広大な恒星円盤とアンドロメダ銀河の降着起源について。 |
Ibata, Chapman, Ferguson, Lewis, Irwin, Tanvir 2005 ApJ 634, 287 - 313 |
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チャンドラによる M31* の検出 |
Garcia, Williams, Yuan, Kong, Primini 2005 ApJ 632, 1042 - 1047 |
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天の川銀河とアンドロメダ銀河の円盤-バルジ-ハロー3成分モデル |
Widrow, Dubinski 2005 ApJ 631, 838 - 855 |
アブス | グラフ | |
M 31 バルジのメタル分布関数 |
Sarajedini, Jablonka 2005 AJ 130, 1627 - 1634 |
アブス | グラフ | |
Brightened Mira-like Variable in M31 |
Ovcharov, Koleva, Kostov, Valcheva, Stanev, Georgiev, Nedialkov 2005 ATel #606 |
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M31 の三重中心核 |
Bender, Kormendy, Bower, Green, Thoms, Danks, Gull, Huchings,
Joseph, Kaiser, Lauer, Nelson, Richstone, Weistrop, Woodgate 2005 ApJ 631, 280 - 300 |
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M31 外側円盤の重元素分布 |
Worthey, Espana, MacArthur Courteau 2005 ApJ 631, 820 - 831 |
アブス | グラフ | |
M 31 短軸沿いの表面輝度分布 |
Irwin, Ferguson, Ibata, Lewis, Tanvir 2005 ApJ 628, L105 - L108 |
アブス | グラフ | |
アンドロメダ銀河と局所群銀河の起源に関する力学モデル |
沢、藤本 2005 PASJ 57, 429 - 446 |
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M 31 ブラックホールの周りを回る青い星の円盤 |
Lauer HST Proposal #10571 |
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アンドロメダ銀河周辺での HI ガス |
Thilker, Braun, Westmeier 2005 ASPC 331, p113 |
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ACS 観測領域での M31 変光星候補。 |
Williams 2005 AJ 129, 2663 - 2669 |
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ウェスタボーク干渉計による M 31, M33 周囲高速 HI 雲の観測。 |
Westweier, Braun, Thilker 2005 AA 436, 101 - 115 |
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SLOAN フィルターで選んだ M31 外側円盤の炭素星 |
Demers, Battinelli 2005 AA 436, 91 - 99 |
アブス | グラフ | |
M 31 ハロー副構造の星種族 |
Ferguson, Johnson, Faria, Irwin, Ibata, Johnston, Lewis, Tanvir 2005 ApJ 622, L109 - L112 |
アブス | グラフ | |
30 kpc より遠方における M 31 円盤での炭素星探索 |
Battinelli, Demers 2005 AA 430, 905 - 910 |
アブス | グラフ | |
天の川とアンドロメダの化学進化の比較 |
Renda, Kawata, Fenner, Gibson 2005 MN 356, 1071 - 1078 |
アブス | グラフ | |
M 31 と M 33 の GALEX 紫外像 |
Thilker, Hoopes, Bianchi, Boissier, Rich +21 2005 ApJ 619, L67 - L70 |
アブス | グラフ | |
M 31 の星形成と化学進化 |
