アンドロメダと三角座銀河のホーンテッドハロー:形成最中の銀河を見渡す。 |
Ibata, Martin, Irwin, Chapman, Ferguson, Lewis, McConnachie 2007 ApJ 671, 1591 - 1623 |
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アンドロメダ銀河の星形成史 |
Brown 2007 AAS 211, 130.01 |
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M31 に随伴する矮小楕円銀河カシオペアの変光星 |
Beaton, Armandroff, Jacoby, Da Costa 2007 AAS 211, 60.11 |
アブス | ||
M 31 RR Lyr の周期光度関係。位相の関数として。 |
Wallace, Fetters, Ngeow 2007 AAS 211, 60.10 |
アブス | ||
M31 数百の球状星団の元素組成と年齢 |
Schiavon, Caldwell, Graves, Harding, Morrison 2007 AAS 211, 58.27 |
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Large Binocular Telescope の M31 内側領域近紫外像 |
Beccari, Bellazzini, Clementini + 28 2007 AA 476, 193 - 198 |
アブス | グラフ | |
三角座ーアンドロメダ座領域の天の川ハロー恒星構造 |
Martin, Ibata, Irwin 2007 ApJ 668, L123 - L126 |
アブス | グラフ | |
チャンドラが検出したバルジ内とその周りに広がる高温ガス |
Li, Wang 2007 ApJ 668, L39 - L42 |
アブス | グラフ | |
複雑な M31 内側ハローの恒星運動学:南東短軸沿いの副構造の発見。 |
Gilbert, Fardal, Kalirai, Guhathakurta, Geha, Isler, Majewski, Ostheimer,
Patterson, Reitzel, Kirby, Cooper 2007 ApJ 668, 245 - 267 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダ銀河セファイドの総合的研究 |
Vilardell, Jordi, Ribas 2007 AA 473, 847 - 855 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダストリームの研究 III. 若いシェル群 |
Fardal, Guhathakurta, Babul, McConnachie 2007 MN 380, 15 - 32 |
アブス | グラフ | |
矮小銀河を分解する: And II の すばる S-CAM サーベイ |
McConnachie, 有本, Irwin 2007 MN 379, 379 - 392 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダ長周期変光星を決める (HST プロポーザル) |
Crott HST Proposal 2007 #11172 |
アブス | ||
M31 の星団:星種族とマスロス (Spitzer Proposal) |
Brodie, Strader, van Loon 2007 Spitzer Proposal #40568 |
アブス | ||
アンドロメダ短軸 21 kpc での星形成史 |
Brown, Smith, Ferguson, Guhathakurta, Kalirai, Rich, Renzini, Sweigart,
Reizel, Gilbert, Geha 2007 ApJ 658, L95 - L98 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダ渦状銀河の箱型バルジとバーを露わにする。 |
Beaton, Majewski, Guhathakurta, Skrutskie, Cutri, Good, Patterson,
Athanassoula, Bureau 2007 ApJ 658 L91 - L94 |
アブス | グラフ | |
