RR Lyr Variables on M32 and the Disk of M31

  Fiorentino,Monachest,Trager,Lauer,Saha,Mighell 2010 ApJ 708, 817 - 833

 M32 付近 2 領域を Advanced Camera for Survey/ High Resolution Channel (ACS/HRC) により各 16 軌道観測した。バンドは F435W (狭帯B) と F555W (狭帯V) である。 主領域 F1 は M32 中心から 1'.8 離れている。第2領域 F2 は 5'.4 離れ、 M31 が背景に乗っている。

 F1 に 17, F2 に 14 個の RR Lyr が見つかった。これだけから、1σ 限界で 6 個の RR Lyr が M32 に属すると言える。二つの平行フィールドでの ACS/HRC 観測からより強い背景数が導かれ、 F1 フィールドには 7+4 -3 個(68% confidence)の M32 RR Lyr が存在すると言える。




図1. F1, F2 = M32 の観測領域。F3, F4 = パラレル領域。


図3.F2 フィールドでの RR Lyr。画角= 5'。


図5.図4の拡大。数字は表の RR Lyr 番号。


図7.フィールド2 RR Lyr の変光曲線。B バンド点は見やすさのため 2 等 上げてある。


図9. F1 フィールド中の M32 RR Lyr 星の期待値。(左) F1 と F2 の星のみを 考えた時。(右)F1 - F4 から求めた時。


図11.F3, F4 フィールドに対する変光検出の確率スペクトル。


図13.(上)F5, (下)F6 の変光検出の確率スペクトル。


図15.Bailey Diagram = V バンド振幅対周期。赤=F1, 青=F2 の RR Lyr. 灰色= F3 と F4 で発見(S09)された RR Lyr. マゼンタ=F7 (Brown et al 2004) 丸= FU, 三角=FO。FO は低振幅で短周期、 FU は線形系列(周期が伸びると振幅が減少)に並ぶ。
実線=Oosterhoff タイプ I, 破線=Oosterhoff タイプ II 関係。タイプI に 沿っている。


図17.赤化効果なしの Wesenheit 指数 ⟨V⟩ - 3.1 (B-V) 対 log P 図。シンボルの意味は図14と同じ。実線=F1 星。破線=F2星。

 この結果は M32 が古い種族を含むことを立証するものである。この種族は M31 の古い種族と区別し難いように見える。何故なら、M32 と M31 の RR Lyr は 似た平均 V 等級、平均周期、ベイリー図上での分布, RRc/RRtotal を示すからで ある。
混入で似てくるのでは?

 しかし、F1 で見られる RRab は F2 にはない。それらが M32 種族であるかも 知れないが、サンプルが少ない。




図2.フィールド1での RR Lyr 位置。画角は 0.5'。矢印は M32 中心方向。 中心方向の縁に沿って集まっているように見える。


図4.(F435W - F555W, F555W) 色等級図。左= F1, 右= F2. 白丸=第1倍音(FO)振動星。赤丸=基準振動星(FU)


図6.フィールド1 RR Lyr の変光曲線。B バンド点は見やすさのため 2 等 上げてある。


図8.0.2 - 2 日の間で変光検出の確率スペクトル。


図10.(上)RR Lyr 数密度と表面輝度との関係。(下)M32 距離との関係


図12.F5 フィールドでの色等級図。点線は等完全度。


脈動不安定帯の境界線と相対値(?)は、(左)FOBEF1-F2=0.2, (中央)FREF2 = 0.40, (右)FREF1。F1 の星の散らばりは F2 より広く赤い方に伸びている。金属量の広がりが大きいと解釈される。


図16.⟨V⟩ 対 log P 面上の分布。実線:M=0.7Mo, [Fe/H]=-1.6 での FOBE エッジ。


図18.図17とほぼ同じ。縦軸に Av 効果。