On the Accretion Origin of a Vast Extended Stellar Disk and the Andromeda Galaxy

  Ibata, Chapman, Ferguson, Lewis, Irwin, Tanvir    2005 ApJ 634, 287 - 313

 Keck/DEIMOS による 2800 以上の星の視線速度観測から、M31 の周囲に広がる 低輝度の円盤状構造が発見された。この構造は半径 15 kpc - 40 kpc に渡り、 70 kpc にまで検出された(?)。構成星の視線速度は M31 円盤の面上での 円軌道からの予測値に近く、速度分散は約 30 km/s である。

 AGB 上部の星のカラーの広がりはメタル量の巾がかなり大きいことを窺わせる。 CaII 等値幅から決めた平均メタル量は [Fe/H] = -0.9 ±0.2 である。 円盤の形態は遠方では不規則であり多くの副構造が見られる。これは遷移性の 形で降着デブリであることがほぼ確実である。

 この広がった円盤は M31 円盤中心部から 40 kpc まで滑らかにつながり、 密度則はスケール長 5.1 ±0.1 kpc の指数関数型である。この値は 内側円盤の値に近い。しかしこの広がった円盤種族の運動学とメタル量の 性質は円盤が検出された全領域でほぼ一様である。

我々の評価ではこの 構造の光度は M31 円盤の 10 % にあたり、広がりの広大さから円盤角運動量 の 30 % を担う。この発見は銀河円盤の少なくとも幾つかは以前考えられて いたよりずっと大きく、外側円盤が降着により形成されたことを示す。




図2.長軸沿いの密度変化。横軸正方向は M31 北東側を指す。細線= 傾斜角 77° での脱投影で経度 5° 巾での密度中間値。θ = 0° が北東軸に対応する。(上)4本の線は θ = ± 7.5°, 22.5° に対応。(ただし、ちょっと理解できない説明があった。)左側が北東、右側が 南西軸周り。(下)20 > R > 40 kpc での指数関数フィット。スケール長 = 5.1 ±0.1 kpc.


図4.Keck/DEIMOS 分光領域の分布。命名はストリームが S, 内側円盤内は D, 残りは F を付けた。南東側の B と付いた小さな四角は Brown et al 2003 に よる観測領域。


図6.回転曲線。黒点=Klypin, Zhao, Somerville 2002 による  観測のまとめで、R < 10 kpc は CO (Loinard, Allen, Lequex 1995), その 先は HI (Brinks/Burton 1984)点線=スプライン。実線=傾斜角 77° 補正。


図8.円盤スケール高 = 350 pc の時の図7視線速度マップに加わる不定性。 等高線は、不定性= 10 km/s(外側)、20 km/s(中間), 30 km/s(内側)


図10.領域 D2 - D5(R=12-23 kpc) 合計での遅れ速度分布。-150 km/s < vlag < 100 km/s のピークを破線=ガウシャンフィットすると、 ⟨ vlag ⟩ = -34 km/s, σlag = 47 km/s であった。


図12.図11と同じだが、短軸距離 minor axis distance を取った。


図14.円運動遅れ速度と脱投影距離 R の関係。大部分の星では 0 - 100 km/s の範囲に集まる。
(経度が変わると 視線速度での差の意味が変わらないのか?いや変わる。)



図16.(左上)四角枠=領域 F1 の位置。(右上)領域 F1 の 1° × 1° 拡大
(左下)この領域での回転遅れ速度分布。 &lag;vlag⟩ = -69 km/s, σv = 30 km/s。 (右下)この領域の CMD。黒丸=DEIMOS 観測星。等時線は左から NGC6397([Fe/H]=-1.91), NGC1851(-1.29), 47 Tuc(-0.71), NGC6553(-0.2)。


図18.領域 F3. &lag;vlag⟩ = -53 km/s, σv = 15 km/s。


図20.(中)F6 における DEIMOS 天体の位置。丸=NGC 205 のスケッチ。 斜め線= M31 の長軸と短軸。(上)と(下)は ξ に沿った速度変化。 (上)の破線= M31 系統速度。点線= NGC 205 系統速度。


図22.領域 F12. &lag;vlag⟩ = -78 km/s, σv = 24 km/s。


図24.F16 における太陽中心速度分布。右側ダイアグラムはブザンソン 銀河系モデルによる


図26.各領域での合成スペクトル。CAT ライン。


図28.予想される asymmetric drift (Binney/Tremaine 1987 Eq 4-35)



図1.INT カメラによる M31 眺望観測からの赤色巨星分布。外側楕円は c/a = 0.6 を 仮定した 55 kpc 半径楕円。中心部の DSS 像を抜き出した。マップは赤色 巨星がハロー全体に広がっていることを示す。マップの最も驚くべき特徴は、 従来良く知られていたバルジと円盤を包み込む、平らで大きな構造が 4° まで広がっていることである。


図3.経度 15° おきに作った密度プロファイル。太線は全体の平均。 (上)傾斜角= 77°, (下)傾斜角= 64.7°(分散が最小)


図5.(上)2834 星全ての速度分布。小さなヒストグラムはブザンソン 銀河系モデルによる予想。端の部分が良く合っている。
(下)F1 - F4 + 全ストリーム の速度分布。


図7.図6のスプライン回転曲線からの予想速度マップ。


図9.領域 D1 - D5 における視線速度と短軸から長軸に沿って測った 距離 (major axis distance)との関係。
(上)太陽中心速度。破線= M31 系統速度。(下)円運動(図7)を引いた 残差。破線=円運動星。領域 D1 に明らかに見られる構造に注意。


図11.図9と同様だが、領域 F1 - F16 の星。大部分の箇所で回転遅れ は 0 - 100 km/s に集まる。


図13.図11の 16 領域での回転速度遅れの分布。数字は(上)横軸= 長軸距離。(中)短軸距離。(下)脱投影距離 R


図15.図13の集計。領域 F6 は省く。ガウシャンフィットから &lag;vlag⟩ = -54 km/s, σv = 37 km/s。


図17.図16と同じだが、領域 F2 .ここでは二成分ガウシャンフィットで、 細いピークは、 &lag;vlag⟩ = -4 km/s, σv = 7 km/s、 太い方は、 &lag;vlag⟩ = -46 km/s, σv = 35 km/s、


図19.領域 F6. (NGC 205 を含む。) &lag;vlag⟩ = 2 km/s, σv = 36 km/s。


図21.領域 F8. &lag;vlag⟩ = -43 km/s, σv = 38 km/s。


図23.領域 F16. &lag;vlag⟩ = -80 km/s, σv = 27 km/s。


図25.支配的な円盤的な狭い速度成分(?)のない、ストリームの外の F4, F5, F7, F9, F10, F11, F13, F14, F15 の回転遅れ速度分布。


図27.密度変化。破線=指数関数フィット。点線=図2へのフィット。 (上)傾斜角 77°, (下)64.7°