運動学的に選んだ M31 外辺部における低メタルハロー星 |
Chapman, Ibata, Lewis, Ferguson,Irwin, McConnachie, Tanvir 2006 ApJ 653, 255 - 266 |
アブス | グラフ | |
M31 赤色巨星を分離する新しい方法:165 kpc 離れた巨星の発見。 |
Gilbert, Guhathakurta, Kaliral, Rich, Majewski,
Ostheimer, Reitzel, Cenarro, Cooper, Luine, Patterson 2006 ApJ 652, 1188 - 1212 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダ銀河楕円体、外側円盤、ストリームの詳しい星形成史。 |
Brown, Smith, Ferguson, Rich, Guhathakurta, Renzini, Sweigart, Kimble 2006 ApJ 652, 323 - 353 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダ銀河までの距離を決めるのに適した食連星 |
Vilardell, Ribos, Jordi 2006 AA 459, 321 - 331 |
アブス | グラフ | |
二つの中心外しリングの起源はアンドロメダ銀河の正面衝突か? |
Block, Bournaud, Combes, Groess, Barmby, Ashby, Fazio, Pahre, Willner 2006 Nature 443, 832 - 834 |
アブス | グラフ | |
多色測光を使った M31 球状星団年齢の新しい決定法 |
Fang, Ma, de Grijs, Yang, Zhou 2006 MN 371, 1648 - 1658 |
アブス | グラフ | |
星の海の上のチリの波 |
Barmby, Ashby, Bianchi, Engelbranch, Gehrz, Gordon, Hinz, Huchra,
Humphereys, Pahre, Perez-Gonzalez, Polomski, Rieke, Thilker, Willner,
Woodward 2006 ApJL 650, L45 - L49 Erratum 2007 ApJ 655, 61 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダ銀河ハローの低メタルハロー |
Kalirai, Gilbert, Guhathakurta, Majewski, Ostheimer, Rich,
Cooper, Reitzel, Patterson 2006 ApJ 648, 389 - 404 |
アブス | グラフ | |
煙が目にしみる: M31 赤色超巨星の物理と赤化超過 |
Massey, Clayton, evesque, Olsen, Bertrand, Silva NOAO Proposal #2006B-0070 |
アブス | ||
M31 バーの秘密を暴く。 |
Athanassoula, Beaton 2006 MN 370, 1499 - 1512 |
アブス | グラフ | |
3 - 5 μm で見る M31 中心部 |
Davidge, Jensen 2006 AJ 132, 521 - 530 |
アブス | グラフ | |
膨張宇宙の中でなぜアンドロメダ銀河が近づいてくるのか? |
Milone 2006 Sky Tel. 112 vol.7 108 - |
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近赤外で分解された星による M31 バルジ、円盤の星形成史 |
Olsen, Blum, Stephens, Davidge, Massey, Strom 2006 AJ 132, 271 - 289 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダ銀河内の分子ガス |
Nieten, Neininger, Guelin, Ungerechts, Lucas, Berkhuijsen,
Beck, Wielebinski 2006 AA 453, 459 - 475 |
アブス | グラフ | |
M31 渦状腕上の [CII] 放射と星形成活動 |
Rodriguez-Fernandez, Braine, Brouillet, Combes 2006 AA 453, 77 - 82 |
アブス | グラフ | |
惑星状星雲分光器をつかったアンドロメダ銀河惑星状星雲の探査 |
Merrett, Merrifield, Douglas, Kuijken, Romanowsky, Napolitano,
