マゼラン雲は M31 で過去に起きたマージャーから放出された 矮小銀河か。 |
Yang, Hammer 2010 ApJ 725, 24 - |
アブス | グラフ | |
M31 は古代の巨大マージャーから出来たのか? |
Hammer, Yang, Wang, Puech, Flores, Fouquet 2010 ApJ 724, 158 - |
アブス | グラフ | |
磁場と M31 外側での回転曲線。 |
Ruiz-Granados, Rubino-Martin, Florido 2010 ApJ 723, 1436 - |
アブス | グラフ | |
衝突断層診断:アンドロメダ星流の母天体とメタル量勾配。 |
三木, 森, Rich 2010 AIPC 1279, 382 - |
アブス | グラフ | |
Guoshoujing Telescope (LAMOST) で M31 に見つかった新惑星状星雲。 |
Yuan, Liu, Huo, Zhang, Zhao,Chen, + 14 2010 RAA 10, 612 - |
アブス | ||
M31 に新しく確認された散開星団のカタログ。 |
Hodge, Krienke, Bianchi, Massey, Olsen 2010 PASP 122, 745 - |
アブス | グラフ | |
銀河系とアンドロメダ銀河の質量。 |
Watkins, Evans, An 2010 MN 406, 264 - |
アブス | グラフ | |
アンドロメダと三角座銀河のハッブル多色サーベイ XIII - XIV: |
Dalcanton 2010 HST Proposal #12115 |
アブス | ||
M31 におけるダスト、ガス、星形成率の関係。 |
Tabatabasei, Berkhuijsen 2010 AA 517, 77 - |
アブス | ||
アンドロメダの中心核恒星円盤: ブラックホール成長期の化石。 |
Hopkins, Quataert 2010 MN 405, L41 - L45 |
アブス | グラフ | |
M31 バルジ内高温ガスの X 線分光。 |
Liu, Wang, Li, Peterson 2010 MN 404, 1879 - |
アブス | グラフ | |
黄色い穴を埋める : M31 F-, G- 超巨星の人口調査。 |
Drout, Massey 2010 ASP Conf. 425, 51 - 52 |
アブス | グラフ | |
非対称戦争状態:M31 とその衛星。 |
Fardal 2010 ASP Conf. 423, 210 - 216 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダハロー内の晩期型恒星に対する統計解析。 |
Koch, Rich 2010 AJ 139, 2279 - 2288 |
アブス | グラフ | |
Nainital マイクロレンズサーベイ: M31 円盤内の短周期セファイドの検出。 |
Joshi, Narasimha, Pandey, Sagar 2010 AA 512, 66 - 74 |
アブス | グラフ | |
M31 の深い測光。 |
Brown +8 2010 Vizier |
アブス | ||
M31 円盤外縁部の変光星。 | Bernard, Ferguson in "Variable Star, the Galactic Halo and Galaxy Formation " Proc. Conf. in Russia | アブス | ||
M31 ジャイアントストリーム内の星:既知星中最大の後退視線速度。 |
Cadwell + 5, 2010 AJ 139, 372 - 377 |
アブス | グラフ | |
M31 の広視野 HI モザイクマップ II. 円盤のワープ、回転、およびダークマターハロー。 |
Corbelli, Lorenzoni, Walterbos, Braun, Thilker 2010 AA 511, 89 - 105 |
アブス | グラフ | |
M31 明るく若い星団の HST/WFPC2 サーベイ IV.。 |
Perina, Cohen, Hodge, Huchra + 10 2010 AA 511, 23 |
アブス | グラフ | |
M31 球状星団系回転運動の起源: バルジ形成の新たな手掛かり。 |
Bekki 2010 MN 401, L58 - L62 |
アブス | グラフ | |
M31 球状星団システムの新しい時代。 |
Lee,Kim,Hwang,Geisler,Sarajedini,Harris 2010 IAU SYmp. 266, 117-122 |
アブス | ||
すばるスプリームカムサーベイによるアンドロメダハローの構造と種族。 |
田中、千葉、小宮山、Guhathakurta,Kalirai,家 2010 ApJ 708, 1168 - 1203 |