Hou, Chen, Chang 2005 ESA SP-576 Gaia Symp. p687 - |
アブス | グラフ | |
ALTAIR + NIRI による M 31 バルジと円盤の深い撮像観測 |
Davidge, Olsen, Blum, Stephens, Rigaut 2005 AJ 129, 201 - 219 |
アブス | グラフ |
Keck/DEIMOS による 2800 以上の星の視線速度観測から、M31 の周囲に広がる
低輝度の円盤状構造が発見された。この構造は半径 15 kpc - 40 kpc に渡り、
70 kpc にまで検出された(?)。構成星の視線速度は M31 円盤の面上での
円軌道からの予測値に近く、速度分散は約 30 km/s である。 AGB 上部の星のカラーの広がりはメタル量の巾がかなり大きいことを窺わせる。 CaII 等値幅から決めた平均メタル量は [Fe/H] = -0.9 ±0.2 である。 円盤の形態は遠方では不規則であり多くの副構造が見られる。これは遷移性の 形で降着デブリであることがほぼ確実である。 |
この広がった円盤は M31 円盤中心部から 40 kpc まで滑らかにつながり、
密度則はスケール長 5.1 ±0.1 kpc の指数関数型である。この値は
内側円盤の値に近い。しかしこの広がった円盤種族の運動学とメタル量の
性質は円盤が検出された全領域でほぼ一様である。 我々の評価ではこの 構造の光度は M31 円盤の 10 % にあたり、広がりの広大さから円盤角運動量 の 30 % を担う。この発見は銀河円盤の少なくとも幾つかは以前考えられて いたよりずっと大きく、外側円盤が降着により形成されたことを示す。 グラフへ 一覧へ |
チャンドラと HST の二組の画像から X 線と可視で M31 中心核の 0".1 分解能 画像を得た。中心ブラックホール M* の位置には明るい(∼ 1037 erg/s) X 線源が見つからなかった。5 万秒露出のチャンドラ HRC 画像は 2.5σ で微かな (∼ 1036 erg/s) 天体が M31* 位置に検出された。 |
M31* のボンディ半径は 0".9 であり、降着流が分解可能な数少ない超大質量
ブラックホールの一つである。この大きな半径と以前に中心核領域で検出された
拡散 X 線放出ガスから、 M31* は放射的に非効率な降着流に対する最も確実な
証拠を提示している。これはそのような降着流への最も厳しい制限となる。
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自己整合性の円盤銀河の力学平衡モデルを作った。成分は指数関数円盤、Hernquist モデルバルジ(Hernquist 1990)、 NFW ハロー(Navarro et al 1996)、中心ブラック ホールである。モデルの各成分は密度関数 で表わされる。多数のパラメターにより現実の銀河が再現された。 |
表面輝度分布、回転曲線、バルジ速度分散などのデータから M31 と天の川銀河の
ベストフィットモデルが求められた。N 体シミュレーションによりバー形成に対する
安定性が調べられた。
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HST/WFPC2 により M31 中心から 1.6 kpc 離れたバルジの色等級図を得た。色々な スケール太陽組成での赤色巨星のモデルとのフィットから観測カラーをメタル量に 変換した。メタル分布関数は [Fe/H] ∼ 0 にピークを持ち、高メタル側では すばやく落ち、低メタル側には長い尾を引く。この形は銀河系バルジと似ているが、 高メタル側に 0.1 dex ずれている。閉じた箱モデルはこの観測と合致しない。 |
銀河系バルジの場合と同じく、この矛盾は最初にメタル量をかさ上げしても
消滅しない。しかし、最初に降着ガスにより [M/H] = -1.6 まで上げ、その後
は閉じた箱で進化させると観測とのフィットが向上する。バルジでのメタル量
分布関数が M31 と MW で類似していることは、ハローで全く異なることと
強い対照を示す。これは両銀河でバルジの形成が降着事件がハローに影響する
以前に起きたことを示唆する。
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POINT-AGAPE サーベイで検出した M31 ミラ型変光星 No.91772 が以前の極大 R = 20.1 mag より 1.4 mag 明るくなった。我々は変光星の 0".12 W, 0".12 S の 0h42m44s.49 +41°03'43".6 (2000) に異常に明るい星を発見した。 |
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ST Imaging Spectrograph (STIS) による M31 中心核の分光観測を報告する。CaII