Arnaboldi, Capaccioli, Freeman, Gerhard, Coccato, Carter, Evans, Wilkinson,
Halliday, Bridges 2006 MN 369, 120 - 142 |
アブス | グラフ | |
M 31 円盤とバルジ内惑星状星雲の速度 |
Halliday,Carter, Bridges, Jackson, Wilkinson, Quinn, Evans, Douglas,
Merrett, Merrifield, Romanowsky, Kuijken, Irwin 2006 MN 369, 97 - 119 |
アブス | グラフ | |
ジャイアントストリームの運動学と星種族 I. ケック分光 |
Guhathakurta, Rich, Reitzel, Cooper, Gilbert, Majewski, Osthemer,
Geha, Johnston, Patterson 2006 AJ 131, 2497 - 2513 |
アブス | グラフ | |
局所群銀河内の生まれたての星 I. M31, M33 の UBVRI 測光 |
Massey, Olsen, Hodge, Strong, Jacoby, Schlingman, Smith 2006 AJ 131, 2478 - 2496 |
アブス | グラフ | |
M31 回転曲線の拡張 |
Carignan, Chemin, Huchtmeier, Lockman 2006 ApJ 641, L109 - L112 |
アブス | グラフ | |
M31 赤色巨星の運動学とメタル量:ジャイアントストリームと第2成分の発見。 |
Kalirai, Guhathakurta, Gilbert, Reitzel, Majewski, Rich, Cooper 2006 ApJ 641, 268 - 280 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダストリームの研究 II. 軌道フィットと母銀河の性質 |
Fardal, Babul, Geehan, Guhathakurta 2006 MN 366, 1012 - 1028 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダストリームの研究 I. 簡単なバルジー円盤ーハローモデル |
Geehan, Fardal, Babul, Guhathakurta 2006 MN 366, 966 - 1011 |
アブス | グラフ | |
M31 ジャイアントストリームの力学と種族 II. 解釈 |
Font, Johnston, Guhathakurta, Majewski, Rich 2006 AJ 131, 1436 - 1444 |
アブス | グラフ | |
M31 の スピッツアー画像:渦巻とリング |
Gordon, Bailin, Engelbranch, Rieke, Misselt, Latter, Young,
Ashby, Barmby, Gibson, Hines, Hinz, Krause, Levine, Marleau, Noriega-Crespo,
Stolovy, Thilker, Werner 2006 ApJ 638, L87 - L92 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダの深い測光がストリームと楕円体の驚くべき類似性を明らかにした |
Brown, Smith, Guhathakurta, Rich, Ferguson, Renzini,
Sweigart, Kimble 2006 ApJ 636, L89 - K92 |
アブス | グラフ | |
ウェンデルスタイン-カラアルト ピクセルレンズィング計画:
M31 変光星カタログ |
Fliri, Riffeser, Seitz, Bender 2006 AA 445, 423 - 439 |
アブス | グラフ |
M31 中心から 10 - 70 kpc の距離に低メタル、[Fe/H] ∼ -1.4, σ = 0.2、
の星成分が存在することを報告する。この低メタル星は最近発見された広がった
回転成分の背後に横たわり、メタル量勾配を持たない。 サンプルは KeckII/DEIMOS の 9861 赤色巨星スペクトルデータベースから、 50 kpc までは測光的には支配的な広がった回転成分星を視線速度によって除き、 運動学的に選ばれた 827 星である。 |
観測星は 8 deg2 に広がった領域内の 54 フィールドに散らばっていて、
ハローを ∼ 70 kpc までカバーしている。このサンプルには回転の証拠が
見られない。簡単なフィットから、中心付近の速度分散は 153 km/s で -0.90 km/s/kpc