M31 外辺の密度超過 G1 クランプを探る。 |
Faria, Johnson, Ferguson, Irwin, Ibata, Johnston, Lewis, Tanvir 2007 AJ 133, 1275 - 1286 |
アブス | グラフ | |
M31 渦状腕内の巨大分子集合:密度波に伴う渦状ショックによる高密度ガスの形成 |
戸崎、塩谷、久野、長谷川、中西、松下、河野 2007 PASJ 59, 33 - 42 |
アブス | グラフ | |
M31 円盤星団の HST サーベイ I. |
Krienke, Hodge 2007 PASP 119, 7 - 18 |
アブス | グラフ | |
エラー訂正 " Dusty Waves on a Starry Sea" |
Barmby + 14 2007 ApJ 655, L61 |
アブス | ||
M31 の巨大分子雲 I. 分子雲の性質 |
Rosolowsky 2007 ApJ 654, 240 - 251 |
アブス | グラフ | |
M31 中心ブラックホールを廻る高温度星:若いのか古いのか? |
Demarque, Virani 2007 AA 461, 651 - 656 |
アブス | グラフ |
INT/WFC の観測に CFHT/MegaCam による外辺ハローの深い画像を補足して、 M31 の
深いサーベイを行った。観測は内側 50 kpc 全域と南側四半域は 150 kpc までを
カバーして、M33 の > 200 kpc 部分を含んでいる。これは広大な領域を眺望する
初めての試みである。低輝度の複数の大構造が発見された。それらには幾つかの
ストリーム、二つの Mv &asimp; -9 矮小銀河、And XV, And XVI、 が含まれている。
内側ハローにはストリーム的構造が貫入してきたために生じたと思われる星種族
の大きな変動が検出された。これはこれまでの研究にあった混じり合い、時に対立
する結果に光を当てる意味で重要である。 多くの副構造の下には、薄く滑らかで 150 kpc まで広がったハローが広がっている。それらの星は低メタルである。 |
このハローはスケール長 55 kpc の Hernquist model でフィットされることが
判った。この値は理論予想の 4 倍も大きい。 別の表現として、Σv ∝ R-1.91±0.11 で投影 プロファイルをフィットできるがこれは天の川銀河とよく似ている。球対称な 分布を仮定すると総光度は 109 Lo となり、これも天の川銀河と 似た値である。この広大で、滑らかに広がるハローは古典的な単構造モデルを 想起させるものであり、現在の銀河形成モデルからは完全に予想外であった。 M33 も同じように広がった低メタルハロー成分を持ち、同じスケール長 55 kpc の Hernquist model でフィットされる。これらの広がった、ゆっくり と低下するハローは今後のモデルに対する大きな制限を課している。 グラフへ 一覧へ |
HST/ACS により、ターンオフの下にまで到達するアンドロメダ銀河の深い画像
を得た。これまでに、内側楕円体、外側円盤、潮汐ストリームの星形成史を完全
に再現出来た。 天の川銀河と違い、アンドロメダの楕円体は長い星形成期間を持ち、古い低メタル 種族に加えて、高メタルの 6 - 11 Gyr 種族を有している。 (年齢とメタルの分離に主系列光度関数を使ったのか?) |
特異な視線速度と空間配置に拘らずストリームの年齢とメタル量の分布は
楕円体のそれと驚くほど似ている。これは楕円体内側にストリーム母銀河成分
が大量に混入していることを意味する。 ストリームや楕円体と比べると、外側円盤はずっと若く高メタルである。 その星の主要部分は 4 - 8 Gyr で、太陽近傍厚い円盤の種族と似ている。 一覧へ |
天の川に随伴する衛星銀河には、銀河系中心距離と中間年齢(2 - 10 Gyr) 種族の明るさとの間に相関がある。この関係が M31 衛星にも通用するかを見る ため、カシオペア銀河 (And VII) を観測した。この銀河が M31 衛星の中では 最も遠いからである。 |
HST/ACS データを用いて予備的な色等級図解析と、変光星探査の結果を報告する。
RR Lyr 星からは独立に距離とメタル量が求められる。これらの結果を他の M31
衛星と比べる。
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Brown et al 2005 が HST/ACS で観測した M31 RR Lyr データを解析した。観測 光度曲線をフーリエ解析し、周期カラー関係と振幅カラー関係を位相(phase) の 関数として表わした。 |
