惑星状星雲分光器(PNS) は [OIII]5007 A ラインの波長を測る装置である。天体の
光はまず巾 35 A の狭帯フィルターを通過し、次に二つのビームに分けられる。各
ビームはグレーティングにより逆方向の分散がかかる。二つの画像上で、星は帯に
惑星状星雲は点として現れる。二つの点の間隔が視線速度を表わす。この手法は
counter-dispersive imaging (CDI) と呼ばれ、観測の深さが10倍(2.5 等)深く
なる。(Douglas et al 2002) 観測は La Palma ウイリアムハーシェル望遠鏡を
使って 2002/10/08 - /13 と 2003/09/29 - 10/05 の2回行われた。画像はアイ
ザックニュートン望遠鏡の広視野カメラで撮った。
![]() 図1.(左)[OIII] 画像。(中)、(右)二つのスリットレス画像。点=PN、 横長=星。 ![]() 図3.シーイング分布。暗いほど良いシーイング(数字は秒角)を表わす。 白四角=PN無検出。 ![]() 図5.分散を受けない左と右 y - 座標の差の分布。 ![]() 図7.重なった部分での座標の差。 ![]() 図9.PN.S 初期速度と Halliday et al 2006 のファイバー分光速度との差。 ![]() 図11.灰色=今回のサーベイ領域。中心近くの黒点=Giardullo et al 1989. 白丸=Hurley-Keller et al 2004. 小さい点= Halliday et al 2006 の分光。 ![]() 図14.PN.S 測光と Massey et al 2002 等級との差。 ![]() 図16.PN.S サーベイで発見された PN の FWHM. ![]() 図17b.フラックス比 F[OIII]/FHα+[NII]の 等級区間でのヒストグラム。斜線は広がった天体(多分 HIIR)。縦線=HIIR と PN の境界。 ![]() 図19.等級毎の累積半径分布。コルモゴロフ検定では 95 % レベルで暗い PN と明るい PN の分布に差はない。 |
衛星銀河にも PN が見つかった。And VIII 領域の速度は M31 メンバーとして
矛盾が無い。
![]() 図2.観測フィールド。四角= PN.S の視野。1 - 163 が最初の観測5晩、他 が2回目の観測5晩。楕円は半径 2° の円。 ![]() 図4.較正用銅-ネオン-アルゴンアークのスペクトル。 ![]() 図6.フィールド間の重なり部分での二つの速度の差 ![]() 図8.重なった領域での等級差。 ![]() 図10.PN.S 最終速度と Halliday et al 2006 のファイバー分光速度との差。 ![]() 図12.PN.S 最終速度と Hurley-Keller et al 2004 速度との差。 ![]() 図13.PN.S と Halliday et al 2006 間の位置の差。 ![]() 図15.PN.S 等級とGiardullo et al 1989 との等級差。 ![]() 図17a.フラックス比 F[OIII]/FHα+[NII]の 等級による変化。(縦軸名は間違い?) ![]() 図18.(上)HIIR 候補の位置。(10 kpc リング らしいパターンが見える。)。(下)その位置速度ダイアグラム。 ![]() 図20.衛星銀河中に発見された惑星状星雲。 | |
![]() 図21.衛星銀河内の惑星状星雲。(a)M32(b)NGC205(c)And IV(d)2MASXi J0039374+420956(e)MLA93 0953。 クロス=M31 に対して負速度。星印=M31 に対して正速度。印の大きさが速度。 M32 と NGC 205 では二重丸は速度がメンバーシップに一致するもの。 | ||
![]() 図22.And IV 中の輝線天体の運動。 ![]() 図24.And VIII の PN.S 天体速度と長軸座標 X 。 ![]() 図26.M31 の投影円盤半径区間毎の光度関数。 ![]() 図28.地球とM31の位置関係。太い黒線=ダストレーン。近い側では光 の大部分がダストレーンの向こう側から来る。 ![]() 図30.短軸沿いの実線=輝度分布と黒丸= PN 計数。破線=R1/4 プロファイル。 ![]() 図32.全 PNe の長軸に沿った位置速度図。丸=衛星銀河。四角=ノーザンスパー。 三角=サザンストリーム。 ![]() 図34.黒点= PN サンプルの速度分散プロファイル。灰色実線=銀河内側の 星速度分散(McElroy 1983)。他は色々なモデルの分散曲線。 ![]() 図36. X > 0°.3 における速度分散の見かけ等級による変化。 |
![]() 図23.And VIII 周囲(灰色丸)を強調した M31 長軸と視線速度の関係。 小さい点=PN.S データ。白丸=Hurley-Keller et al 2004 データ。 ![]() 図25.M31 PNe の光度関数。白丸は検出完全性限界より暗い天体。 ![]() 図27.黒い星=M31 の近い側(北西)と灰色丸=遠い側(南東)による光度 関数の変化。 ![]() 図29.実線=長軸に沿った R バンド表面輝度プロファイル (Walterbos, Kennicutt 1987), 破線=スケール長 0°.43 指数関数プロファイル(Walterbos, Kennicutt 1988)と 黒丸= PN 計数。 ![]() 図31.星の表面輝度と PN 表面密度の比例定数 α = PN 光度関数の 上部 2.5 mag. 間の PN 数/太陽光度 の位置変化。 ![]() 図33.|Y| < 0°.04 で長軸に近い PNe の長軸に沿った位置速度図。 黒丸= PNe 平均回転速度。点線= HI, 破線= CO, 実線= HIIR 回転速度。 ![]() 図35.フレアリング円盤の模式図。円盤スケール高はある距離 Rin まで一定。その先では Rout 線形に増加し、その先再び一定。 ![]() 図37.予想される実線= PNe 回転運動(Binney, Tremaine 1987 Eq.4-33) と黒丸=実測値。クロス= HI 回転曲線(Braun 1991) |