で減少して行く。 NFW ハローモデルにフィットすると M31 のビリアルマスとして、 > 9.0 1011 Mo を得る。ハロー成分のこの性質はわが銀河系と非常に 良く似ていて、初期宇宙で似た降着史と進化パスを通過してきたことを明らかにする。 グラフへ 一覧へ |
M31 外辺部で RGB 星を分離する方法を提示する。この研究は進行中の Keck II
/DEIMOS による分光サーベイが基になっている。測光で銀河系矮星は除去したが、
なお多数の混入がある。 我々は以下の量を使って尤度検定を行った: (1)視線速度。(2)DDO51 バンドによる測光で測った MgH/Mgb 吸収強度。 (3)Na I λ8190 二重線強度。(4)(I, V-I) 色等級図上の位置。 (5)測光メタル量(色等級図上の位置)と分光メタル量(CaII λ8500 三重線)の比較。 |
巨星と矮星の分離に使えそうな他の基準、(1)KI 7665, 7699 A 強度。(2)
TiO バンド 7100, 7600, 8500 A 強度。の有用性も調べた。M31 内の明らかな
赤色巨星と銀河系矮星を使い、夫々の量に対し、経験的な確率分布を付与した。
それらの確率関数を用いて、与えられた星が M31 巨星か、MW 矮星かの尤度を
計算した。 この方法で M31 中心から 60 kpc より先に 40 個の赤色巨星を発見した。 その中には 165 kpc にある 3 個の赤色巨星が含まれる。 グラフへ 一覧へ |
HST/ACS によりアンドロメダ銀河の深い撮像を行った。色等級図を球状星団で
較正した等時線のグリッドと比較して、星形成史を再構成した。各領域で、
長く続く星形成が示された。多くの星が 10 Gyr より若いが 4 Gyr より若い星は
少ない。 楕円体の中間年齢、高メタル種族の説明として提出された、円盤星の寄与が大きい とかストリーム星がたまたま紛れ込んだという説明は疑わしい。この種族は元々 内側楕円体に固有である可能性が高い。 |
内側楕円体の大きく乱れた構造は、外側ハローの低メタルで圧力支持構造
とは明らかに異なる。ストリームと楕円体種族は似ているが、ストリーム年齢の
方が1 Gyr 若い。類似性は内側楕円体がストリーム母銀河か類似天体から剥が
された星で強く汚染されていることを示す。円盤種族は若く高メタルだが、
太陽近傍ほどは若くない。その代わり、外側円盤は 4 - 8 Gyr の星が
支配的で、銀河系円盤と似ている。円盤データは 10 Gyr より古い星が
主要種族と言う考えとは相いれず、実際 10 Gyr より古い星はフィットに
必要としない。
ターンオフに達しない地上観測で類似の研究が可能か? グラフへ 一覧へ |
LMC の食連星距離決定(Fitzpatrick et al 2003)に続いて、 INT 2.5m 鏡を使い 5 年間に渡り、M31 北東部 34' × 34' を B, V で測光した。各フィルター 250 枚の画像から差分法で変光星を探した。カタログは 25.5 等に達し、236,238 星が載っている。 |
変光星が 3964 個見つかり、その中には 437 食連星と 416 セファイドが
含まれていた。等級と変光曲線から、距離決定に最適な 24 組の食連星が
選ばれた。それらの測光誤差は 0.01 等である。分光を含む詳細な解析から
2 - 3 % 誤差で M 31 距離が決まるであろう。
グラフへ 一覧へ |
何十年に渡って、アンドロメダ銀河には激しい活動の証拠が殆ど見られないと 看做されてきた。しかし、M31 の 10 kpc 外側リングは中心が銀河中心からずれている。 それに加え、銀河の外側円盤は可視でも電波でもウォープが観察されている。ハロー には多数のループやさざ波が見える。ここでは過去に得られたデータ(Barmby et al 2006) の解析から、第2のダストリングの発見を報告する。 |
このリングは投影長さ 1.5 × 1 kpc で、銀河中心と
0.5 kpc ずれている。二つのリングは円盤上を伝搬する密度波のように見える。
数値シミュレーションはそれに全く新しい解釈を提示した。二つのリングは
衛星銀河が M31 中心付近に正面衝突した結果であるというのだ。最も怪しい
のは M32 である。銀河の正面衝突は稀な現象である。しかし、それが 二億一千
万年前に起きたのである。
グラフへ 一覧へ |
多色測光データを星合成モデルと比較して、星団の年齢、質量、メタル、減光を
決めるのは一般的な方法である。ここでは最新のデータと SSP モデル(Bruzual/Charlot
2003)と技術でアンドロメダ銀河の 91 球状星団について年齢を定めた。 特に 2MASS の利用は可視光データと併用すると数 Gyr より古い星団の年齢-メタル量 縮退を解くのに有用である。以前の年齢推定はこの縮退に強く影響を受けていた。 |
一つの星団を除き、サンプル星団の年齢はすべて 1GYr より古かった。年齢分布は
