[CII] Emission and Star Formation in the Spiral Arms of M31

  Rodriguez-Fernandez, Braine, Brouillet, Combes     2006 AA 453, 77 - 82

 [CII] 158 μm ラインは星間物質の冷却に最も重要であるが、天体により かなりの変化が見られる。この放射が銀河スケールで何に由来するかは未だ 謎である。候補としては、光解離領域、冷たい星間物質、から暖かい電離領域 まで様々に挙げられている。以前の [CII] 観測は分解能が銀河で数 kpc で 様々な成分の混合放射を観測していた。ここでは [CII] を渦状腕のスケールで 観測し、ラインの起源と星形成活動との関係を調べた。

 ここでは ISO による M31 腕の切れ端を [CII], [OI] で観測した結果を述べる。 結果は CO, HI など中性ガストレーサーと Hα スピツアー 24 μm など 星形成活動指標と比べられた。その結果、[CII] 放射分布は両者と驚くほど 似ていることが判った。一方、中性ガスとの相関はそれ程良くない。水素原子 一個当たりの [CII] 冷却率は図の端での値 2.7 × 10-26 erg s-1atom-1 から、星形成域での 1.4 × 10-25 erg s-1atom-1 へと大きく変化する。 [CII]/FIR42-122 比は約 2% で殆ど一定であるが、この値は通常引用 されるのより3倍大きい。これは M31 が異常なのではなく、比較した銀河の値 ではこの比が小さな銀河中心域が含まれるからである。


図1.λ175μm ダスト連続光(Haas et al 1998) 二つの四角= [CII] 観測域。



図2. CO, HI, Hα, 24 μm, IRAS [2.58S60+S100] マップ上に [CII] 等高線を重ねた。
(左)オリジナル分解能。(右)[CII] 70" 分解能に合わせた図。


図3.様々な x 位置で渦状腕をy方向に横切る [CII], CO(1-0), HI, Hα, 24μm プロファイル。


図4. Hα 等高線をスピツアー 24 μm 像上に重ねた。一致は良い。


図5.[CII] 冷却率を Hα 画像上(上)と 24 μm 像(下)上に重ねた。