三重線 (∼ 8500 A) を含むスペクトルは P1, P2 内の赤色巨星しか見えない。
一方、λ ≈ 3600 - 5100 A スペクトルは P2 に埋まった小さな青い
核に敏感である。P2 は K-型スペクトルを持つが、青い核は A-型スペクトル、
すなわち強いバルマー系列、を示す。このように、 P2 の核が青いのは AGN 光の
ためでなく、比較的高温の星が集まっているためである。スペクトルは A0 巨星、
A0 矮星、または 200 Myr 以前に爆発的星形成を起こした星種族で説明できる。
最後の星形成モデルが最もよさそうな説明と思われる。白色矮星ではうまく説明
できない。この核は星構成、サイズ、速度分散の点で P1, P2 と全く異なっている
ので P3 と名付け、M31 の中心核は3重系であると考える。 P2 と P3 のスペクトルが大きく違うので、赤い星と青い星を分離して各成分の 空間分布と速度を互いの光が混入せずに測ることができる。P2 の赤い星の視線速度 分布は Tremaine の高離心率円盤モデルを支持する。そのウイングは P2 の P1 と 反対側では 1000 km/s の星が存在することを裏付けている。 P3 が薄い円盤と考えるとその傾斜角 i ≈ 55° は誤差の範囲で Peiris/Tremaine, Salow/Statler の高離心率円盤モデルに一致する。 |
P3 の速度は超大質量ブラックホールの周りを廻るケプラー運動と整合する。P3 の
速度分散は回転速度が混ざって観測されたためであり、それは最大で σ =
1183 ±201 km/s である。これは赤い星の同方向での速度分散 σ =
250 km/s に比べるとずっと大きく、銀河で観測された積分速度分散としては
最大である。P3 の回転曲線は中心に関して対称で、半径 0".05 = 0.19 pc で極大
618 ±81 km/s に達する。観測された速度分散は σ =
674 ±95 km/s である。対応する回転速度は 1700 km/s である。したがって、
以前に示唆された P3 位置にある暗黒天体が超質量ブラックホールという仮説が
確認された。 固有軸比 b/a ≤ 0.26 の薄い円盤とシュワルツシルドモデルは傾斜角 55° と 58° の間で観測と一致する。薄い円盤モデルでのベストフィットは Mbh = 1.8 × 108 Mo である。厚みと系統誤差を考慮 して出した質量は (1.1 - 2.3) × 108 Mo となる。 P3 から出したブラックホール質量は Peris/Tremaine の質量とは独立に決まった が良く合っている。それはバルジ速度分散とブラックホール質量との相関に対して 2倍大きい。他の良く決まっているブラックホール質量、天の川銀河や M32 と 合わせて考えると、バルジ速度分散とブラックホール質量関係はかなり大きな 固有分散を含むと考えられる。 グラフへ 一覧へ |
M31 の 11 領域で HST 撮像データをアーカイブから採り、 CMD を作った。領域は
R = 50 kpc まで
をサンプルするように選んだ。赤色巨星のカラーをエラー 0.1 でメタル量 [M/H] に
変換した。使用等時線等の詳細は Worthey et al 2004 参照のこと。 Worthey (1994) はフィットの年齢効果は d[log(age)]/d[log(abundance)] = -3/2 であるとした。したがって、9±3 Gyr の年齢巾に対してはアバンダンス不定性 は (2/3)log(12/6) = 0.2 は大きすぎるらしく、本文では1 0.08 としている。この 値は測光エラー 0.1 mag より少し小さい。(これがどう結び付くか良く分からないが) Brown et al 2003 の M31 外側で中間年齢種族があるという主張は ∼ 6 Gyr な ので、古い種族と言ってもよいくらいでメタル評価には影響が小さい。 元素分布の巾はどこも同じくらいで、 20 kpc の先では緩やかに低下する。 |
これらの分布に輝度プロファイルから決めたウェイトを掛けて足し、M31 全体の
メタル平均値を求めた。M31 は元々のガスとその後降着してきた物質を逃さず貯えて
いて、さらに現在のガス量は 2 % 程度なので、組成比としてはほぼ成熟していると
言える。 この観測的に閉じた箱である M31 は、太陽近傍と同様に、低メタル星と高メタル 星が「閉じた箱モデル」の予言に比べると少ない。非一様な組成増加、イールドの 変化、降着などを入れた改訂モデルは全て観測の誤差範囲内に収まる。他でも述べたが M31 外辺部の菱は天の川銀河ハローに比べ10倍高メタルである。そして同じくらいの 距離にある球状星団より高メタルである。この困難さはもし円盤が 50 kpc でも ハローより支配的であるなら解消される。実際、現在の天の川銀河の密度分布 モデルをスケールを合わせると、アンドロメダでは 50 kpc を越すまでハロー が支配的にはならない。結局、これまでハローの観測とされていたのは実は円盤の 観測であったのだ。 グラフへ 一覧へ |