3 Gyr と 5 Gyr をそれぞれピークとする、若い星団と中間年齢星団から成り、それに
通常の古い星団が加わる。 どの年齢でもメタル量にはかなりの広がりがある。ただし、若く低メタル及び古く 高メタルの星団はない。この現象の背後には球状星団種族全体の年齢-メタル量関係が 横たわるのかも知れない。 グラフへ 一覧へ |
Spitzer/IRC の M31 3.7° × 1.6° マップを示す。3.6 μ では、古い種族の星による滑らかなバルジと円盤が見える。しかし、8 μm になると、有名な 10 kpc リングが画像の中心になる。 |
3.6 μm と可視光の画像が似ていること、可視ー中間赤外カラーが内側
400" では、ほぼ一定であることから、M31 バルジには殆ど可視減光がないと
推定される。中心核のカラーはダストの存在を示唆するが、赤外で明るい AGN
ではない。8 μm の星でない放射総量から星形成率 0.4 Mo/yr が導かれる。
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Keck II/DEOMOS により M31 ハローの RGB 分光サーベイを行った。RGB を 分離するため、次の5つの基準を用いた。(1)視線速度。(2)中間帯域 DDO51 測光。(3)Na I 等値幅(表面重力)。(4)CMD上の位置。(5) 測光と分光のメタルを比較。その結果、12領域から 250 個の M31 バルジ とハローの RGB を分離した。距離は 12 - 165 kpc に渡る。 |
M31 楕円体(ハロー+バルジ)メタル分布関数を作り、距離と共に
メタル量が低下して行くことを見出した。R < 20 kpc で [Fe/H] = -0.47、
R ∼ 30 kpc で [Fe/H] = -0.94、R > 60 kpc で [Fe/H] = -1.26 である。
この結果は R = 160 kpc にまで低メタルのハロー RGB 星が存在していること
を意味する。これは我々が最近発見した表面輝度 R-2 ハローを
支持する。
グラフへ 一覧へ |
新しい MARCS 大気モデルを用いて、銀河系とマゼラン雲内赤色超巨星の有効温度、 半径、光度を決めた。その結果初めて大質量星(10 - 25 Mo) の進化モデルと観測を 比較し、一致を確認できるようになった。そこで、今度は M31 の大質量星の観測を 行いたい。M31 赤色超巨星は高メタルのため、マスロス率が高くなり、大質量星進化 理論のテストに向いている。 |
さらに、分光測光観測から星周塵の研究が行える。そこでは
粒子サイズ分布を決め、銀河系とマゼラン雲で行っている類似の研究と比較したい。
さらに、 JHK 測光から MARCS モデルとの不一致が指摘されている V-K カラーと
TiO バンド強度との関係を調べる。
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M31 の傾斜はバーをはっきり認識するには横向きになり過ぎている。一方、 バルジの boxy/peanut 形状をはっきり見分けられるよう円盤から突き出る ほどには横向きでない。にも拘らず多くの手掛かりはこの銀河にバーを示唆 している。そこで、バー銀河のシミュレーションを行い、M31 の観測と 比べた。ハローは静的ポテンシャルでなく、各運動量のやり取りを行う 粒子からなり「生きている」ことに注意。 特に、赤外観測が重要であった。等輝度線の比較、長軸、短軸に沿った 輝度プロファイル、ずれた直線に沿ったカットでのプロファイルを比較した。 4つの基本モデルをデータと比べて、バーの強さ、長さ、角度を導いた。 |
M31 が古典的なバルジとピーナッツ/ボックスバルジの両方を持つ (意味不明) という議論を展開する。50' の
リング状構造はバーの外側リンドブラッドレゾナンス付近にあり、棒状銀河に
よく見られる外側リングかも知れない。等輝度線の形は M31 バーの垂直方向に
平たい部分がボックスバルジの遥か先まで伸びていることを示唆する。つまり、
ボックスバルジはバーの一部に過ぎないのである。こうして、軌道解析と
シミュレーションのからの予言が確認された。ボックスバルジの骨組みは
x1 tree メンバーの周期軌道と、x1 族から分岐した
高次の共鳴、x1v3, x1v4 のような、 である可能性が高い。
グラフへ 一覧へ |
ジェミニ北望遠鏡 NIRI による M31 中心領域の 3 - 5 μm 像を調べた。 中心数秒角での NIR 像との違いは、P1 と P2 の K' 等級差より M' 等級差の方が 大きくなっていることである。M' では P3 が見えなかった。この結果は次のように 考えれば説明がつく。 P1 と P2 の間に数百度 K 以下の発光源があり、それが P1 の M' 光の 20 % に寄与している。この天体の赤い K' - M' カラーに 基づき、これは一つの AGB 星の周りの厚いダストシェルと考える。そのための テスト法を述べる。 |
