスリリース
広視野動画撮影でとらえた赤色矮星たちの短時間閃光現象
上海交通大学李政道研究所逢澤正嵩博士研究員を中心とする研究グループは、東京大学木曽シュミット望遠鏡に搭載された広視野動画カメラトモエゴゼンを用いて、約5700個の赤色矮星に対し秒刻みの高速観測を実施し、数10秒の短時間に増光するフレアを22件検出しました。また、短時間に増光する強力なフレアが活動的な赤色矮星において平均で1日に1回程度発生することを示しました。
2022年7月13日 プレスリリース
即時動画観測がとらえた地球接近小惑星の高速自転
東京大学大学院理学系研究科博士課程学生の紅山仁(天文学専攻)を中心とする研究グループは、東京大学木曽シュミット望遠鏡に搭載された広視野動画カメラトモエゴゼンを用いて、直径100 m以下の微小小惑星60天体に対して動画観測を行い、そのうち32天体の自転周期の推定に成功しました。 この観測により微小小惑星の自転周期に上限(約10秒)が存在することを発見するとともに、その上限の存在を説明する力学モデルを提唱しました。
2022年5月31日 ニュース
気象衛星ひまわり8号が捉えたベテルギウスの大減光
東京大学大学院理学系研究科博士課程学生の谷口大輔、宇野慎介(天文学専攻)らの研究チームは、気象衛星ひまわり8号による地球観測画像の周囲に写り込んだ宇宙空間画像を用いて、オリオン座の一等星であるベテルギウスの4.5年間に渡る可視光から中間赤外線の光度曲線を得ることに成功しました。この光度曲線を解析した結果、2020年初頭に発生したベテルギウスの大減光の原因が、表面温度の低下と、星の側で発生した塵の雲による掩蔽の両者であった可能性が高いことが明らかになりました。
この研究成果は、Daisuke Taniguchi et al. “The Great Dimming of Betelgeuse seen by the Himawari-8 meteorological satellite”として、英国の天文学専門誌『ネイチャー・アストロノミー』に2022年5月30日付で掲載されました。
2022年5月18日 プレスリリース
矮新星 SS Cygの可視光とX線の明るさの時間変動に高い相関を検出
東京大学大学院理学系研究科修士課程学生の西野耀平(天文学専攻)、東京大学、理化学研究所などの研究者からなる研究チームは、東京大学木曽観測所 105cmシュミット望遠鏡に搭載されたトモエゴゼンと国際宇宙ステーションに搭載されたX線望遠鏡 NICER を用いて矮新星 SS Cyg に対し同時高速観測を実施し、 可視光とX線の明るさの時間変動に高い相関を検出することに成功しました。また、可視光の変動に0.3秒から3.1秒の遅れが存在することも明らかにしました。
2022年4月7日 ニュース
理学部ウェブマガジン「リガクル」に宮田 隆志教授の記事が掲載されました
東京大学大学院理学系研究科・理学部の魅力を伝えるウェブマガジン「リガクル」に、東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター宮田 隆志教授の記事「宇宙からやって来た光は一粒たりとも逃したくないから」が掲載されました。ぜひご覧ください。
2022年3月1日 ニュース
令和3年度コニカミノルタ画像科学奨励賞の連携賞を受賞
東京大学大学院理学系研究科博士課程学生の谷口大輔、宇野慎介(天文学専攻)、山崎一哉(地球惑星科学専攻)らの研究グループは、公益財団法人コニカミノルタ科学技術振興財団が公募した令和3年度コニカミノルタ画像科学奨励賞の連携賞(受賞テーマ「「気象衛星を活用した時間領域恒星天文学」の創出」)に選ばれました。