INT/WFC を用いて M31 の表面輝度分布を短軸沿いに調べた。表面測光と暗い赤色 巨星枝星の星計数を結合して、 M31 の最内側から投影距離 4° (55 kpc)、μ V ≈ 32 mag arcsec-2 までプロファイルを求めた。 これほど遠方までマップされたのは初めてである。Pritchet/van den Bergh による 短軸プロファイルはドボークルー則に従うという主張を 1°.4 ≈ 20 kpc まで確認した。 |
それより外側ではプロファイルは平坦となり、指数 -2.3 のべき乗則かスケール長
14 kpc の指数関数則で近似される。この成分の M31 総光度に対する寄与は 2.5 %
である。この外側成分を種族 II の真のハロー成分と位置付けたいが、平均カラー
は 0°.5 から 3°.5 まで一定値、 V - i ≈ 1.6 のままである。
この結果は両成分が共に高メタル種族に属することを意味する。
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局所群の起源と進化の新しいモデルを提案する。このモデルではマゼラン雲の 形成とその天の川銀河の周りの大きな角運動量も自然に説明できる。基本アイデアは 10 Gyr 昔に M31 と天の川の原始銀河同士が中心がずれた流体力学的衝突を起こし、 ハローガスを圧縮して、マゼラン雲を含む局所群矮小銀河を作り出したというもの である。これら新しく生まれた矮小銀河は二つの巨大銀河の軌道面上に分布する。 |
我々は局所群銀河の2次元分布を再調査し、以前のアイデア、すなわちそれらが
二つの大円上に並んでいることを確認した。これらの円が載る平面は近似的には
太陽―銀河系中心の線に直交する。我々はそれらの分布マップを作成し、
はっきりした有限厚み平面を発見した。LMC, SMC の良く調べられた銀河系周りの
運動を再現するように M31 の運動を決めた。期待される固有運動は、
(μl, μb) = (38±16 μasyr-1,
-49±5 μasyr-1) である。
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ACS?HRC U-, B- バンドで M 31 中心の青い星を撮ることを提案する。STIS スペクトル と WFPC2 像の解析から、中心星団は実際には円盤であるらしいことが判った。 M 31 の二重中心核の複雑な構造を飛ばして、この円盤のケプラー速度を求めれば、 ブラックホール質量を求めることができる。それには円盤の光度分布を求める必要がある。 |
青い波長で ACS/HRC ディザリング観測を行い、WFPC2 の2倍精密な空間分解 0.06"
を達成する。こう言う訳で、ACS/HRC による再観測は円盤の傾斜角と星光の動径分布
を理解するために必須である。円盤の低い光度, MAB = -5.5 は数百の
A 型星により得られ、統計的な揺らぎが輝度分布に見出されるはずである。
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グリーンバンク望遠鏡によりアンドロメダ銀河周囲に微かで広がった HI が存在 することが明らかになった。この新たに見つかった天体は天の川の周りの高速度雲 (HVCs) と似ている。ここでは我々の最初の発見について述べ、次に最近の WRST 干渉計観測について報告する。その副構造、質量下限を調べた。グリーンバンク 観測では 20 の雲が明らかに円盤から離れて検出された。それらは M 31 から 50 kpc 以内に見られ、外側円盤の回転に相応する視線速度を示す。さらに、また、 長さ 30 kpc に及ぶ糸状のハロー成分が M 31 の視線速度付近に集中して見られる。 | 幾つかの雲は集まって全体として細長い形になっている。これは潮汐流のように 見える。雲の質量分布は 105 - 107 でべき乗則に従う。 ただし、干渉計観測はグリーンバンク観測で単一の雲とされていたものが実は 複数の高速度雲の集まりであることを示した。個々の雲の速度巾は雲の質量と相関 している。その様子は、もし雲が重力的拘束系とするならば、暗黒質量 : HI 質量 = 100 : 1 であることを示唆する。これら M 31 の雲や「ハロー」雲の起源として は、局所群の冷却流、最近の銀河降着の潮汐デブリ、暗黒物質ハローの副構造に付随 したガス雲がある。 一覧へ |
HST/ACS による M31 周辺 9.28 arcmin2 領域の観測が2回行われたので、 変光天体の探索を行った。254 天体が 4 σ 以上の変化を示した。 |
それらの位置二つの B 等級を掲載する。この測光で M31 のこの領域に
おける RR Lyr 変光星の大部分を検出したと考えられる。