銀河中心から 8" 離れて明るい M' 源が検出された。この天体は赤く、その M'
等級は太陽近傍にある進化した AGB 星と似ている。したがって、これは非常に
進化した AGB 星であろう。この星の K' は AGB 進化で期待される値に近く、
年齢は 数億年と見積もられる。この年齢は P3 星団と同じくらいである。NIR
AO を使って、この数秒角の外側にある重なりで乱されていない AGB 星が L'
で測られた。その K - L′は銀河系バルジの M 型巨星と近い。
グラフへ 一覧へ |
M31 のバルジと円盤の 3 箇所で行ったジェミニ北望遠鏡 ALTAIR AO による H, K 観測を報告する。これはこれまでで最も高分解能で深い M31 観測である。 この観測を M31 9 箇所での HST/NICMOS 観測とつなぎ、M31 バルジと円盤の 粗い星形成史を導いた。 |
MK 光度関数(色等級図ではない点に注意)へのフィットから、支配
的種族は t > 6 Gyr の古く太陽メタルの星であることを見出した。この古い
種族は銀河中心距離の全てでバルジと円盤への相対的寄与に関らず、星形成史の
主要部である。我々の観測箇所にはバルジ星が幾分かは寄与しているが、我々の
結果の精度内ではバルジと円盤の年齢差は認められなかった。
グラフへ 一覧へ |
IRAM 30 m で 12CO(J=1-0) 23"(85 pc) 分解能観測を M31
2° × 0°.5 で行った。速度分解能は 2.6 km/s である。
幾つかの領域では 12CO(J=2-1) 観測も行った。 R = 3 - 16 kpc で 12CO(J=1-0) が検出された。強度のピークは 10 kpc であった。 12CO(J=1-0) 強度は巾の狭い腕のような 形のフィラメントに集中している。そのフィラメントは多くの場合、ダーク レーンと場所が一致している。 R = 4 - 12 kpc では、明るい CO フィラメント は 2 本腕の渦状パターンを形成している。その形はピッチ角 7 - 8° の 対数渦巻でよく表現される。西側腕に沿って、(腕/腕間) の強度比は 20 に 達し、HI の場合(分解能 45")の 4 より大分大きい。 |
H2/CO強度 変換ファクター XCO を一定
と仮定した時、中性ガス中の分子の割り合いは腕の内部では増加している。その値
は内側腕で 0.6, R = 10 kpc の腕で 0.3 である。見かけ (ガス/ダスト) 比 =
N(HI)/I175 と[ N(HI) + 2N(H2]/I175
は中心から R = 14 kpc にかけて 20 倍に増加する。
一方、[2N(H2/I175] はわずか 4 倍の増加である。 [中性ガス/ダスト]比が 20 倍に増えたか、ダストが周辺に行くに従い低温に なったかである。XCO が距離で大きく変化することは考えにくい。 観測されたガス・ダスト比はガス、ダストの相関に影響している。 R = 8 - 14 kpc では、ガス総量と冷たいダストとの相関は良い。特に分子ガスは HI よりダスト との相関が良い。18 kpc 内の M31 分子ガス総量は M(H2) = 3.6 × 108 Mo で、 中性ガスの 7 % となる。 グラフへ 一覧へ |
[CII] 158 μm ラインは星間物質の冷却に最も重要であるが、天体により
かなりの変化が見られる。この放射が銀河スケールで何に由来するかは未だ
謎である。候補としては、光解離領域、冷たい星間物質、から暖かい電離領域
まで様々に挙げられている。以前の [CII] 観測は分解能が銀河で数 kpc で
様々な成分の混合放射を観測していた。ここでは [CII] を渦状腕のスケールで
観測し、ラインの起源と星形成活動との関係を調べた。
ここでは ISO による M31 腕の切れ端を [CII], [OI] で観測した結果を述べる。 |
結果は CO, HI など中性ガストレーサーと Hα スピツアー 24 μm など
星形成活動指標と比べられた。その結果、[CII] 放射分布は両者と驚くほど
似ていることが判った。一方、中性ガスとの相関はそれ程良くない。水素原子
一個当たりの [CII] 冷却率は図の端での値 2.7 × 10-26
erg s-1atom-1 から、星形成域での 1.4 ×
10-25 erg s-1atom-1 へと大きく変化する。
[CII]/FIR42-122 比は約 2% で殆ど一定であるが、この値は通常引用
されるのより3倍大きい。これは M31 が異常なのではなく、比較した銀河の値
ではこの比が小さな銀河中心域が含まれるからである。
グラフへ 一覧へ |
惑星状星雲分光器(PNS) は [OIII]5007 A ラインの波長を測る装置である。天体の
光はまず巾 35 A の狭帯フィルターを通過し、次に二つのビームに分けられる。各
