研究・開発
木曽広視野カメラ(KWFC)の開発
木曽観測所では、シュミット望遠鏡の広視野特性を生かしたカメラ(KWFC)の開発を進めています。現在観測に用いられている観測装置は 2KCCDカメラですが、開発中のカメラでは8枚の2K×4K画素CCDを用いて、「2°×2°」という現在の約6倍の視野で観測することを目指しています。 国立天文台や名古屋大学から提供されたCCDを加えて、8枚の2K×4K画素CCDを準備することができ、開発を進めてきました。そして、2010年10月に、8枚の2K×4K画素CCDを用いたファーストライトを迎えることができました。ファーストライトについてはこちら、その後2010年12月までの開発状況についてはこちらのページをご覧ください。 現在、さまざまな改良や性能の評価を行っているところで、共同利用観測装置として国内外の天文学者に利用してもらえるように準備を進めているところです。
現在予定しているKWFCカメラの基本性能を以下に挙げます。
| [CCD] | |
| 検出器 | SITe社 2K×4KCCD × 4台 |
| MIT社 2K×4KCCD × 4台 | |
| 画素数 | 計 8K×8K ピクセル |
| 画素サイズ | 15μm × 15μm |
| 読出し速度 | 30 ∼ 90 秒/フレーム |
| 読み出し雑音 | ∼ 5 e- (読出し速度90秒/フレームの時) |
| [光学性能] | |
| 視野 | 125 arcmin × 125 arcmin (下の図を参照) |
| ピクセルスケール | 0.94 arcsec/ピクセル |
| [搭載フィルタと推定感度] | ||||||
| (2KCCDの感度などから見積もった値です。実際のデータでの検証は今後行います。 2010/06/09) | ||||||
| バンド | U | B | V | R | I | 検出器 |
| 限界等級 (mag) | 20.9 | 22.2 | 21.2 | 20.9 | 20.1 | SITeの場合 |
| 20.2 | 21.9 | 21.3 | 20.9 | 20.2 | MITの場合 | |
| (S/N=10, 15分露出, シーイング=3″を仮定) | ||||||
| 限界等級 (mag) | 19.2 | 20.6 | 19.7 | 19.4 | 18.7 | SITeの場合 |
| 18.1 | 20.3 | 19.7 | 19.4 | 18.7 | MITの場合 | |
| (S/N=10, 1分露出, シーイング=3″を仮定) | ||||||
| ※持ち込みフィルタも搭載可能 | ||||||