アブス | グラフ | |
M32 と M31 円盤の RR Lyr 変光星。 |
Fiorentino,Monachest,Trager,Lauer,Saha,Mighell 2010 ApJ 708, 817 - 833 |
アブス | グラフ | |
M31 の若い星団と星形成リング構造。 |
Kang, Rey, Lee. Kim, Bianchi 2010 AAS 215, 455.20 |
アブス | ||
M31 球状星団内惑星状星雲の探査。 |
Kaplan, Jacoby, Hwang, Lee, Herrmann, Fullton, Ciardullo, De Marco, Feldmeier 2010 AAS 215, 454.27 |
アブス | ||
M31 の 10 kpc リングの起源。 |
Olsen, Stephens, Blum 2010 AAS 215, 425.25 |
アブス | ||
M31 6箇所での RR Lyr の深い HST/ACS 観測。 |
Jefffery, Brown, Smith, Ferguson, Guhathakurta, Kalirai, Kimble, Renzini,
Rich, Sweigert, VandenBerg 2010 AAS 215, 417.13 |
アブス | ||
電離領域と惑星状星雲の可視分光観測から導いた M31 元素分布。 |
Sanders, Caldwell, McDowell 2010 AAS 215, 415.33 |
アブス | ||
SPLASH サーベイ:M31 外側ハロー新発見の潮汐ストリームの 分光。 |
Guhathakurta, Beaton, Bullock, 千葉, Fardal, Geha, Gilbert,
Howley, 家, +9, AAS 2010 215, 354.01 |
アブス | グラフ | |
M31 と M33 星団の近赤外測光から求めた年齢とメタル量。 |
Melbourne, Williams, Puzia, Olsen, Chandar 2010 AAS 215, 340.04 |
アブス | ||
スピツアー遠赤外観測による M31 の減光補正表面測光。 |
Tempel, Tamm, Tenjes 2010 AA 509, 91 - |
アブス | グラフ | |
M31 の古くて重いバルジ I. 運動学と恒星種族。 |
Saglia, Fabricius, Bender, Montalto, Lee, Riffeser,
Seitz, Morganti, Gerhard, Hopp 2010 AA 509, 61 - 77 |
アブス | グラフ | |
変光星を用いたアンドロメダ銀河への距離の決定。 |
Vilardell, Ribas, Jpordi, Fitzpatick,Guinan 2010 Highlights of Spanish Astrophysics p365 | アブス |
マゼラン雲は天の川銀河の衛星銀河群の中では規格外の天体として扱われてきた。
それらが不規則銀河でかつガスが豊富だからである。それらの大きな相対速度はまだ
銀河系との第一遭遇の途中で、それらの出所が局所群の他領域または周辺であるこ
とを示唆している。 M31 は過去にマージャー期であった可能性がある。そこで、この時期に潮汐力で 放り出された矮小銀河がマゼラン雲であるという仮説を調べた。テストには M31 と マゼラン雲の現在の位置と相対速度を用い、パラメター空間内の配置に応じた数千 の LMC 軌道を遡った。 |
数組の初期配置では 4.3 - 8 Gyr の昔に LMC が M31 から 50 kpc 以内を通過し
た。結果は天の川銀河ハローの形状に依存する。どの場合でも、そのような最接近時の
LMC 速度は常にその距離での脱出速度よりほんの少し大きいだけであった。好都合な
解が得られたのは銀河系ハローの形が球形か、縦長の時であった。また、M31 速度の
直交成分は 107 km/s より小さく、ほとんど ゼロ km/s までが許容される。 以上から、マゼラン雲が M31 で以前に起きたマージャー現象の際に放り出された 矮小銀河である可能性が高いと結論する。 グラフへ 一覧へ |
現在、M31 ハローは複数の小マージャーにより形成されたと考えられているが、
そのマージャーはもっと複雑な可能性がある。そこで、GADGET2 シミュレーション
コードを用いて M31 が巨大マージャーを経験した可能性を探った。 計算から、質量比 (3±0.5):1 のガスを豊富に含む二つの銀河が最近接 距離 rpericenter = 25±5 kpc で直交遭遇すると、M31 および そのハローの多くの性質を説明できることが判った。遭遇は 8.75±0.35 Gyr 以前に、融合は 5.5±0.5 Gyr 昔に起きたらしい。融合以前には静謐 だった星形成史に基づきバルジ、薄い円盤、厚い円盤の相対比を復元できる。 これはまた、厚い円盤とジャイアントストリームで観測されている中間年齢と 古い年齢の種族の相対比とも適合している。このモデルでは、以前衛星銀河から引き はがされた物質の潮汐テールから戻ってくる星がジャイアントストリームの原因で ある。 |