ビームはグレーティングにより逆方向の分散がかかる。二つの画像上で、星は帯に
惑星状星雲は点として現れる。二つの点の間隔が視線速度を表わす。この手法は
counter-dispersive imaging (CDI) と呼ばれ、観測の深さが10倍(2.5 等)深く
なる。(Douglas et al 2002) 観測は La Palma ウイリアムハーシェル望遠鏡を
使って 2002/10/08 - /13 と 2003/09/29 - 10/05 の2回行われた。画像はアイ
ザックニュートン望遠鏡の広視野カメラで撮った。 M31 円盤を半径 1°.5 まで撮った結果、3300 の輝線天体が見つかり、その 内 2615 が惑星状星雲候補とされた。その外側では長軸と短軸沿い、それと ノーザンスパー(Northern Spur)、サザンストリーム領域でのみ観測が行われた。 中心近くの込みあった領域を除くと、このサーベイは m5007 = 23.75 まで完全であり、PN 光度関数の 3.5 等分を覆う。 |
衛星銀河にも PN が見つかった。And VIII 領域の速度は M31 メンバーとして
矛盾が無い。 PNe 光度関数は通常の単調関数である。M31 分子リングでのみ, 銀河の近い側で 系統的に 0.2 等遠い側より暗い。これはリングによる減光として説明できる。 バルジと円盤とで光度関数に差がないことから、サンプル PN に占める大質量星 の割合は低いことが導かれる。 PNe から導いた円盤星密度の分布には明瞭な区切りがない。また、バルジ半径の 10 倍まで行ってもハロー種族がバルジを圧倒する様子は見られない。 円盤 PN の平均流れ速度場は著しい非軸対称な外側への流れを示した。その 速度分散は当初低下するが、その外側では一定値を保つ。速度分散と光度の間に 相関は認められない。これも PN 母星が PN 光度に拘らず一様な古い種族である ことを示している。速度分散プロファイルと非軸対称ドリフトは互いに整合して いるが、円盤のフレアを要求する。 グラフへ 一覧へ |
ウィリアムハーシェル望遠鏡のファイバー分光器 WYFFOS を用いて M31 円盤と バルジの 723 惑星状星雲の視線速度を測った。速度決定には [OIII] λ 5007 を用いた。半径 50 arcmin (11.5 kpc) 内の回転曲線と速度分散を求めた。 この半径まで恒星回転速度が決まったのは初めてである。 |
回転速度はバルジ有効半径 1.4 kpc の外側までバルジが回転支持状態にある
ことを示す。しかし、 5 kpc の先ではデータ数が足りない。バルジ内に運動学的な
副構造があるような証拠があるが、後日の論文まで延ばす。これは現在進行中の
M 31 バルジ、円盤、ハローの質量、速度分散不等方性、質量分布を決める
計画の一部である。
グラフへ 一覧へ |
Keck/DEIMOS による M31 赤色巨星大規模分光サーベイの第1報告をする。
事前に行った中間帯域 DDO51 バンド、Mgb/MgH 吸収帯に合わせた、測光により、
赤色巨星候補が選ばれた。中心からの投影距離 31 kpc のジャイアントサザン
ストリーム内の小領域を観測した。前景の銀河系矮星と背景銀河を除いた後、
68 個のきれいなサンプルが残った。Na II 二重線が表面重力による分離の点で
特に有用であった。 M31 星のうち約 65 % がストリームメンバーで、残りは一般の楕円体成分星 であった。この領域の太陽中心平均視線速度は -458 km/s で M31 系統速度 に対して -158 km/s の青方変位を示している。この値はストリームに沿った 他の箇所で求まった視線速度とよく一致している。 |
ストリーム内の速度分散は 15+8-15 km/s (90 %
レベル)である。Font et al による論文ではストリームの軌道、運動学的な
冷たさの意味、母衛星銀河に関する議論を行う。 この領域での一般楕円体星の運動学、メタル分布は M31 楕円体の他の領域 と比べて大きな違いを示す。これはおそらくバルジとハローの副構造の存在を 示しているのであろう。 ストリームは一般楕円体の 〈[Fe/H]〉 ∼ -0.74 と比べ高 メタル 〈[Fe/H]〉 ∼ -0.54 であり、分布巾も狭い。これは 母銀河が明るい矮小銀河であったことを示す。M31 RGB の CaII 三重線強度 は測光的(等時線フィット)に求めたメタル量と合致する。ストリームには 中間年齢星の存在を示唆する間接的な証拠もある。 グラフへ 一覧へ |
LGGS プロジェクトの一つ、KPNO 4m による M31, M33 の UBVRI モザイク
画像を示す。この論文では
データ解析法を詳述する。観測は M31 長軸沿い 2.2 deg2, M33
0.8 deg2 をカバーした。測光の較正にはローウェル 1.1 m 鏡