極小期の周期カラー関係を文献に載っているものと比べた類似点と
差異についてコメントする。さらにその応用について述べる。
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アンドロメダ銀河に属する 465 の球状星団の積分スペクトルを MMT/Hectoscope により観測した。星団スペクトルのリック指数(Lick indices)を計測し、銀河系 球状星団の指数と比較した。 |
データはさらに EZ_Ages で解析した。これは恒星種族パラメターを自動診断
する Schiavon モデルを補うものである。我々は分光学的年齢を初めて決定し、
Fe, Mg, C, N, Ca の組成を求めた。
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Large Binocular Telescope 主焦点に搭載した Large Binocular Camera の
青チャネル初期運用で得られたアンドロメダ銀河内側領域 U バンド画像を報告する。
解析は相対測光と絶対位置計測で行った。 最近 Spitzer が赤外線で発見した内側星形成リングが近紫外像でも見ることが 出来た。 |
内側渦状腕に伴うダストレーンが詳細に現れた。Large Binocular Camera
青チャネルの性能を探るため、 GALEX の同じ領域の観測と比較した。
我々はこの混みあった領域に6個の新しい星団候補を発見した。また、62 個の
純正球状星団と 62 個の球状星団候補を確認した。
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Newberg et al 2002 は反中心方向に低銀緯ストリーム(LLS)、モノセロスリング とも呼ばれる、を発見した。それが銀河系を取り巻いていて、M31 方向に存在 することをことを Ibata et al 2003 が示した。Martin et al 2006 は速度観測から それがほぼ円運動していることを示した。 M31 10° 以内の 10 領域の深い 観測から Majewski et al 2004 は LLS の向こうにさらにもう一つの構造がある のではないかと示唆した。Rocha-Pinto et al 2004 は 2MASS から選んだ RGB を 使ってこの Triangulum-Andromeda 構造を追跡した。 |
この論文では、アンドロメダハローの MegaCam サーベイの際に前景として
現れた天の川銀河の構造を報告する。 太陽から 20 kpc の所での主系列とターンオフを 再構成した。サーベイの結果はより暗い主系列が存在することを明らかにした。 これは28 kpc の距離に相当する。これは低銀緯のストリームかも知れない。 グラフへ 一覧へ |
チャンドラ観測記録を用い、M31 中心 30' × 30' (4.5 kpc × 4.5 kpc) のマップから、拡散高温ガスを検出した。光源の光度は 0.5 - 8 keV で 1035 erg/s である。それ以外の星、カタクリスミック変光星、コロナを伴う活動連星、から の寄与を評価した。K - バンド放射が 2 - 8 keV 未分解 X - 線と同じ分布を持つことは 星からの X 線説を支持する。 |
しかし、 0.5 - 2 keV の放射強度は星から予想される値よりずっと大きく、特に
銀河中心から 2 kpc 以内でそうである。この軟 X 線の分布は K バンドで見えるバルジ
より丸く、遠くの方では短軸に沿って伸びている。従って、軟 X 線の超過成分は
バルジの中から外にかけて存在する高温ガスによると考えられる。その上、M31 円盤の
近い側は X 線源に対し、陰を投げかけている。これは高温ガスが少なくとも 2.5 kpc
は円盤から上っていることを示唆している。
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運動学的に冷たい星種族がアンドロメダ銀河南東側短軸に沿って存在することを
発見した。これはジャイアントサザンストリームにつながっているらしい。この
発見は Keck II/DEIMOS により進行中の M31 赤色巨星分光サーベイの過程でなされた。 M31 中心から投影距離 9 - 30 kpc にある 8 箇所で、星の視線速度を調べた。 測光等級とスペクトルの性質から天の川銀河星とアンドロメダ銀河星を分離した。視線 速度を分離規準に使わなかったのは初めてで、その結果、バイアスなしに M31 の 恒星運動が調べられた。 |