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Thilker et al 2004 に報告された M31 周囲 50 kpc 内の 高速 HI 雲の高分解能
観測を行った。ウェスタボーク合成電波望遠鏡で9点の観測を行い、天体の物理
パラメターを決定した。それらは天体起源の手掛かりを与える。 M33 方向の類似
天体に対しても観測を一点行った。 2' 分解能で M31 の周りに 16 の HVC、 M33 では一個の HVC を検出した。それらの 典型的な質量は 105 Mo, サイズは 1 kpc である。 |
HVC の力学およびビリアル質量を評価した所、それらはダークマターか電離ガス
などの質量付加により重力的に束縛されているらしいことが判った。雲の内 12 個
は M 31 円盤から投影距離 15 kpc での 1° × 1° 領域内に集中
している。この HVC 複合体はかなり複雑な形態と運動学的特徴があり、部分的には
M 31 ジャイアントストリームと部分的には重なっている。これは HVC の潮汐起源
を示唆している。観測されたもう一つの特徴は位置と速度の点で NGC 205 と近い
ことである。これも潮汐起源を示唆する特徴の一つであろう。他の HVC は離れて
孤立していて始原性のダークマターが支配的な雲かもしれない。
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CFHT/Mrgacam により M 31 円盤南側 1 deg2 を観測した。ここは Battinelli et al 2003 が約千個の炭素星を発見した所である。M31 外側領域は これまで探査が行われていなかったが、我々はここに 361 の炭素星を発見した。 それらの測光値は既知の炭素星と類似しており、銀河中心距離に応じて僅かに 暗くなって行く。SLOAN g', r', i' フィルターは (CN - TiO) 法と比べて同じ |
低温炭素星の (g' - r') カラーはとても赤く、暗い系外
銀河炭素星の観測には実行不可能なほど長時間の露出が必要なことが判った。この
ため SLOAN 法を数 Mpc の遠方にまで広げることはやや困難である。われわれの一様
な探査は中心距離 35 kpc に円盤の縁を見出した。炭素星で代表される中間年齢種族
は 40 kpc まで広がっている。
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HST/ACS を用いた M31 周辺の恒星副構造サーベイの第1結果を報告する。INT/WFC による地上からの広領域画像観測で見つかった5つの密度超過に付随する恒星種族を 議論する。第6観測点は「きれいな」ハロー点である。色等級図は 10,000 - 90,000 個の星を含み、水平分枝の 4 等下に到達した。その形態は互いに異なっていた。 これは、ハローの外側では年齢とメタル量の混合が一様でなかったことを意味する。 |
すなわち、ハロー種族は非一様であり、 M 31 が、少なくとも一部は、降着から
形成されたという説に支持を与える。ジャイアントストリームと他の密度超過、「北の
棚」、との間の種族は極めて似ている。これらが同一種族から形成されているなら、
レッドクランプの等級差は「北の棚」がストリームより数十 kpc 手前にあることを
意味する。これは最近の軌道モデルの結果と一致する。
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M 31 円盤の中間年齢種族がどこまで広がっているのかを探るため、 南長軸 に沿って 5領域、430 arcmin2 の探査を行った。観測は Telescopio Nazionale Galileo で 2003 年 7 - 8 月に、 R, I, CN, TiO バンドを用い、0.275/pixel 一視野 9'.4 × 9'.4 で行った。 我々は 10 個程度の炭素星を得た。 少なくとも中間年齢種族に関する限り、円盤の縁に達した。 |
Ferguson et al 2002 が星団 G 1 付近で見出した密度超過に伴って、炭素星が
増加している証拠はなかった。視線速度を測れば、最も遠くで見つかった炭素星、
40 kpc で、が実際に円盤メンバーかどうかを知ることができるであろう。
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銀河の化学進化には銀河の形成と時間変化の鍵が潜んでいる。天の川とアンドロメダ 銀河の化学進化を調べた結果、円盤銀河の化学進化一般に共通する性質と、個々の 銀河により異なる性質が判った。研究には半解析的な多層化学進化モデルが使われた。 この手法は似たような質量と形態を有する二つの渦状銀河で観測された化学的特徴の 平均的傾向を説明するのに適している。 |
天の川とアンドロメダは進化に共通する点があるが、細かい点では差異がある。