の測光を用いた。この測光は重複領域での差がミリ等級しかない。 最終カタログは M31 で 371,781 星、 M33 で 146,622 星を含む。これらの 星は全て B, V, R 等級が与えられている。等級精度は 21 等( > 20 Mo 相当)で 1 - 2 %, U ∼ B ∼ V ∼ R ∼ I ∼ 23 等で < 10 % である。シーイングは典型的には 0".8 - 1".4 であったが、M31 の混みあった OB 48 領域でも我々のカタログ天体と HST/ACS 画像との対応は良かった。 |
等級精度を調べるため Magnier et al のカタログと比較した結果も良好であった。
しかし、我々の方が2倍広く、2等深い。DIRECT サーベイとの一致も良かった。
写真測光データとの一致はずっと悪い。 分光観測天体との同定も行い、それらの色等級図上の位置を確定した。 今回の測光により、M31/M33 メンバーと前景星との分離も可能になった。最後に WIYN 3.5 m 望遠鏡での一晩だけの分光観測の結果を示す。スペクトルは 新たに B - A 超巨星を含む 34 星をメンバーとして確定した。また M31 で 知られている最も早期型の O 型星、二つの新しい青い変光星のスペクトルが P Cygni と似ていることも判った。 グラフへ 一覧へ |
Effelsberg と Green Bank の 100 m 望遠鏡を用いて M31 の HI 観測を 行った。その結果、回転曲線を ∼ 35 kpc まで延ばした。20 kpc から 35 kpc までの間回転曲線は約 226 km/s で平坦である。 |
質量分布モデルから、最も遠い観測点位置において暗黒物質対可視物質比は
最小で 0.5 である。これは R < 35 kpc で総質量 3.4 × 1011
Mo に相当する。これは R < 50 kpc で評価された総質量 4.9 ×
1011 Mo と比較されるべき数字である。
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Keck II/DEIMOS によるアンドロメダ銀河赤色巨星の分光観測を報告する。
M31 楕円体、外側円盤、ジャイアントサザンストリーム内に計3か所の
観測領域が取られた。この論文では中心から投影距離 20 kpc にあるストリ
ーム赤色巨星の運動学と化学組成を論ずる。 この領域では複数の星種族がまざっていることが判った。測光と分光を組み 合わせた手法で、M31 赤色巨星と MW 矮星を分離した。赤色巨星の速度分布 は双峰的で、主ピークは -513 km/s, 副ピークは -417 km/s である。さらに その下に一般楕円体と思われる幅広の成分が横たわっている。 |
どちらのピークも速度分散 16 km/s 程度で運動学的に冷たい。平均メタル量と
メタル量分散は二つの成分間で同じで、〈[Fe/H]〉 ∼ -0.45,
&sig;([Fe/H]) = 0.2 である。 主ピークの速度はストリームモデルからの予想値と一致する。しかし第二ピーク の性質は不明である。考えられる幾つかの説明として、(1)ジャイアントストリームと 無関係なマージャーからの潮汐デブリ、(2)ジャイアントストリームの中の M31 拘束成分、(3)M31 の Rdisk > 50 km/s の円盤ウォープ または密度超過、などがある。 グラフへ 一覧へ |
N 体モデルを作り M31 ストリームを調べた。M31 ポテンシャルは Geehan et al の結果を使った。まず、簡単なモデルでストリーム位置と母銀河軌道との差を 説明した。我々が導いた母銀河軌道は遠銀点 60 kpc, 近銀点 3 kpc である。 ストリームは 109 Mo 程度の母銀河から起きた。推定は母銀河が 現在どこにいるかによって変わる。 |
M31 は内側ハローに多数の細かい特徴を示しているが、これは母銀河か
ストリームの継続かも知れない。軌道フィットは母銀河の位置を確定するほど
でないが幾つかの候補が挙げられる。その中で Marrett et al が示した
惑星状星雲分布は一番尤もらしい。それらの候補の運動学的性質について
予言を行った。それらは観測的な同定に役立つ。
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M31 の単純だが十分に正確なポテンシャルを作り、ハロー内での運動を
求めた。モデルには NFW ダークハロー、指数型円盤、Hernquist バルジ、中心
ブラックホールが含まれる。モデルパラメターは観測輝度分布、速度分散、
回転曲線からの制約により決めた。 このモデルは観測とよく合い、より細かなモデルとも一致する。ただし、ハロー ポテンシャルは不確かで、また円盤とバルジの間には縮退が起きている。このため パラメター空間内に広い、殆ど2次元的な不確定領域が生じた。 |
この不確定性を減らすために、ハロー集中度、バリオンの割り合い、星の
M/L 比などに理論的な制限を加え、パラメターが物理的に有意義なより狭い