1013 個の M31 赤色巨星視線速度分布には二つの成分がある。幅広の、運動学的に
熱い成分、σ = 129 km/s、 はヴィリアル平衡にある楕円体を表わす。全体の
19 % は巾狭く、σ = 55.5 km/s (Rproj=12 kpc) から
σ = 10.6 km/s (Rproj=18 kpc) へと距離と共に減少し、中心速度
は M31 の系統速度に近い。 冷たい成分の空間分布と速度分布はジャイアントストリームの軌道モデルで Fardal et al が予言した「東南の棚」(Southeast shelf) に合致する。冷たい成分の メタル分布はジャイアントサザンストリームと合うが、楕円成分よりは 0.2 dex 大きい。今回の発見と最近 HST の長深度撮像で見つかった中間年齢楕円体種族との 関係も論ずる。 グラフへ 一覧へ |
母銀河の性質がセファイドの光度などにどう影響するかを知るためには、 他の銀河内セファイドの正確な性質を知る必要がある。我々は INT により M31 内 416 セファイドの B, V 測光を 5 年間に渡って行った。 その周期分布は DDO が得た銀河系セファイドのそれと殆ど同じであった。 |
各バンドで約 250 観測点があるので、 356 星の脈動モードを決めることができた。
うち、 281 は基本振動、 75 は第1倍音であった。基本振動セファイドの周期光度
関係を、ブレンディングを評価する新手法で解析した。ブレンディングの影響は
M31 までの距離を決める上でメタル量補正と同じ程度(∼ 0.1 mag)に大きい。
大振幅セファイドはブレンドの影響が小さいので、振幅 Av > 0.8 mag のセファイド
のみを使って (m - M)o = 24.32 ± 0.12 mag を導いた。
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M31 ハローの赤色巨星マップは、南側のジャイアントストリームと北東の
巨大な棚(shelf) を示す。われわれは、西側にも淡い棚が見えることを発見した。 N体シミュレーションにより非常によく似た構造を再現した。計算には Geehan et al の M31 ポテンシャルと降着衛星銀河の適切なパラメターが仮定された。計算によれば、 衛星軌道の近銀点で発生する潮汐流が現在観測される南側のジャイアントストリームで あり、この潮汐流の前方成分が二つの軌道ループを形作る。このループは何回かの 近銀点通過で翼状に広がる。これが北東と西の棚である。衛星からの潮汐デブリは、 以前観測された逆回転する惑星状星雲とそれに随伴するストリームも作り出した。 |
シミュレーションで示されたデブリの形状は多くの楕円銀河の周りで検出されている
シェルのシステムと似ている。しかし今回のシェルシステムの同定は渦状銀河では
最初であり、個々の星の速度を測れるほど近い銀河としても最初の例である。 われわれはこれらのシェルの運動学的サーベイが M31 ポテンシャルを測るよい 道具になることを指摘する。デブリの表面密度は母銀河の質量や破壊時期の推定に 役立つだろう。 グラフへ 一覧へ |
すばる SCam による And II の水平枝の下まで達する測光の報告をする。M31 dSph で
は初めて RC を検出したが、 dSph では通常中間年齢種族は目立たないと考えられていた。
様々な星種族に対して動径プロファイルを作った。その結果、水平枝は外まで密度一定
だが、RC は中心集中が見られる事が判った。 この二つは異なる二つの種族を示していると考える。広がった成分は外側で、指数関数型 分布の成分は内側で支配的である。それそれの領域での色等級図から、二つの成分 は非常に違う種族であることが判った。 |
指数関数型種族は年齢 7 - 10 Gyr で比較的高メタル [Fe/H] ∼ -1 だが、低メタル
側に尾が伸びている。RCはこの成分に属する。一方、広がった成分は光量の 3/4 を
占め、 t ∼ 13 Gyr と古く、低メタル [Fe/H] ∼ -1.5、σ[Fe/H]
∼ 0.28 とメタル分布の巾は狭い。発達した青い水平枝を持つ。 その密度分布は
局所群 dSph の中で変わっている。 この明らかに複雑な化学力学構造は暗い dSph もまた明るい銀河と同じくらい複雑な 進化史を有するという仮説を支持する。 グラフへ 一覧へ |