これらの引き戻り星は M31 円盤方位角に対し 45° の角度で傾いた平面
内の楕円軌道に長時間、おそらくハッブル時間以上、拘束される。 潮汐テールからは高エネルギーの降下星が継続的に供給されるので、最近 M31 外周部で発見されたような大きなループの存在が予言される。一回のマージャー で円盤、厚い円盤、バルジ、ハロー中のストリームの強度、サイズ、形態、運動 特性が第一近似として説明される。 この結果は現在のモデル、すなわち 10 kpc リング、厚い円盤、ジャイアント ストリームのような特徴はそれぞれの小マージャーが原因となっている、と言う考え に真っ向から対立する。パラメターの数が多いので、モデルにはさらに制限を掛 ける必要がある。 グラフへ 一覧へ |
M31 回転曲線の最近の観測は外側での上昇を示し、それは通常のダークマター
モデルや、衛星銀河による円盤への摂動では説明されない。本論文では薄い円盤
内部の磁場の影響による力学効果でこの現象を説明する。 |
通常物質の分布に対しては標準物質分布を、ダークマターに対しては
Navarro-Frenk-White モデルを適用し、そこに磁場による回転曲線への影響を
加えた。この影響は非軸対称なパターンを持つ。 磁場を考えるとフィットが著しく改善されることが判った。最良解は磁場の 振幅 ∼ 4 μG で動径距離 10 - 38 kpc で弱い変化を示す。 グラフへ 一覧へ |
N体計算で降着銀河と M31 の相互作用をシミュレートした。アンドロメダ星流の
観測分布を再現出来た。最近の観測とシミュレーションとの比較から母天体矮小銀河
内でのメタル量の空間分布を予想した。 | 一覧へ |
Guoshoujing Telescope (LAMOST) の初期運用でアンドロメダ銀河外周部に 新惑星状星雲が見つかった。SDSS で測光から36の惑星状星雲候補星を選び、 分光を行い、全てがそうであることを確認した。内17星は新発見であった。 |
Research in Astronomy and Astrophysics 10, 599 - 611 一覧へ |
M31 の活発な星形成領域にある星団の HST/WFPC2 観測の結果を述べる。内9つ
は既にカタログに載っており、 77 個が新しい。観測した 23 フォールドは銀河の
最近の星形成活動の鍵となる箇所である。それら星団の 336W, 439W, 555W, 814W
像からの位置と積分等級を表にした。 Bianchi et al 2010 の論文では星団外周にある星の測光結果を論じる。積分等 級とカラーは一列に並ぶことが判った。しかし、平均カラーは過去のサーベイ結果 より青い。これは星形成域の星団に限定したためである。 |
星団の絶対等級は M555 = -10.3 から -3.5 である。光度関数は
M555 = -5.4 の周りにガウス分布するが、異常に明るい箇所に
ショルダーがある。 それら二つの星団 45 (C410) と星団 10 (BH05) は詳しく 調べた。C410 は明るい電離領域の中心にある。その絶対等級は M555 = -10.3 である。BH05 は類似の天体で M555 = -8.9 である。これら 二つは M31 の中でも最も明るく若い星団に属する。 グラフへ 一覧へ |
ハロー星、球状星団、矮小衛星銀河の位置と運動学データから評価した、銀河
ハロー内の質量を提示する。用いられるデータは投影位置、距離、視線速度、
あれば固有運動である。トレーサーはスケールフリー(?)な密度則を持ち、
スケールフリー(?)なポテンシャルの中を運動していると仮定している。 銀河系に対しては、衛星銀河システムは 26 銀河から成る。各銀河の視線速度は 与えられている。 300 kpc 以内の銀河系質量は M300 = 0.9±0.3 × 1012 Mo であった。ただし、この見積もりは仮定した速度分布 の等方性が変わると0.7 - 3.4 × 1012 Mo の間で変化する。6個 の衛星銀河固有運動を評価に加えると、は M300 = 1.4±0.4 × 1012 Mo となる。 |
M31 の場合には 23 個の衛星矮小銀河がある。しかし、固有運動が判っているの
は M33 と IC 10 のみである。質量は M300 = 1.4±0.3
× 1012 Mo となる。 衛星銀河データからはどちらの質量が
大きいかは判らない Leo I は銀河系の質量を決める際に、その距離の遠さと大きな視線速度から重要と 看做されてきた。 And XII と AndXIV は M31 に対して同様の役割を果たしている。 グラフへ 一覧へ |
M31 の北東象限を HST で撮像する観測を提案する。HST は銀河内の 1 億個の星を
