木曽シュミットシンポジウム2019開催
木曽シュミットシンポジウム2019が、7月9日・10日に、御料館(旧帝室林野局木曽支局庁舎) 会議室にて開催され、52名の参加がありました。Tomo-e Gozen カメラを用いた観測結果やこれからの観測提案を中心に、多岐にわたる分野の39件の発表が行われました。今年4月にTomo-e Gozen カメラが完成したことを記念し、トモエゴゼンロゴマークのお披露目と、記念グッズの「軍手」の配布も行われました。参加者の中には、新しくTomo-e Gozenを使った観測に参入したいという方も多く、活発な情報交換が行われ、秋からの本格運用を前に、Tomo-e Gozenカメラへの期待と、プロジェクトが始動する熱気が感じられる研究会となりました。

■ 7月9日[火]講演内容
■ 7月10日[水]講演内容
09:15-09:35 | 小惑星が経験した衝突イベント時期をライトカーブから推定する方法 [日本スペースガード協会 浦川聖太郎] |
09:35-09:50 | Hough変換を用いた移動天体の検出 [統計数理研究所 森井幹雄(代理発表:浦川)] |
09:50-10:10 | Tomo-e Gozenと重ね合わせ法による高速移動NEO観測計画の進捗 [日本スペースガード協会 奥村真一郎] |
10:10-10:30 | 高速移動する地球接近天体の広視野探査 [木曽観測所 酒向重行] |
10:45-11:05 | Tomo-e Gozenによるminimoon探査 [東京大学 紅山仁] |
11:05-11:25 | 光学観測による宇宙物体の動態推定に関する研究 [九州大学 荒川稜平] |
11:25-11:45 | 京大MUレーダー流星ヘッドエコーとTomo-e Gozenによる微光流星同時観測の初期結果 [日本大学 阿部新助] |
12:50-13:10 | Status of KAGRA [東京大学 宮川治] |
13:10-13:30 | Tomo-e Gozen による重力波フォローアップ 観測実施状況 [東京大学 新納悠] |
13:30-13:50 | FRBと重力波シグナルの同時検出可能性について [東京大学 鹿内みのり] |
13:50-14:10 | 山口32m電波望遠鏡によるFRB観測現状とTomo-e Gozenを用いた光・電波連携 [山口大学 青木貴弘] |
14:20-14:40 | Tomo-e Q0/Q1によるCrabパルサーの電波・X線との同時観測 [東京大学 一木真] |
14:40-15:00 | 多次元データのオンライン要約とその応用 [静岡大学 山本泰生] |
15:00-15:20 | 議論 |
■ ポスター
- ・SMOKAの現状と利用状況
[国立天文台 古澤順子] - ・X線連星の可視光・近赤外線追観測
[東京工業大学 村田勝寛]
(ポスター紹介トーク) - ・Searching for the fastest spinning white dwarfs with Tomo-e Gozen [東京大学 川名好史朗]
(ポスター紹介トーク) - ・東京大学木曽観測所トモエゴゼン計画の長野県SDGsへの貢献
[木曽観測所 酒向重行]
木曽シュミットシンポジウム2019 プログラム
日時 : | 2019/7/9(火) 9時30分 - 7/10(水) 15時15分 |
場所 : | 御料館(旧帝室林野局木曽支局庁舎) |
■ 7月9日[火] プログラム
09:30-09:35 | 所長挨拶 [木曽観測所 小林尚人] |
09:35-09:45 | 観測所報告 [木曽観測所 征矢野隆夫] |
09:45-10:05 | Tomo-e Gozen計画 [木曽観測所 酒向重行] |
10:05-10:25 | Northern Sky Transient Survey [木曽観測所 諸隈智貴] |
10:25-10:45 | A Model for Scheduling High-Cadence Telescope Observations [統計数理研究所 池田思朗] |
10:45-11:00 | ** 休憩 ** |
11:00-11:20 | Data analysis pipeline for SN survey [甲南大学 冨永望] |
11:20-11:40 | 機械学習によるTransient検出の現状と展望 [甲南大学 浜崎凌] |
11:40-11:50 | Studying fast-brightening transients with the HSC-Tomo-e synergetic survey [Kavli IPMU 姜継安] |
11:50-12:10 | 京都大学3.8mせいめい望遠鏡・広島大学かなた望遠鏡による近傍超新星の追観測 [京都大学 川端美穂] |