NICMOS F205W, F160W, F110W 1440 回の露出により、最近マゼラン雲で発見 された新しいタイプの長周期変光星が区別できる程に詳細な観測を行う。観測は ACS, WFPC2 の F555W, F814W 観測と 400,000 個の変光星をモニターする 地上観測プログラムで支援される。観測の主目的はカタログ中にある多数の 長周期変光星を周期光度関係で解析、分類するのに十分な近赤外データを集める ことである。我々は円盤の様々な距離、バルジにおける正確な P/L 図を作る。これらは マゼラン雲で現在得られているのと同じくらいの質を持つ。 |
M31 ではマゼラン雲より典型的な円盤種族の変光星を調べることが出来る。従って
より遠方の銀河への適用が容易になる。セファイドより年齢分布がより均一で、
距離指標としてより有用である。 (何だか判らん。) この観測で、PL, PLC 関係がよりよく理解され、銀河距離の精度が上がり、 広範に渡るメタル量の変光星を共通の距離で見ることができる。暗い変光星の マスロスを調べることが出来る。 グラフへ 一覧へ |
Spitzer/IRAC, MIPS による M31 大星団の観測提案。観測目的は2つある。 (1)星団年齢、メタル量、赤化を全波長 FUV - MIR 画像から定める。 |
(2)ダストの生成率とダスト寿命が星団内部でどうなるかを星団の性質との
関係で決める。この研究は M31 星形成史と星団内マスロスに重要な意味がある。
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HST/ACS でアンドロメダ南東短軸 21 kpc 画像を得た。この場所は星計数でも メタル量でも、高メタルで乱れ、15 kpc 以内で支配的な内側楕円体と低メタルで 拡散した 30 kpc の外で支配的な外側種族との境界域にある。色等級図は古い主系 列のターンオフの下にまで達している。 |
主系列星を使って星形成史が導かれた。11 kpc 地点と比べると、21 kpc 地点では
年齢で 1.3 Gyr 古く, メタル量で 0.2 dex 低い。星形成史は 11 kpc 点と似て長い
星形成史を示す。星の 1/3 は 10 Gyr より若い。しかし、 8 Gyr より若いのは
数 % しかない。メタル量と年齢の巾広い分布は単一で急速な星形成とは矛盾する。
21 kpc でさえ、楕円体は 8 Gyr 以前のマージャーのデブリが支配的であるらしい。
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2MASS 6X プログラムによる M31 円盤 2.8 deg2 の J, H, Ks サーベイ
により、減光のないくっきりとしたバルジが見えた。バルジの形状は箱型で、短軸
方向で 700" (∼ 2.6 kpc) までの近赤外光で支配的であった。内側(<50")
バルジは比較的丸いが少しよじれている。
その先では (1)バルジの楕円率が大きくなる。 (2)方位角は約 50° で一定。これは M31 円盤の方位角より 10° 大きい。 (3)noxiness は 3 - 4 % に上昇。この値は他の有名な箱型バルジと同じ。 |
もう一つの論文では、 N 体シミュレーションで観測と似た画像になることを示す。
箱型バルジの先、円盤長軸に沿った方位角 40° 方向には近赤外の狭い尾根が
見える。これは銀河中心に対称に内側円盤 700" - 1200" 伸びた薄いバーと解釈
される。これらの構造にはバンドによる差を見られず、つまりカラーは均一である。
これらの新しいデータは M31 が銀河系と同様に棒渦状銀河であることを確実にした。 グラフへ 一覧へ |
M31 主軸 30 kpc にある密度超過 G1 クランプの HST/ACS 観測を報告する。 色等級図は赤色巨星先端から 7 等下まで完全度 90 % で延びる。その結果 色等級図の様々な特徴が判り、年齢やメタル量など種族を規定する量が 得られた。色等級図から年齢巾がかなり大きく > 10 Gyr、比較的高メタル [M/H] = -0.4 という制限が得られた。メタル量の巾は ≤ 0.5 dex である。 |
この領域の星形成率は時間と共に低下している。その結果星の多くは > 6 Gyr
の年齢を持つ。それにも拘らず ≈ 10 % の種族は過去 2 Gyr 以内に生まれ
ている。これらの結果と領域のサイズからクランプが降着矮小銀河の残骸である
ということはありそうにない。G1 クランプと円盤外辺部との色等級図の類似は
この副構造は外辺部のかけらであることを強く示唆する。おそらく過去のマージ