領域を見出した。我々が提案する M31 の質量分布モデルは
Mbulge = 3.2 × 1010Mo,
Mdisk = 7.2 × 1010Mo,
M200 = 7.1 × 1011Mo,
で M/Lbulge, R = 3.9, M/Ldisk, R = 3.3 である。
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Guhathakurta et al 2006 その他のストリーム星視線速度の観測を制限条件と
して、母衛星銀河の性質を調べた。観測にフィットする軌道は遠銀点と近銀点の
距離比が 25 - 30 の細長い軌道で、ほぼ横向きに位置している。遠銀点は現在の
観測領域のほんの少し先である。 それらテスト軌道の幾つかはストリームとノーザンスパーや東側の高メタル領域 を結び付けるものであった。 |
後者の場合が正しければそれは東の残存物は銀河前面にあり、軌道の遠銀点
近くにあることとなる。デブリの巾と速度分散から母銀河質量の下限値として
108 Mo が得られる。これらから M31 のどの衛星銀河が母銀河に
なり得るかを調べた。
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MIPS 24, 70, 160 μm による M31 ダストの画像を提示する。分布は二つの 対数螺旋と半径 10 kpc 、中心が銀河中心核からずれた円形星形成リングで表わ せる。二つの渦状腕は中心核領域にあるバーの端から発し、リングの外側まで 伸びているように見える。以前の研究でも指摘されていたが、渦状腕は連続して いず、渦巻の破片から成る。 |
星形成リングは非常に丸く、M32 のところだけ途切れている。よく
定義された腕の欠如と殆ど円形のリングの存在は M31 が衛星銀河との相互作用
で乱されていることを示唆する。M32, NGC 205 との力学作用シミュレーション
の結果はずれて一部が欠けたリングを産み出すことを示す。
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ジャイアントストリームの色等級図を示す。観測は HST/ACS により、V = 30 mag. で完全度 50 % であった。これは最も古い主系列ターンオフより約 1 mag 深い。以前観測された楕円体の色等級図と今回のそれとの間には驚くべき 類似があり、年齢とメタル量が近いことを意味する。この結果の解釈を検討した が、どれにも問題がある。 |
アンドロメダ銀河との
相互作用からはストリームに複数回の短期で激しい星形成が期待されるが、
それを裏付ける、明白に区別されるような複数のターンオフは見つからない。
楕円体もストリームも 6 Gyr の間続き、かなり高メタルになり、6億年以前
にほぼ完了した。この近似性は両者が同じ事件から生まれたことを示唆する。
両者が円盤銀河の残存物なのか、あるいは M31 円盤がこわれた破片なのか
調べる必要がある。
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M31 バルジで見つかった WeCAPP 計画で見つかった変光星のカタログを報告する。
WeCAPP マイクロレンズイング観測は R, I バンドで 2000 - 2003 の間行われた。
各晩毎に画像を重ねてその晩の像とし、差分法(Tommaney/Crotts 1996, Alard/Lupton
1998) で変光を検出した。そのため、周期が 1.3 日より短い RR Lyr のような
短周期変光星は検出されない。super-pixel method (Baillon et al 1993) は取らな
かった。 16.1' × 16.6' 領域に 23781 個の変光星が検出された。カタログには、位置、 周期、R, I での振幅が含まれる。変光星は 周期ー振幅平面上の位置で分類された。 |
3つのグループが見分けられ、最初の二つはセファイド的な変光星で、グループIは
種族Iセファイド、グループIIはタイプIIセファイドと RV Tauri 星である。
第3グループは様々な LPV からなる。 37 RV Tauri 星、11 RV Tauri 候補星が
含まれ、このタイプの星としては最大のリストである。 分類方法は変光曲線のフーリエ成分分解で補助された。我々のデータは 古典セファイド、タイプセファイド、 RV Tau 星はフーリエ計数 Φ21, と Φ31 の間に相関がある。X - 線の変光星カタログ Kaaret 2002 と 23 星、Kong et al 2002 とは 21 星が一致した。内 8, 12 個は球状星団である。 検出された変光星の分布は明らかに非対称である。この非対称性は渦状腕がバルジに 掛かっているためである。その部分では変光星数が 60 % 減少する。 グラフへ 一覧へ |