分解できる。UV から NIR に至る F275W, F336W (WFC3/UVIS), F475W, F814W
(ACS/WFC), F110W, F160W (WFC3/NIR) から O - M 型星の有効温度と同時に M31 の
星間減光マップを得ることができる。 研究の目的は膨大な数の星団の年齢とメタル量を調べて、 IMF の高質量端が星形成 活動度とメタル量の関数としてどう変化するかを見ること、場所によって M 31 星形 成史がどう変わるかを調べることである。 |
星の進化、星団としての星形成、ISM エネルギー収支の研究に役立つ。M31 も銀河系
やマゼランと並び、星の基本較正を提供する。観測は UV では感度リミット、可視、NIR
では混雑リミットとなる。RC の下まで達する。 一覧へ |
M31 におけるダスト、ガス、星形成率の関係を調べた。Spitzer データを用いて M31
全面で 45" 分解能のダスト温度と光学的深さを求めた。このダストマップから Hα
強度の赤化補正を行い、減光補正済み Hα マップを作成した。 ダスト放射、 Hα, HI, H2 強度を中心距離の関数として比べ、 ウェイブレットクロス相関を調べた。 Hα から星形成率を決めた。さらに星形成 効率を求めた。 ダスト温度は中心付近の 30 K から外側の 15 K まで急速に低下する。 Hα 波長でのダスト光学的深さは約 0.7 である。ダスト対ガスの比の動径方向の低下は 酸素量の低下とほぼ同じである。 |
星間減光の強度はガスの表面密度と比例する。
< 2 kpc のスケールでは冷たいダストからの放射は中性水素の量との相関が最も
良い。暖かいダストからの放射は HII ガスとの相関がよい。 Hα 強度は 70
μm の方が 24 μ より相関が良い。 M 31 の星形成率は低調である。6 kpc < R < 17 kpc で 総 SFR = 0.3 Mo yr -1 である。SFR と H2 表面密度の間に比例関係がある。 SFR とガス量との間の Kennicutt-Schmidy 則 は R = 7 - 11 kpc で指数 1.30 ±0.05、 R = 11 - 13 kpc で 0.3 増加する。M 31 中心部での H2 欠乏は HI の欠如、ダストの低密度高温度と相関する。SFR も SFE も H2 表面密度、ガス総量との相関が悪く、他の要素が大質量星形成には効いているらしい。 一覧へ |
銀河スケール (10 - 100 pc) からもっと小さい半径への角運動量輸送は超大質量
ブラックホールの形成と進化を理解する際の極めて重要な問題の一つである。一見
無関係に見える観測から M31 ブラックホールを回る起源不明の片寄った(?)恒星
円盤が発見された。 我々はこれらの互いに独立な謎は実は関連していることを示す。銀河からブラック ホールに至るガスの流れを複スケールのシミュレーションで調べた結果、ブラック ホールへの流量が大きいと重力不安定により大きなスケールから内側へと、偏心した 細長い円盤が形成されることが判った。 |
偏心恒星円盤は残りのガスに強いトルクをかけ、ブラックホールを成長させる
ガス流入を促す。この同じ円盤は多方向に対して強い減光を産み出す。それは
隠された活動銀河核を説明するために引き合いに出されるトーラスの実体であ
ろう。 ガスが消えた後に残った恒星円盤は寿命が長く、細長い形状を維持する。 クエサー程度の降着率だと、M31 観測と合う表面密度プロファイル、歳差運動、 扁平率、運動を持つ恒星円盤を残す。中心核恒星円盤の観測はこの様に 超大質量ブラックホールの形成史に拘束を掛けるのである。 グラフへ 一覧へ |
M31 バルジの中心核領域の XMM-Newton 衛星による X 線分光観測を行った。
強く電離した鉄と酸素の輝線が分離して観測された。これはバルジ内に希薄な高温ガス
が存在することを示す。 モンテカルロシミュレーションに基づいてスペクトルを解析し、ガス温度 ∼ 0.29 keV, O/Fe 比 ∼ 0.3 太陽値を得た。 |
この結果は Ia 型超新星
から放出された鉄が高温ガスと一部混ざっていることを示す。スペクトルには
OVII 三重線の強度超過が認められ、これは高温ガスと同じ中心核領域に存在
が確認されている冷たい渦状ガスとの境界における電荷交換作用を示唆している。
グラフへ 一覧へ |
銀河内の黄色超巨星種族は恒星進化の厳しいテストになり得る。しかし、色等級図 上でこの領域は前景の星の混入(局所群銀河で 90-95%)が激しい。従って、新しい 超巨星の区別方法が必要である。ここでは MMT ファイバー分光器による 2900 天体の 視線速度に基づき、M31 の F-, G- 超巨星をすくい上げた結果を 報告する。 図1a で M31 メンバーは差=ゼロ付近に集まる。 |
銀河の SW 側ではこの
区別は容易であるが、 NE 側ではやや不明瞭となることが判る。この結果、