ャー現象の際に千切れたのではないか。
グラフへ 一覧へ |
NRO 45m と ASTE 10m 電波望遠鏡を使い、M31 南側渦状腕中の巨大分子集合 (GMA) を12CO, 13CO で観測した。観測領域は 3' × 4' (0.6 kpc × 0.8 kpc) で、空間分解能は12CO(J=1-0) と 13CO(J=1-0)で 16" - 17"、 12CO(J=3-2)で 1.2" - 1.4"である。 GMA はサイズが数百 pc, 質量 5.6 × 106 Mo である。GMC 全体で R12/13 = 12CO/13CO = 10, R3-2/1-0 = 12CO(J=3-2)/12CO(J=1-0) = 0.3 である。 |
これらの比から、T=12 - 25 K でガス密度= (3-6)×102
cm-3 と判る。この値は銀河系のそれと大体同じかやや高いくらいである。
R12/13は GMA 内で中心で 6 から縁で 14 へと変化する。 GCA には二つの速度成分、青=-505 km/s と赤=-490 km/s がある。青はピーク高 が高く、巾が狭い。赤は弱く幅広である。青成分のR12/13=16, 赤成分のR12/13=5 であり、赤の密度の方が高いことを示唆する。 密度波のショックで減速されたポストショックの高密度ガスが赤成分ではないか。 グラフへ 一覧へ |
Williams/Hodge 2001 の自動星団捜査の追跡として、39 点で HST/ASC 観測を
行った。ウイリアムズの方法は若い星団を探すのに有効である。しかし、中間年齢
や老齢の星団に対してはそうでもない。我々の探索は M31 には多数の中間年齢
や老齢の星団が存在することを示した。それらの多くはウイリアムズの方法や他の
地上観測法では検知されない。 ここでは WFPC 観測で得た 343 星団を示す。今回の結果を外挿すると、M31 円盤 全体には 80,000 の星団が推定される。 |
多バンド積分測光を実施して、それらの性質
を求め、それを他の銀河の星団と比べた。 星団の光度関数、色等級図、サイズ分布を示した。星団密度とカラーは円盤上の 位置により変化が認められた。年齢分布が得られたが、暗い星団では年齢の精度は 低い。しかし、それでも星団の力学的破壊の割合は我々の銀河と同程度である。 グラフへ 一覧へ |
M/LK を使用したため M31 の星質量を誤った。 Bell/de Jong 2001 の 正しい値 0.8 を用い、K - [3.6] = 0.3 を仮定、総等級 [3.6] = -0.34 を用いると MM31 = 1.1 1011 Mo である。 |
F.Hammer の注意に感謝する。
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Berkeley-Illinois-Maryland Association (BIMA) 干渉計による M31 渦状腕 に沿った巨大分子雲の観測を報告する。観測はコンパクト配置によるサーベイと そこで検知された分子雲に対する高分解能観測で行われた。データは分子雲を 検出すように組まれたアルゴリズムで処理された。その結果、67の分子雲が 検出され、うち19は性質の研究に十分な S/N を持っていた。 |
分子雲の性質は銀河系のそれらとよく似ていて、サイズとライン幅の関係や
ビリアルパラメターの分布は同じ傾向を示す。分子雲の速度勾配と角運動量は
M33, MW と同じ程度である。それらは銀河回転シアーから予想される値より
小さい。観測した環境の星間輻射場、メタル量、トーモアQパラメター、
円盤中央密度は内部銀河系と似ている。従って似て当然である。
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高温の星の星団が M31 中心のブラックホールの周りを回っているが、これは
200 Myr 前の爆発的星形成の名残りと解釈されてきた。巨大ブラックホールの近傍
での星形成は形成理論で理解するのは難しい。我々は、星の数密度が高い環境では
星同士の衝突や融合が盛んで星の進化が歪められると考える。 今述べた若い星は色等級図で、球状星団での融合の結果と考えられるブルースト ラグラーと同じ位置を占めている。 |
P3 による積分スペクトルは青色水平枝星のスペクトルと矛盾しない
結果が得られた。 従って、青い水平枝星とマージャー星の古い種族という解釈は現在ある データと矛盾しない。若い種族と古い種族を区別するための観測を提案する。 グラフへ 一覧へ |