12:10-12:18 | ポスターセッション(各2分) |
12:18-13:20 | お昼ご飯休憩 |
13:20-13:40 | せいめい望遠鏡CMOS多色カメラによる突発天体・短時間変動天体サイエンス [京都大学 松林和也] |
13:40-14:00 | Tomo-eによる近傍重力マイクロレンズ探索の可能性 [東京大学 福井暁彦] |
14:00-14:20 | Tomo-e Gozenで迫る秒スケールでの可視突発天体探査 [東京大学 有馬宣明] |
14:20-14:40 | The Hertz Spinning Object Survey [東京大学 樫山和己] |
14:40-15:00 | ** 休憩 ** |
15:00-15:20 | ブラックホールX線連星MAXI J1820+070の可視光放射の変動の解析 [東京工業大学 安達稜] |
15:20-15:40 | IceCubeニュートリノ電磁波対応天体サーベイ観測 [木曽観測所 諸隈智貴] |
15:40-16:00 | KWFCによるFermi/LAT γ 線源の時間変動観測 [東京大学 森田雅大] |
16:00-16:20 | 木曽シュミット乾板のデジタル化 - 乾板スキャン作業のまとめ [一橋大学 中嶋浩一・国立天文台 宮内良子] |
16:20-16:40 | 木曽シュミット乾板のデジタル化-公開システムの開発 [国立天文台 古澤順子] |
16:40-16:55 | ** 休憩 ** |
16:55-17:15 | 狭帯域フィルターを使った金属欠乏星探査 [甲南大学 岩崎巧実] |
17:15-17:35 | Tomo-e Gozen を用いたサーベイと即時分光による古典新星の初期段階の研究 [京都大学 田口健太] |
17:35-17:50 | 長期モニタリング観測による星周ダスト形成の研究 [東京大学 中田好一・大澤亮] |
17:50-18:10 | Spin Parity Distribution of Galaxies and Structure Formation of the Universe [国立天文台 家正則] |
18:10-18:25 | 名古屋市科学館プラネタリウムでの科学データのビジュアライゼーション [名古屋市立大学/名古屋市科学館 毛利勝廣] |
18:25-18:40 | ** 懇親会準備 ** |
18:40-20:40 | ** 懇親会 ** |
■ 7月10日[水] プログラム
09:15-09:50 | 小惑星が経験した衝突イベント時期をライトカーブから推定する方法・Hough変換を用いた移動天体の検出 [日本スペースガード協会 浦川聖太郎] |
09:50-10:10 | Tomo-e Gozenと重ね合わせ法による高速移動NEO観測計画の進捗 [日本スペースガード協会 奥村真一郎] |
10:10-10:30 | 高速移動する地球接近天体の広視野探査 [木曽観測所 酒向重行] |
10:30-10:45 | ** 休憩 ** |
10:45-11:05 | Tomo-e Gozenによるminimoon探査 [東京大学 紅山仁] |
11:05-11:25 | 光学観測による宇宙物体の動態推定に関する研究 [九州大学 荒川稜平] |
11:25-11:45 | 京大MUレーダー流星ヘッドエコーとTomo-e Gozenによる微光流星同時観測の初期結果 [日本大学 阿部新助] |
11:45-12:50 | ** お昼ご飯休憩+記念撮影 ** |
12:50-13:10 | Status of KAGRA [東京大学 宮川治] |
13:10-13:30 | Tomo-e Gozen による重力波フォローアップ 観測実施状況 [東京大学 新納悠] |
13:30-13:50 | FRBと重力波シグナルの同時検出可能性について [東京大学 鹿内みのり] |
13:50-14:10 | 山口32m電波望遠鏡によるFRB観測現状とTomo-e Gozenを用いた光・電波連携 [山口大学 青木貴弘] |
14:10-14:20 | ** 休憩 ** |
14:20-14:40 | Tomo-e Q0/Q1によるCrabパルサーの電波・X線との同時観測 [東京大学 一木真] |
14:40-15:00 | 多次元データのオンライン要約とその応用 [静岡大学 山本泰生] |
15:00-15:20 | 議論 |
■ ポスター
- ・SMOKAの現状と利用状況
[国立天文台 古澤順子] - ・X線連星の可視光・近赤外線追観測
[東京工業大学 村田勝寛] - ・Searching for the fastest spinning white dwarfs with Tomo-e Gozen [東京大学 川名好史朗]
