Investigating the Andromeda Stream - III. A Young Shell System in M31

  Fardal, Guhathakurta, Babul, McConnachie    2007 MN 380, 15 - 32

 M31 ハローの赤色巨星マップは、南側のジャイアントストリームと北東の 巨大な棚(shelf) を示す。われわれは、西側にも淡い棚が見えることを発見した。

 N体シミュレーションにより非常によく似た構造を再現した。計算には Geehan et al の M31 ポテンシャルと降着衛星銀河の適切なパラメターが仮定された。計算によれば、 衛星軌道の近銀点で発生する潮汐流が現在観測される南側のジャイアントストリームで あり、この潮汐流の前方成分が二つの軌道ループを形作る。このループは何回かの 近銀点通過で翼状に広がる。これが北東と西の棚である。衛星からの潮汐デブリは、 以前観測された逆回転する惑星状星雲とそれに随伴するストリームも作り出した。




図1.(左) Irwin et al 2005 の赤色巨星分布。赤点線=棚の縁。十字= Reitzel et al および Ibata et al 2005 の観測フィールド。
(右) Sobel filter を 左画像に施した結果。このフィルターはカウントマップ中の エッジを検出する。プロットやスパイクで生じた鋭いパターンは埋める操作を事前に 行った。


図3.シミュレーションによる主軸に沿った位置 X と視線速度の関係。 X は南西方向に増加。
(左)南東部分、 Y < -0.3°。濃い部分がジャイアントストリーム。 (右)本体+北西部分、 Y > -0.3°。赤菱形= M31 のストリーム的惑星状 星雲(Merrett et al 2006)。緑点=そのストリームに対応


図5.Reitzel et al の H13d フィールドにおける速度分布。シアン=観測。 黒線=シミュレーション本体。赤線=シミュレーションデブリ。 矢印= Ibata et al 2005 観測モデルでの円盤回転速度。


図7.球対称ポテンシャルに理想化した場合のシェル形状。


図9.北東棚の構造の様々な投影図。


図11.様々な距離における速度分布。

 シミュレーションで示されたデブリの形状は多くの楕円銀河の周りで検出されている シェルのシステムと似ている。しかし今回のシェルシステムの同定は渦状銀河では 最初であり、個々の星の速度を測れるほど近い銀河としても最初の例である。

 われわれはこれらのシェルの運動学的サーベイが M31 ポテンシャルを測るよい 道具になることを指摘する。デブリの表面密度は母銀河の質量や破壊時期の推定に 役立つだろう。




図2.シミュレーションによる衛星デブリの分布。M31 本体は抜いた。
(左) 天球に投影。赤点線=観測された棚の縁。 (右)真北から見下ろした図。北東棚が我々の方向に突き出ているのが判る。


図4.西の棚でのシミュレーションの結果と観測された惑星状星雲の位置。 (左)緑=シミュレーションデブリ。黒点=シミュレーション M31 本体。 黄色=観測された惑星状星雲。赤点線=西の棚の縁。
(右)左図の青点線内部の点の速度対距離の関係。


図6.図5と同じ。Ibata et al 2005 の分光観測領域。


図8.球対称ポテンシャルでの速度 caustics(?)


図10.様々な速度距離関係。


図12.衛星質量の推定。