54 の確定メンバーと 66 の多分メンバーを選び出した。95 % は 20
Mo より軽い。しかし、進化モデルの寿命と仮定した IMF からは 15 - 20 Mo
(51 個が観測された)と 25 - 40 Mo (観測数ゼロ)の超巨星の数は大体等しい。
これは、高光度の星の進化寿命が長く見積もられ過ぎていることを示す。 グラフへ 一覧へ |
M31 ハローの測光サーベイはヒエラルキカルな銀河形成に起因する残骸を露わに する。M31 衛星銀河の幾つかは M31 潮汐力により今まさに引き裂かれつつある。 M33 と And I はその良い例であり、他の潮汐構造は既に破壊された衛星の死骸で ある。M31 の衛星に戦闘の傷跡がどのくらい残っているかは不明である。それには、 軌道と質量の正確な値が要る。 |
ここでは長さ 150 kpc に及ぶジャイアントストリームを例に、母天体が見当た
らない場合でも如何にしてそれらを決定できるかを示す。
N 体モデルとの比較から、このストリームは 750 Myr 昔に大きな衛星銀河が
近接遭遇破壊されたことから生じたことが判った。ジャイアントストリームは
他の幾つかの M31 ハロー残骸と関係がある。母銀河は 109.5±0.2
Mo であり、つい最近までは局所群銀河の中でも最大級であった。ストリ−ム
モデルからハロー質量は 1.8±0.5 × 1012 Mo である。
グラフへ 一覧へ |
M31 ハロー内の (炭素星/M-巨星)比、 C/M 比、を統計的に解析した。
Keck/DEIMOS スペクトルに疑似フィルターをかけ、ジャイアントストリームと
ハローの1288 星で 81-77 カラー指数を計算した。それに V-I カラーを加え
二色図上で炭素星を探す方法はよく確立している。 この方法で僅か5個の炭素星候補しか見つからなかった。得られた低い C/M 値 は M31 円盤や内側ハローに関してこれまで報告された値と一致する。この結果が サンプル数の少なさによるいたずらの可能性もあるが、O過多の M-巨星はハロー 全体で似たような値を示すらしい証拠がある。 |
また、ハローフィールドの炭素星とストリームの炭素星に間に差は認められな
かった。この低い C/M 比は観測された低メタル量や遠距離領域で中間年齢星が
見つかっていることと矛盾する。 これらの領域で炭素星が消えている事実は外側の M 31 ハローは円盤や SMC 的な 銀河の残骸でなく、矮小楕円銀河 NGC 147 に似ているのではないだろうか? グラフへ 一覧へ |
1m 望遠鏡 (Nainital インド)を使い、1998年11月から2002年1月まで M31 を 150 晩観測した。バンドは Rc, Ic である。目的はマイクロレンズィングであるが、 変光星も検出された。 |
今回は M31 円盤に短周期セファイドを検出した報告をする。13' × 13'
領域に 39 短周期セファイドを見つけた。そのカタログを提示する。セファイドの
大部分は Rmean = 20 - 21 で見つかった。最も短い周期は 3.4 日で
周期分布ピークは log P = 0.9 と 1.1 である。
グラフへ 一覧へ |
ACS/WFC による F606W(V相当)とF814W(I相当)バンドの M31 の星の測光データ。 表1= dat 6x90 M31 フィールドの表現。表2=18912x68 ハロー11フィールド。表3= 99790x68 ストリームフィールド。表4= 15073x68 円盤フィールド。 |
表5=12579x68
ハロー 21 フィールド。表 6 = 4624x68 ハロー 35a フィールド。表7= 3967x68
ハロー 35 フィールド。 一覧へ |
M31 円盤外周部(R = 26 kpc)の二つの HST/ACS フィールドにおける変光星探査 の結果を報告する。古い種族のターンオフにまで届く深い複数回測光から、 |
50個の変光星候補を検出した。各フィールドで、10個余りの RR Lyr 星と数個の
食連星、長周期変光星が見つかった。 一覧へ |
M 31 の大規模サーベイの際に B030D と言う星の視線速度が -780 km/s である ことが判った。この星は星周ダストを持つ F 型超巨星である。。 |
この星の進化段階として、主系列を終えた連星、シンビオティック新星、postAGB 星
などが考えられる。この星がジャイアントストリームに属していることがこの
大きな後退速度を説明する助けになるかも知れない。 一覧へ |
M31 の HI データ、8 - 37 kpc、に傾斜リングモデルをフィットした結果、
回転曲線の解析からダークハローの存在とその密度分布が判った。M31 円盤は 25 kpc
の先でワープし、視線方向に対し一層傾きがきつくなって行く。ダークマターハロー
なしにニュートン力学を適用すると回転曲線には非常にひどいフィットとなる。 ΛCDM 宇宙内でヒエラルキカル形成構造を考えた際に想定されるダークマター ハローの密度分布を導入すると、回転曲線に合う質量モデルが得られる。 |
