The Central Regions of M31 in the 3 - 5 μm Wavelength Region

  Davidge, Jensen    2006 AJ 132, 521 - 530

 ジェミニ北望遠鏡 NIRI による M31 中心領域の 3 - 5 μm 像を調べた。 中心数秒角での NIR 像との違いは、P1 と P2 の K' 等級差より M' 等級差の方が 大きくなっていることである。M' では P3 が見えなかった。この結果は次のように 考えれば説明がつく。 P1 と P2 の間に数百度 K 以下の発光源があり、それが P1 の M' 光の 20 % に寄与している。この天体の赤い K' - M' カラーに 基づき、これは一つの AGB 星の周りの厚いダストシェルと考える。そのための テスト法を述べる。




図1.M31 中心 2" × 4" の K'(上)、M'(中)画像。P1 の明るさ を両者で合わせてある。M' では P1 が P2 より明るくなることが判る。
(下)P1 から 0.1" P2 寄りに P1 K' の 20 % の明るさの点源を置いたモデル。


図4. P1 - P2 軸上のカラープロファイルJ - K も K - L' も平らだが、 K - M' の盛り上がりが数百度Kの天体が存在することを示す。


図6.銀河中心付近の色等級図。クロス=ブレンドの影響が小さい星。黒四角= IRS 7 (Blum et al 1996, Viehmann 2005) AK = 3.1 を仮定 (Davidge1998)。これはGCの星の事か?

 銀河中心から 8" 離れて明るい M' 源が検出された。この天体は赤く、その M' 等級は太陽近傍にある進化した AGB 星と似ている。したがって、これは非常に 進化した AGB 星であろう。この星の K' は AGB 進化で期待される値に近く、 年齢は 数億年と見積もられる。この年齢は P3 星団と同じくらいである。NIR AO を使って、この数秒角の外側にある重なりで乱されていない AGB 星が L' で測られた。その K - L′は銀河系バルジの M 型巨星と近い。




図2.P1 - P2 軸上の 0.6" 巾光度分布。r = P1 からの距離(秒角) 
実線= K' プロファイル。破線= M'(上)、L'(中)、M'(下)プロファイル。 プロファイルは P1 ピークで規格化した。r < 0.3" で M' プロファイル が K' の下になることに注意。


図3.テストの結果。M' 観測プロファイルに P1 の 20 % 強さの PSF を 0.1" 離して加えたら K' プロファイルと一致した。(誤解しているの かも知れない。)


図5.CFHT H, K' データ。