A Kinematically Selected Metal-Poor Stellar Halo in the Outskirts of M31

  Chapman,Ibata,Lewis,Ferguson,Irwin,McConnachie,Tanvir    2006 ApJ 653, 255 - 266

 M31 中心から 10 - 70 kpc の距離に低メタル、[Fe/H] ∼ -1.4, σ = 0.2、 の星成分が存在することを報告する。この低メタル星は最近発見された広がった 回転成分の背後に横たわり、メタル量勾配を持たない。

 サンプルは KeckII/DEIMOS の 9861 赤色巨星スペクトルデータベースから、 50 kpc までは測光的には支配的な広がった回転成分星を視線速度によって除き、 運動学的に選ばれた 827 星である。




図1.DEIMOS による視線速度サーベイの観測領域。外側楕円は c/a = 0.6 で 半径 55 kpc を示す。内側楕円は 2° (27 kpc) を示す。DEIMOS フィー ルドは 54 個あり、 9861 星が観測された。


図4a.ハローと円盤種族(薄い円盤+厚い円盤)の速度分布。(上)円盤回転を 差し引いた残り。(下)太陽中心速度。M31 系統速度中心にハロー星がガウシャン 分布している。
赤=円盤。シアン点線=ハロー。高メタル成分(ジャイアントストリーム)を 加えた。青点線=ハロー。高メタル成分(ジャイアントストリーム)を除いた。


図5a.F3, F4 (M31 北東領域)は -160 km/s > vhel km/s > -300 km/s で選択、F12, F9, F22 は -300 km/s > vhel > -500 km/s でハロー星を選択した。この領域で CaT 吸収が強く、 銀河系矮星の強い NaI λλ8183,8195 吸収が極小になっている。 他の領域も同様の傾向を示し、矮星混入を最小に抑えたことを裏付ける。


図6.単純回転モデルの尤度。


図8.NFWモデルの尤度。


図10.図9の23領域から選んだ19領域内の運動学的に選んだハロー星の 平均スペクトル。上の一つは全ての重ね合わせ。


図12.ML の意味が判らない。

 観測星は 8 deg2 に広がった領域内の 54 フィールドに散らばっていて、 ハローを ∼ 70 kpc までカバーしている。このサンプルには回転の証拠が 見られない。簡単なフィットから、中心付近の速度分散は 153 km/s で -0.90 km/s/kpc で減少して行く。
NFW ハローモデルにフィットすると M31 のビリアルマスとして、 > 9.0 1011 Mo を得る。ハロー成分のこの性質はわが銀河系と非常に 良く似ていて、初期宇宙で似た降着史と進化パスを通過してきたことを明らかにする。




図2.長軸沿いの視線速度変化。(上)太陽中心速度。 (下)円盤回転運動(Ibata et al 2005)を差し 引いた残り。円盤星=速度ゼロのラインに沿う赤色点。 厚い円盤の星=緑色点。ハロー的な星=速度が広がって分布する黒い点。 高メタルのジャイアントストリーム星=濃い灰色点。小さい橙点は前景銀河系星。


図4b.代表的な9領域(図1の赤で囲まれた箇所)での太陽中心速度分布。 M31 北東側にある F30, F10, F8 領域に見られる円盤と前景銀河系星による 二重ピークは vhel < -160 km/s で M31 成分を抽出する 方法が保守的に過ぎることを示す。しかし、これで純粋なハロー星のサンプル が得られた。


図5b.左の3領域で vhel < -100 km/s で抽出した星の 平均スペクトル。 強い Na I ラインと弱い CaT ラインは矮星の特徴。
( vhel > -100 km/s では ないか?)


図7.単一速度分散モデルでの尤度


図9.(上)サンプル星の空間分布。楕円は図1と同じ。(下) メタル分布。(左)ハロー星。5つの高メタル星はジャイアントストリーム 星の混入だろう。(右)円盤星。


図11.ハローRGBの測光メタルと分光メタルの比較。測光メタルは年齢 依存度が高いことに注意。分光メタルとの一致の良さから、ここで採用した 年齢 13 Gyr が年齢良い推定値であることを裏付ける。
どのくらい若くなると一致が悪くなるか?