ダークハローの集中度パラメターは C = 12 で、その総質量は 1.2 ×
1012 Mo である。もし密度一定の中心核を考えるなら、核半径は 20 kpc
より大きい。 この ΛCDM 宇宙での密度一定ダークマターコアモデルを非常の大きい半径 、ダークマターハローサイズまで外挿した。こうして得た総質量は他のトレーサーを 用いて決められた質量とよく合った。特に、21 cm データと最も良く合う ΛCDM モデルは M31 の質量を 560 kpc までよくトレースする。我々の M31 総質量は 1.3 × 1012 Mo で、その 12 % がバリオン、そのまた 6 % が中性ガスである。 グラフへ 一覧へ |
M31 の明るく若い星団を HST/WFPC2 を用いてサーベイし、それらの年齢と質量を
求めた。19 星団の浅い(B∼25) 測光を行った。全星団の色等級図と画像を示す。 赤化、年齢、メタル量は観測色等級図と光度関数をモデルと比較して求めた。 モデル log(Age) 対 絶対積分等級(?) 面上で、色等級図と 2MASS-6X からの 積分 J, H, K 等級から決めた年齢を用いて、観測値をプロットし、星の質量を決めた。 観測した 20 候補中 1 個は明るい星であった。3個は分光と色等級図から 古い星団だった。14 個が年齢 25 - 280 Myr, 2 個が 500 Myr より古かった。 |
既に報告のある 10 星団を加え、25 個の 1 Gyr より若い星団のサンプルを
揃えた。それらの質量は 0.6 - 6 × 104 Mo である。これ
らの結果は最近積分スペクトルから得られた結果と一致している。 ここに得られた質量は銀河系の同年齢星団と比べると著しく高い。我々の 結果は明るく若い星団は局所群銀河で大規模星形成が起きている所には かなり共通してみられることを示す。銀河系で 20 Myr より明るい星団が 見られないのは選択効果のためであろう。 グラフへ 一覧へ |
M31 球状星団系回転運動は過去に大きなマージャーが起きてバルジが形成された時 が原因であるという説を提案する。夫々が球状星団を持った円盤銀河同士の マージャーの残存物の運動を数値計算で調べた。マージャーの際に形成した 球状星団は強い回転運動を持つことが判った。 |
その速度は最大で 140 - 170 km/s に達する。残存した球状星団系が強い回転を
示す場合には箱型バルジと看做せる回転恒星バーが生じる。従って、異なるメタル量を
もつ M31 球状星団系に見られる回転運動は過去のマージャーと密接に関連している。
M31 の回転バルジ/バーの形成が過去のマージャーに起因するかどうかを調べる。 グラフへ 一覧へ |
我々は広視野 CCD 画像により M31 全体での球状星団サーベイを行った。我々は 新たに100個の球状星団を発見した。我々のカタログには現在 500 個0以上の 球状星団が載っていて、銀河系よりずっと多い。 |
それらは HST 画像やスペクトルにより確認された。ここでは M31 球状星団システムの
構造、運動、化学組成を提示し、M31 形成と進化に対するその意味を考える。 一覧へ |
すばる S-CAM による M31 の測光サーベイの結果を報告する。VI 色等級図から
距離、メタル量、年齢を導いた。そこからハローの3成分、(1)南のジャイアント
ストリーム、(2)他の構造、(3)滑らかなハロー、を分解した。 ジャイアント ストリームは幅広な赤色巨星枝と高メタル、中間年齢レッドクランプで特徴付けられ る。I(TRGB) は良く決まり、ジャイアントストリームまでの距離は (m - M)0 = 24.73 ±0.11 (883 ±45 kpc)、銀河中心からの投影距離 R ∼ 30 kpc である。モデル等時線との比較から求めたジャイアントストリーム のメタル量は [Fe/H] ≥ -0.5 にピークを持ち、平均 -0.7、メディアン値 = -0.6 であった。RC の光度と合わせて考えると、この種族の平均年齢は 8 Gyr 程度 である。母銀河の質量は 107 - 109 Mo であろう。 |
M31 の北西ー南東の短軸に沿って R = 100 kpc まで、南西方向長軸に沿って
R = 60 kpc まで、ハローの副構造を調べた。Ibata et al. が報告した二つの副
構造を南東短軸上に確認した。北西短軸上には二つの密度超過を発見した。
これら4つの副構造、及び「西の棚」を調べた結果、それらの間の恒星種族に
違いを発見した。これはそれらが異なる起源を有することを示唆する。統計的に
考えると M31 ハローには少なくとも 16 の異なる起源の副構造が存在する。これは
ハローの外辺部が z ∼ 1 以来、 107 - 109 Mo の