特に、 M31 ハローの高いメタル量は(1)ハローでの高い星形成効率か、(2)
長期間に渡りより大きな降着ガス源を想定する必要がある。この二つの説明には
(1)低メタル量時期での高い [Fe/O] か、(2)M31 ハローの種族が若いかが
必要である。どちらも M 31 ハローの質量が大きくなる。これはハローメタル量と
ハロー質量との間の相関を示唆する。
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GALEX による M31, M33 の FUV, NUV 撮像を報告する。UV プロファイルを Hα による電離ガス分布と比較した結果、 UV 放射は HIIR や拡散電離ガス よりも遠方まで広がっていることが判った。FUV 観測から決めた M 33 の ultraviolet diffuse fraction (Hoopes et al 2001 とあるがその論文には言及 がない。)を Hα diffuse fraction と比べた。ultraviolet diffuse fraction は銀河距離に対して驚くほど一定の 0.65 を保持している。 |
ultraviolet diffuse fraction は中心核付近と Hα 円盤の縁で上昇する。
これは円盤の縁より遠方では UV 光がそこで発生したものではなく、円盤からの光を
ダストが散乱したものであることを示唆する。 Hα diffuse fraction は一般
には 0.4 付近、中心近くで 0.6 に上がる。減光効果を補正していないので
ここで述べた値は下限値と考えるべきである。
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円盤は様々な時期に様々な半径で形成され、バルジは円盤不安定性で形成された というモデルを提案する。パラメターを調節しても、 M 31 外側円盤のガス密度 プロファイルを再現することは困難であった。一方、天の川円盤では同じ星形成 則で沢山の観測結果を再現した。モデルはまた、観測より急なメタル勾配を予測 した。 |
この矛盾を解消するには外側円盤での星形成効率を天の川銀河
より高いと考えるのが良い。さらに、 M 31 で観測される大きさ
のバルジを形成するには安定性基準を 0.30 より小さくする必要
がある。この場合には M 31 回転曲線も再現できる。天の川銀河
と M 31 の形成過程が異なっていた可能性もある。われわれのモデル
計算では、M 31 の場合円盤不安定性はバルジを作るには効率的な
方法ではないようだ。さらに、外側円盤は初期に衛星銀河との
作用を経た可能性がある。
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Gemini North の ALTAIR アダプティブオプティクスによる NIRI J, H, K' バンドの
M 31 バルジおよび円盤画像から星種族を調べた。K FWHM = 0".08 はこれまで近赤外
で撮られた最高の空間分解能である。 一つのフィールドは長軸沿い中心から 62' 離れた 外側円盤にある。この領域の平均メタル量は高メタル球状星団 NGC 6528 に近い。 [Fe/H] < -0.7 の星は一つも検出されなかった。もう一つの領域は長軸上中心から 9' 離れていて、円盤とバルジ星とをほぼ同数含む。この領域の赤色巨星枝は NGC 6528 より赤い。ただし、この領域は赤化が強い可能性がある。 残りの二領域は中心から 2' と 4' 離れていてバルジが支配的である。赤色巨星枝先端は K = 17.0 - 17.2 にあり、 この銀河中心に最も近い領域の RGB カラーは NGC 6528 と矛盾しない。 |
測光のランダムエラーを考慮すると、各領域の (K, J-K) 上で上部 RGB の巾は
[Fe/H] の分散として ±0.5 という値と矛盾しない。この巾は外側円盤や
楕円体成分での値とほぼ同じである。明るい AGB 星と RGB 星の数は r - バンド
表面輝度に比例することが4領域の全てで確認された。こうして、我々は星の
種族構成が領域間で大きくは変わらないこと、及び最内側でも最も
明るい AGB 星の測光的性質は混雑に影響されないと結論した。最も明るい星は
MK = -8.6, Mbol = -5.2 であったが、変光を考えると
この値の信頼性は低い。非常に明るくて赤い一群の星、我々は炭素星と考えたが、
が中心に近い3領域で検出された。これらの星の空間分布はそれらが M 31 のこの
部分では良く混ぜ合わされていることを示す。これはそれらが銀河中心核に近い
狭い領域で形成されたのではなく、内側円盤に起源を持つことを支持する。それらは
M 31 中心領域で見つかった中間年齢種族の最も明るい集団であろう。
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