The Wendelstein Calar Alto Pixellensing Project (WeCAPP) :
     The M31 Variable Star Catalogue

  Fliri, Riffeser, Seitz, Bender        2006 AA 445, 423 - 439

 M31 バルジで見つかった WeCAPP 計画で見つかった変光星のカタログを報告する。 WeCAPP マイクロレンズイング観測は R, I バンドで 2000 - 2003 の間行われた。 各晩毎に画像を重ねてその晩の像とし、差分法(Tommaney/Crotts 1996, Alard/Lupton 1998) で変光を検出した。そのため、周期が 1.3 日より短い RR Lyr のような 短周期変光星は検出されない。super-pixel method (Baillon et al 1993) は取らな かった。

16.1' × 16.6' 領域に 23781 個の変光星が検出された。カタログには、位置、 周期、R, I での振幅が含まれる。変光星は 周期ー振幅平面上の位置で分類された。




図1.観測はWendelstein 天文台 0.8 m 鏡(独)と Calar Alto 天文台 1.23 m 鏡(西)で行われた。変光星の存在領域は RA(2000)[00h43m25.0s, 00h41m59.9s], Dec(2000)[41°08'00.1", 41°24'18.0"] である。


図3.データ処理のフローティングチャート。


図6.レベルA天体(観測回数が50回より多い)の観測回数分布。一番少ない 観測数ピークは領域2,4、次のピークが領域3、最も多い回数は領域1。


図8.北半分と南半分での変光星数の距離変化。青線=北側。赤線=南側。 南北の差は明らかで、北側で減光が大きいためである。中心付近で数が 減るのは混雑による検出不完全性のためである。
(領域毎の観測数の差によるカットの影響は?)

3つのグループが見分けられ、最初の二つはセファイド的な変光星で、グループIは 種族Iセファイド、グループIIはタイプIIセファイドと RV Tauri 星である。 第3グループは様々な LPV からなる。 37 RV Tauri 星、11 RV Tauri 候補星が 含まれ、このタイプの星としては最大のリストである。

 分類方法は変光曲線のフーリエ成分分解で補助された。我々のデータは 古典セファイド、タイプセファイド、 RV Tau 星はフーリエ計数 Φ21, と Φ31 の間に相関がある。X - 線の変光星カタログ Kaaret 2002 と 23 星、Kong et al 2002 とは 21 星が一致した。内 8, 12 個は球状星団である。 検出された変光星の分布は明らかに非対称である。この非対称性は渦状腕がバルジに 掛かっているためである。その部分では変光星数が 60 % 減少する。




図2.4領域での観測夜の分布。


図4.25,000 以上の変光星の χ2 - フレームの 1' × 1' 像。丸は SExtractor による検出箇所。大部分は初検出で、ミラ型や SR型の変光星である。


図5.WeCAPP 変光星の パワースペクトル PN(ω) の二例。 上はセファイドの周期図。下はLPV.


図7.(上)食連星候補 31 天体の周期分布。7個の半分離型連星は短周期 である。(下)半分離型連星の R-バンド変光曲線の例。



図10. R バンド減光マップ。白=高減光。R-バンド減光値は V-, R- バンド 画像(Massey et al 2001 LGS サーベイ)から得た。青丸=カタログの変光星。 中心部では LSG 画像のサチュレーションのため減光が計算できなかった。




図9.100 × 100 ピクセル(50"×50")内の全変光星から作った 数密度。等高線レベルは 1, 2, 3, 4, 5 × 10-2 arcsec -2 。渦状腕がはっきり見える。ダストレーンの減光のため、 数密度は 60 % に落ち込んでいる。中心付近ではサチュレーション効果のため 密度が低下している。


図12.R-バンド周期振幅関係。ベガ等級を採用した。縦軸はフラックス 変化を反映した値で等級差と異なる点に注意。黒線で区切った3つの集団 が見える。左から、集合1(黒点=種族Iセファイド)、集合2(青点= タイプ II セファイド + 赤点= RV Tau + マゼンタ= RV Tau 候補 + 緑点= SR )、集合3(LPV)である。


図14.ビートセファイドの R-バンドパワースペクトル。二つのピークは 1.7330 日と 2.3515 日。


図16.種族 I セファイドの周期分布。


図18. 集合3、LPV の周期分布。(上)クラス i 規則的及び半規則的 (信頼性レベル P(>z) < 10-20 in R and I)変光星。 (下)クラス ii (信頼性レベル P(>z) ≥ 10-20 in R and I)不規則変光星。信頼性レベルでカットされた不規則変光星のみ を示した。不規則型とされた変光星の周期は精度が低いことに注意。しかし、 不規則変光星の周期が規則変光星より短いことは判る。




図11.理論的な LPV 分布予想 (Renzini 1998)。Kent 1989 のバルジ分解に 基づく。青枠は WeCAPP 観測領域。等高線は 0.01, 0.02, 0.03, 0.04, 0.05, 0.1, 0.5, 1, 5, 10 星 arcsec-2 ( そんなにない!) 赤線= 0.5 arcsec-2


図13.種族 I セファイドの振幅比 R21 = A2 /A1 (上)と位相差 Φ21 = Φ2 - 2Φ1 (下)を周期に対しプロットした。 R21, Φ21 共に周期が共鳴 P2/P1 = 0.5 に近づくと低下することに注意。R21 から 黒丸= 29 星が基本 モード振動、バツ= 2 星が倍音振動に分類された。一つのセファイドは位相差 図上で基本モード系列から外れている。この星は Beaulieu et al 1995 に 従い、中間タイプ(白丸)に分類した。ビートセファイド候補はアステリスク にした。


図15. R-バンド位相差、Φij = Φi - jΦj とした時、Φ31 と Φ21 の関係。黒=種族 I セファイド。青=タイプ II セファイド。赤= RV Tau。 マゼンタ丸= RV Tau 候補。緑= Alcock et al 1998 によるマゼラン雲の タイプ II も WeCAPP 系列の上に来る。古典セファイドは二つのパラメター 間にはっきりした相関を示す。しかし、タイプ II セファイドも RV Tau も やはり良い相関を示す。RV Tau とタイプ II セファイドの系列は重なり、 RV Tau 系列がセファイド II 系列の延長にある。これはこの2種類の変光星の 間に深い関係があることを示唆する。


図17. 集合 II 星の周期分布。青=タイプ II セファイド。赤= RV Tau. マゼンタ= RV Tau 候補。緑= SR 型星。



図19. (左)(R - I) variation color と R-バンド variation magnitude の関係。(意味不明)。 色の意味は図12と同じ。
(右)variation color と周期の関係。




図20.集合1の δCepheid 変光曲線。(上の二つ)R-バンド。(下の 二つ) I-バンド。


図22..集合2の RV Tau 型星 変光曲線。(上の二つ)R-バンド。(下の 二つ) I-バンド。


図24.集合3の LPV 星 変光曲線。(上の二つ)R-バンド。(下の 二つ) I-バンド。データの一致を示すため、Calar Alto(赤)と Wendelstein (黒)を分けて示した。


図26.集合3の 不規則変光星の 変光曲線。


図28.新星の変光曲線。




図21.図.集合2の タイプII Cepheid 変光曲線。(上の二つ)R-バンド。(下の 二つ) I-バンド。


図23.集合2の SR 型星 変光曲線。(上の二つ)R-バンド。(下の 二つ) I-バンド。


図25.集合3の LPV 星 変光曲線。(上の二つ)R-バンド。(下の 二つ) I-バンド。周期毎に振幅が変わる例。


図27.R CBr 型星の変光曲線。