銀河による、それだけの回数の降着を経験してきたことを意味する。 スムーズハローの表面密度はスケール長 17 kpc の Hernquist モデル、または べき乗則 R-2.17±0.15 でよくフィットされることを見出した。 密度分布が滑らかに変化するのに対し、メタル量は空間的に一様でなく、中心 距離に対し単調な変化を示さない。これはハロー種族が降着成分を力学的に 一様化するに十分な時間を経ていないことを意味する。 グラフへ 一覧へ |
M32 付近 2 領域を Advanced Camera for Survey/ High Resolution Channel (ACS/HRC)
により各 16 軌道観測した。バンドは F435W (狭帯B) と F555W (狭帯V) である。
主領域 F1 は M32 中心から 1'.8 離れている。第2領域
F2 は 5'.4 離れ、 M31 が背景に乗っている。 F1 に 17, F2 に 14 個の RR Lyr が見つかった。これだけから、1σ 限界で 6 個の RR Lyr が M32 に属すると言える。二つの平行フィールドでの ACS/HRC 観測からより強い背景数が導かれ、 F1 フィールドには 7+4 -3 個(68% confidence)の M32 RR Lyr が存在すると言える。 |
この結果は M32 が古い種族を含むことを立証するものである。この種族は
M31 の古い種族と区別し難いように見える。何故なら、M32 と M31 の RR Lyr は
似た平均 V 等級、平均周期、ベイリー図上での分布, RRc/RRtotal を示すからで
ある。 混入で似てくるのでは? しかし、F1 で見られる RRab は F2 にはない。それらが M32 種族であるかも 知れないが、サンプルが少ない。 グラフへ 一覧へ |
よく知られた 10 kpc リングの他に、最近第2の内側リングが発見された(Block et al 2006)。二つの偏心した円形リングは、最近衛星銀河が円盤を通過したことを 示唆する。そのような事件は星形成を促進しただろう。一方、M31 円盤外周部の 若い星団の存在は M31 円盤で最近かなりの星形成があったことを意味する。 |
M31 若い星団の殆どは LMC 青い星団と似た性質を示す。銀河内で大規模星形成が
起きると、多数の星団が形成されるから、星団システムは銀河形成の跡を辿る
手掛かりである。M31 の若い星団の運動、年齢、質量、空間分布を調べて、
M31 には多数の若い星団が付随していることを発見した。これは M31 円盤中心で
最近マージャーが起きたことを示唆する。
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惑星状星雲は 1 - 8 Mo の星の末期に形成されると従来考えられてきた。しかし、 MW の 150 球状星団中で 4つの惑星状星団が見つかり、他の方法、例えば連星系 での融合、で非常に小さな母天体質量からも惑星状星雲を作る必要が出てきた。 |
M31 455 球状星団の WIYN/Hydra 中分解能スペクトルから、球状星団惑星状星雲
を探した。その結果、 10 - 14 のそれらしい候補を見出した。これは統計的には
銀河系サンプルに比例する結果である。しかし、エックス線球状星団からの
惑星状星雲が無いことは連星モデルを支持しない。 一覧へ |
10 kpc リングの上と周辺 6 箇所での近赤外色等級図と光度関数を示す。観測は Gemini North と NIRI システムで行われた。 |
MK 光度関数に星種族モデルをフィットして、核フィールドの
星形成とメタル量の増加史を導いた。その結果、リングに伴う爆発的星形成の
証拠が見つかった。その年齢とメタル量は場所により変化する。リングの起源が
M32 との相互作用と関連するかどうかを議論する。 一覧へ |
M31 6箇所での RR Lyr の深い HST/ACS 観測を報告する。観測は円盤、ジャイアント ストリーム、ハローで行われた。このシリーズの早期観測では内側ハローを 形成する種族の様々な性質を調べた。 |
今回はさらに異なる星形成史を持つ様々な場所を観測した。このデータは従来
の色等級図フィットとは独立に星種族の情報を与える。 一覧へ |
MMT Hectospec 多フィルター分光器により、M31 電離領域と惑星状星雲の 可視分光観測を行った。強いラインの強度比から銀河内の酸素組成勾配を得た。 電離領域観測は 4 - 20 kpc に及び、以前の2倍のサンプル数である。20 kpc で太陽組成、内側ではその 2 倍になることが判った。 |
惑星状星雲観測は 0 - 25 kpc に及ぶ。観測数は以前の数倍大きい。また、
NGC 205 惑星状星雲の酸素組成も求めた。 一覧へ |
Keck DEIMOS を用いて、M31 外側ハローで最近見つかった潮汐ストリーム中の 星の分光観測を行った。内二つは、すばるS-CAM による観測で北西短軸上に見つ かったストリーム E(Rproj = 60 kpc)とストリーム F(Rproj = 100 kpc)である。第3のストリーム(Rproj = 90 kpc)は南西長軸 付近にあり、CFHT MegaCam サーベイで見つかった。 |