KWFCの視野の大きさ。2KCCD カメラ (50 分角四方) と Hyper Suprime-Cam (直径1.5 度角)と比較。背景は、シュミット望遠鏡と写真乾板で撮像したアンドロメダ銀河。
これまでの開発にかかわる写真
2007.11.21
2007.11.21
2008.11.11
2008.11.12
2008.11.13
2008.11.13
2010.10.26
2010.12.18
- 2010年12月18日
- 8枚のCCD全面を動かして、すきまの無い画像を取れるようにするなど、改良を進めています。
- 2010年10月26日
- 8枚のCCDを取り付けた状態でファーストライト行いました。M31やばら星雲の他、性能評価用データなどを取得しました。
- 2008年11月13日
- V-Filterを取り付けて、M31(アンドロメダ銀河)を撮影しました。
- 2008年11月12日
- シュミット望遠鏡にデュワーを取り付けたところです。
- 2008年11月11日
- 新しいデュワーに、MIT & E2V-CCDチップを取り付けました。
- 2007年11月21日
- チップのモザイク化を図るため、MIT & E2V-CCDの平面度測定を行いました
大規模観測プログラム
KWFCは、これまで不可能であった大規模なサーベイを可能にする 広視野モザイクCCDカメラです。その能力を最大限活用するため、 通常の共同利用観測とは別に、以下のような2件の大規模観測プログラムを 2012年度より開始する予定です。これらのプログラムは観測所が主導して 行うものですが、観測・解析・データの利用・科学的議論について、 多くの皆様との共同研究を受け入れる方針です。興味のある方は、 それぞれのプログラムのPIまでご連絡ください。
超新星サーベイ KISS
(KIso Supernova Survey)- PI: 諸隈智貴
(tmorokuma (at) ioa.s.u-tokyo.ac.jp) - 主な目的:
まだ観測がほとんど進められていない超新星爆発直後の現象をとらえることに重点を置く超新星サーベイである。まず、「重力崩壊型超新星」については、重力崩壊により親星内部で発生した衝撃波が親星光球面を通過する際に明るく輝く「ショック・ブレイクアウト」現象の検出を目指す。この現象は、古くから理論的に予言されてきたが、X線、紫外線での偶然の検出がわずかにあるのみであり、可視波長域での観測により超新星爆発モデルや親星の半径などの物理量への制限を加えることができる。また、「Ia型超新星」については、爆発直後のものを観測することで、標準光源として使われているにもかかわらず未だ明らかとなっていない親星システムの性質を調べることを目指す。
- PI: 諸隈智貴
銀河面サーベイ KISOGP
(KWFC Intensive Survey Of the Galactic Plane)- PI: 松永典之
(matsunaga (at) ioa.s.u-tokyo.ac.jp) - 主な目的:
銀河面中の遠方(太陽系から1万光年以上)の領域にある脈動変光星や新星・矮新星などの変光点体を探査する。とくに、反銀河中心方向の広い領域を、星間減光が比較的小さいIバンド(約0.8ミクロン)で繰り返し観測し、KWFCの広視野をいかして多数の変光星を一挙に検出する。そして、変光星の分布から銀河系円盤の大局的な構造を明らかにしていく一方、新星・矮新星の多様性の解明(特に新たな種類の突発天体の探査と、統計的性質の理解)を目指す。
- PI: 松永典之
木曽シュミットシンポジウム
木曽観測所では、木曽観測所を利用しているユーザー、および、今後の利用を希望する方々を 対象として、毎年シンポジウムを開催しています。シンポジウムでは、現在進行中、または 完了した観測の報告と将来の観測計画について発表、討論を行います。
年度をクリックするとプログラムや集録をご覧いただけます
| ▽ 2012年度 | 2012年7月10-11日 |
| ▽ 2011年度 | 2011年7月13-14日 |
| ▽ 2010年度 | 2010年7月15-16日 |
| ▽ 2009年度 | 2009年7月9-10日 |
| ▽ 2008年度 | 2008年7月10-11日 |
木曽観測所関係 論文リスト
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▽2012年のリスト |
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▽2011年のリスト |
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▽2010年のリスト |
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▽2009年のリスト |
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▽2008年のリスト |
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▽2007年のリスト |
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▽2006年のリスト |
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▽2005年度のリスト |
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▽2004年度のリスト |
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▽2003年度のリスト |
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▽2002年度のリスト |
最近5年間の論文数の推移 (2012年7月9日作成)

木曽シュミット乾板カタログ
1974年の開所から1998年まで、木曽105cmシュミット望遠鏡では写真乾板(一部フィルムも含む)を用いた観測が行われました。
視野の大きさは6度×6度。
7000枚を越える写真乾板のデータは、観測所内に大切に保管されています。
写真乾板のリストは WFPDB
(WIDE-FIELD PLATE DATABASE)に登録されており、
こちらから検索することが可能です。
データを希望する方は、観測所までご連絡ください。
資料
写真乾板データ (テキストファイル、書式は以下の参考文献1をご覧ください。)
参考論文1 (PDFファイル)
参考論文2 (PDFファイル)
写真乾板観測状況マップ
観測回数で観測領域を色分けしたものです。
アンドロメダ銀河(0h43',+41)、かみのけ座銀河団(13h, +30)、オリオン座星生成領域(6h, 0)などの観測回数が多いことがわかります。

データ・アーカイブ
今までに木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡で取得されたデータのうち、CCDカメラで
撮影され1年を経過したものは、国立天文台天文学データ解析計算センターのSMOKA
(Subaru Mitaka Okayama Kiso data Archival system)において公開されています。
アーカイブデータの使用を希望される方はSMOKAの
ページを御覧下さい。