研究・開発
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- 発表・成果
開発
▼次期超広視野CMOSカメラ「Tomo-e Gozen」の開発
木曽観測所では、シュミット望遠鏡の広視野特性を最大限に活かした超広視野CMOSカメラ「Tomo-e Gozen」の開発を2014年より進めてきました。世界初の天文用モザイクCMOSカメラで、84枚の35mmフルHD CMOSを用いて、シュミット望遠鏡の全視野である直径9°の視野を覆います。また、CMOSセンサはCCDに比べ高速にデータを読み出すことができるため、「Tomo-e Gozen」は1秒以下の間隔(2フレーム/秒)で画像を撮る「動画観測」を行えるという特長を持ちます。
2019年10月より本格運用を開始しました。
Tomo-e Gozenプロジェクトについては、こちらのページをご覧ください。
観測研究
▼KWFC大規模観測プログラム
広視野モザイクCCDカメラKWFCの能力を最大限活用するため、
通常の共同利用観測とは別に、2012年度より以下の2件の大規模観測プログラムを実施してきました。
※KWFCの運用は2017年度で終了しました
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超新星サーベイ KISS
(KIso Supernova Survey)- PI: 諸隈智貴
(tmorokuma (at) ioa.s.u-tokyo.ac.jp) - 主な目的:
まだ観測がほとんど進められていない超新星爆発直後の現象をとらえることに重点を置く超新星サーベイである。まず、「重力崩壊型超新星」については、重力崩壊により親星内部で発生した衝撃波が親星光球面を通過する際に明るく輝く「ショック・ブレイクアウト」現象の検出を目指す。この現象は、古くから理論的に予言されてきたが、X線、紫外線での偶然の検出がわずかにあるのみであり、可視波長域での観測により超新星爆発モデルや親星の半径などの物理量への制限を加えることができる。また、「Ia型超新星」については、爆発直後のものを観測することで、標準光源として使われているにもかかわらず未だ明らかとなっていない親星システムの性質を調べることを目指す。
- PI: 諸隈智貴
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銀河面サーベイ KISOGP
(KWFC Intensive Survey Of the Galactic Plane)- PI: 松永典之
(matsunaga (at) ioa.s.u-tokyo.ac.jp) - 主な目的:
銀河面中の遠方(太陽系から1万光年以上)の領域にある脈動変光星や新星・矮新星などの変光点体を探査する。とくに、反銀河中心方向の広い領域を、星間減光が比較的小さいIバンド(約0.8ミクロン)で繰り返し観測し、KWFCの広視野をいかして多数の変光星を一挙に検出する。そして、変光星の分布から銀河系円盤の大局的な構造を明らかにしていく一方、新星・矮新星の多様性の解明(特に新たな種類の突発天体の探査と、統計的性質の理解)を目指す。
- PI: 松永典之
▼木曽紫外超過銀河サーベイ
木曽シュミット望遠鏡を用いたUVで明るい銀河のサーベイプログラム(1978-1999)。 U、G、Rの3色(またはU、 Rの2色)のフィルターを用いて、A0星より青い色をもつ銀河を Kiso Ultraviolet-Excess Galaxies (KUG)として検出。 232天域(約7,000平方度)を観測し、9910個のKUGをカタログ化。 宮内良子氏(国立天文台)、高瀬文志郎氏(東京大学)、前原英夫氏(国立天文台)、 中嶋浩一氏(一橋大学)らによる研究。 画像とカタログはこちら
観測データ
▼データ・アーカイブ
今までに木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡で取得されたデータのうち、CCDカメラで
撮影され1年を経過したものは、国立天文台天文学データ解析計算センターのSMOKA
(Subaru Mitaka Okayama Kiso data Archival system)において公開されています。
また、写真乾板のデジタル化データの公開も2019年9月より開始しました。
アーカイブデータの使用を希望される方はSMOKAの
ページを御覧下さい。
▼木曽シュミット乾板カタログ
1974年の開所から1999年まで、木曽105cmシュミット望遠鏡では写真乾板(一部フィルムも含む)を用いた観測が行われました。 視野の大きさは6度×6度。 7000枚を越える写真乾板のデータは、観測所内に大切に保管されています。
データはSMOKAにて公開されていますので、
データを希望する方はSMOKA Photographic Plate Archiveのページを御覧下さい。
資料
写真乾板データ (テキストファイル、書式は以下の参考文献1をご覧ください。)
参考論文1 (PDFファイル)
参考論文2 (PDFファイル)
写真乾板観測状況マップ
観測回数で観測領域を色分けしたものです。
アンドロメダ銀河(0h43',+41)、かみのけ座銀河団(13h, +30)、オリオン座星生成領域(6h, 0)などの観測回数が多いことがわかります(図中の×印の箇所)。
▼木曽シュミット乾板のデジタル化
主に写真として蓄積されてきた過去の天文データの劣化や散逸を防ぎ、将来に わたって広く活用するために、そのデジタル化が重要となっています。 また、高額の資金を投じた観測装置の観測データなどは、その公共性に鑑み、 できるかぎりインターネット上で参照可能な方式にすることが求められています。
木曽観測所では、中嶋浩一氏(一橋大学)、宮内良子氏(国立天文台)を中心に、 2015年から木曽シュミット乾板データのデジタル化プロジェクトを進めてきました。 プロジェクトの詳細は、こちらのページを ご覧ください。
2019年3月に、約7000枚を超える木曽シュミット乾板データのデジタル化が完了し、2019年9月より、 SMOKA Photographic Plate Archiveにて データの公開を開始しました。
発表・成果
▼年次報告
理学部天文学教室および天文学教育研究センターと合同で各年度の研究成果・活動の報告をまとめています。2014年度より電子データでの公開となり、理学部天文学教室のページでご覧いただけます。
▼木曽シュミットシンポジウム
木曽観測所では、木曽観測所を利用しているユーザー、および、今後の利用を希望する方々を 対象として、毎年シンポジウムを開催しています。シンポジウムでは、現在進行中、または 完了した観測の報告と将来の観測計画について発表、討論を行います。
年度をクリックすると過去のプログラムや集録をご覧いただけます
▽ 2024年度 | 2024年5月15-16日 |
▽ 2023年度 | 2023年5月30-31日 |
▽ 2022年度 | 2022年7月5-6日 |
▽ 2021年度 | 2021年10月4-6日 |
▽ 2019年度 | 2019年7月9-10日 |
▽ 2018年度 | 2018年7月10-11日 |
▽ 2017年度 | 2017年7月5-6日 |
▽ 2016年度 | 2016年7月5-6日 |
▽ 2015年度 | 2015年7月13-14日 |
▽ 2014年度 | 2014年7月10-11日 |
▽ 2013年度 | 2013年7月9-10日 |
▽ 2012年度 | 2012年7月10-11日 |
▽ 2011年度 | 2011年7月13-14日 |
▽ 2010年度 | 2010年7月15-16日 |
▽ 2009年度 | 2009年7月9-10日 |
▽ 2008年度 | 2008年7月10-11日 |
▼木曽観測所関係 論文リスト
最近10年間の論文数の推移 (2023年11月17日作成)
査読論文数
※査読論文数の平均 (2014-2023年)
最近10年間 [本/年] |
最近5年間 [本/年] |
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査読論文合計 | |||
木曽観測所で得られたデータを用いた 査読論文数 | |||
木曽観測所のスタッフが関わった 査読論文数 |
学位論文数