- ・東京大学木曽観測所トモエゴゼン計画の長野県SDGsへの貢献
[木曽観測所 酒向重行]
木曽シュミットシンポジウム2019 -2nd circular-
東京大学大学院理学系研究科附属 天文学教育研究センター木曽観測所では、当観測所を用いた観測・研究の発表や議論の場として「木曽シュミットシンポジウム」を毎年開催しております。
木曽観測所が開発を進めてきた超広視野高速CMOSカメラ(Tomo-e Gozen)が2019年4月に完成しました。 このカメラは84枚のCMOSセンサで木曽シュミット望遠鏡の全焦点面(φ9度)を覆うことにより、 計20平方度の視野を最大2Hzで観測できます。今秋から開始する自動観測に向けてソフトウエア システムの構築を進めています。
シンポジウムでは、シュミット望遠鏡の特性を活かした研究提案・議論、これまでの研究成果の報告などを行います。 今年度は本格運用を控えた『Tomo-e時代のサイエンス』と『試験データによる初期成果』がテーマとなります。 これまでにTomo-eの広視野と高速性を活かした 「超新星の2時間頻度の全天探査」、 「重力波源の可視広視野探査」、 「短時間フラッシュ、フレア、減光現象の広視野探査」、 「太陽系外縁小天体の掩蔽の高頻度(>2Hz)広視野探査」、 「微光流星の統計的観測」、 「地球近傍の高速移動天体の観測」 「高エネルギーニュートリノ源の可視広視野探査」 などの検討を進めており、高エネルギー天体から太陽系小天体にいたる幅広い分野で 新しい科学領域の開拓が期待されます。
これまでシュミット望遠鏡を利用されたことのない方も含めて、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
※観測装置、自動観測についての情報は、これまでのシンポジウムでの資料が当Webページにありますので、そちらをご参照ください。
シンポジウム日程
日時 : | 2019/7/9(火) 9時30分 - 7/10(水) 14時30分ころ終了予定 |
場所 : | 御料館(旧帝室林野局木曽支局庁舎)(中央本線木曽福島駅徒歩25分) |
講演 : | 口頭/ポスター 各口頭講演の時間は20分程度を予定 (講演数によって調整します) |
懇親会: | 初日の講演終了後に会場もしくは会場周辺にて懇親会を 計画しております(会費3,000円程度) |
(注)
- 会場のある木曽福島には温泉宿などの宿泊施設が複数ありますので、ぜひご利用ください。
宿泊案内のページ(おんたけ観光局) - 木曽観測所にご宿泊いただくこともできます。一部の方は相部屋となりますので予めご了承ください。
観測所での宿泊は人数に限りがありますのでご了承ください。
個室のご利用を希望される方は観測所までご相談ください。
※1泊あたり2,000円(個室は4,000円)程度
※食費は別途。詳細はお問い合わせください。 - 観測所に宿泊される方は、前日7/8およびシンポジウム当日はJR木曽福島駅および会場と観測所間は公用車他で送迎いたします。
前日7/8は下記の時間にお集まりください。- 7月8日 16時30分 JR木曽福島駅
- 旅費希望者には出来る限りの配慮を致します。詳細は観測所までお問い合わせください。
参加申込
参加希望の方は、下記の申込ページから参加・講演申込を行なってください。
■ 参加・講演申込ページ ■
申し込み締め切り
- 講演・懇親会・旅費補助: 6/21(金)
- 参加のみ : 6/28(金)
参加申し込み・問い合わせ宛先
kisosymposium
交通案内
- 会場の御料館までは木曽福島駅から約1.7km(徒歩25分)です。: 地図
(御料館は地図上F-2にある旧帝室林野局です。) - 木曽福島駅から会場(御料館近く)までは路線バスが運行されています。
[木曽福島駅](または [塩淵])でご乗車いただき、[興禅寺前](あるいは [新町], [関町])のバス停で下車してください。
(路線はいくつかあります。:路線図) - さらなる交通詳細は最終サーキュラーに掲載します。
- 駅前からタクシーも使えます。(約10分、約900円)
今年の会場・周辺のみどころ
- 建物そのものが指定有形文化財になっています。
- 御料館2F展示室にある木曽谷模型も歴史的な一品です。
- 応接室の展示(バイオリン製作で有名な陳昌鉉の紹介)が面白いです。
- 御料館隣の興禅寺に木曾義仲のお墓(の一つ)があります。
- 木曽福島駅との中間あたりに趣のある古い町並みがあります。
- 木曽福島市内の5つの丸型郵便ポストには名前がつけられており、巴ちゃん、義仲くんの他せいめいくんもあります。(全部で5つ)
- 市内には安倍清明を祀った清明社もあります。