分光及び広帯域から、ストリームに属する赤色巨星(速度分散小)、M31 ハロー
赤色巨星(速度分散大)、前景矮星と遠方銀河を分けた。分光で確実に各グループ
への帰属が決まった赤色巨星を用いて、三つの潮汐ストリームの表面輝度、
平均速度、速度分散、メタル量分布を決めた。 一覧へ |
M31 と M33 の中間年齢星団7個において、AGB と RGB の進化をメタル量と年齢の 関数として調べた。星団の分光からそれらの年齢は 1 - 9 Gyr, メタル量は太陽組成 から 1/10 太陽に分布する。 |
Keck 望遠鏡の 0.05" 分解能近赤外像を HST 可視画像とマッチさせた。熱パルス
AGB 星の赤外光度への貢献度を決めた。これは高赤外変位銀河の星質量に対する
重大な拘束となる。また、近赤外データのみに基づいて星団の年齢、メタル量分布
を決めた。 一覧へ |
減光を補正した表面輝度を復活させるモデルを作り、それを M31 に適用した。
銀河モデルは軸対称な恒星種族の重ね合わせで、ダスト円盤が固有減光効果を
表わすために導入された。 ダストコラム密度は FIR フラックスに比例すると仮定 する。個々の視線に沿って、観測される遠赤外スペクトルは、異なる温度のダスト 成分による変形黒体輻射と仮定される。 |
M31 では暖かい(56 - 60 K)ダスト成分と冷たい(15 - 19 K)ダスト成分が区別
された。暖かい成分の温度は腕で最も高かった。冷たいダストの温度は中心付近では
25 K に上がる。強度重み付きでのダスト平均温度は中心で 32 K, R = 7 kpc で
20 K である。 UBVRIL 表面輝度分布が求められた。減光量は中心部で Av = 0.25 mag. R = 6 - 13 kpc で 0.4 - 0.5 mag である。減光補正した光度は LB = 3.64±0.15 1010 Lo である。総 B 光度の内、20% は減光 されている。減光補正したバルジの形は少し prolate であった。 グラフへ 一覧へ |
Hobby-Eberly 望遠鏡低分散分光器の長スリットを M31 の中心から 6 方向にあてて
データを撮った。中心から 5 分角までの星とガスの運動を導いたが、そこでは円盤
からの光の寄与は 30 % であった。また、長軸に沿っては 8 分角まで伸ばしたが
そこでは円盤成分が 55 % に達している。 McElroy 1983 の速度分散は 50 km/s ほど小さく見積もられていることを示した。 その結果、以前の力学モデルは M31 バルジの質量を半分に評価していたことが判った。 さらに、銀河の光度重み付き速度分散は 166 km/s に増加し、もし回転も考慮するなら 170 km/s になる。その結果、中心ブラックホール質量の予想値と観測値との間の 解離がファクター3から2へと減少した。 回転運動の方位角は距離と共に変化し、3軸不等のバルジ形状を示唆するが、その 確定は適切な力学モデルが確定するまで待つ必要がある。 |
バルジ短軸付近で反回転しているガスを検出した。我々は放射補正したリック指数
(?)を測定した。それらは円周状でほぼ一定であった。 簡単な種族モデルを用いて、年齢、メタル量、α 元素超過のプロファイルを 求めた。銀河中心数秒角を除き、M31 バルジは一様に古く (≥ 12 Gyr)、[α/Fe] ∼ 0.2, [Fe/H] ∼ 0.0 である。これは、各星に対するかこの結果と一致する。 モデルからの u-g, g-r, r-i プロファイルは観測とも一致する。 中心数秒角では年齢が 4 - 8 Gyr に落ち、メタル量は太陽の3倍に上がる。中心 6 秒角から始めて、年齢が 8 Gyr に落ち、メタルが少し太陽を上まわり、α元素が 超過する。[OIII]/Hβ 対 [NI]/Hβ 図から診断すると 10 描角の外側で ガスはショックにより電離している。中心には AGN 的な電離源が存在するらしい。 我々は 100 Myr 昔にガスに富んだマイナーマージャーが起き、観測される短軸ガス 反回転、最近の星形成、核活動の原因になったのではないか? グラフへ 一覧へ |
我々の目標は食連星とセファイドから M31 の距離を決めることである。 Isaac-Newton 望遠鏡により M31 北東部の変光サーベイが B, V バンドで行われた。 その結果、3,964 変光星カタログが作られた。内容は 437 食連星、416 セファイド 、各フィルターで 250 エポック(?)が得られた。 |
ブレンディングの影響の少ない 68 セファイドが選ばれ、M31 への距離
(m - M)o = 24.32 ± 0.12 の決定に使用された。食連星の解析
からは二つの独立な値、(m - M)o = 24.44 ± 0.12
(m - M)o = 24.46 ± 0.19 が導かれた。 一覧へ |