Westerbork HI Observations of High - Velocity Clouds near M 31 and M 33

  Westweier, Braun, Thilker    2005 AA 436, 101 - 115

 Thilker et al 2004 に報告された M31 周囲 50 kpc 内の 高速 HI 雲の高分解能 観測を行った。ウェスタボーク合成電波望遠鏡で9点の観測を行い、天体の物理 パラメターを決定した。それらは天体起源の手掛かりを与える。 M33 方向の類似 天体に対しても観測を一点行った。

 2' 分解能で M31 の周りに 16 の HVC、 M33 では一個の HVC を検出した。それらの 典型的な質量は 105 Mo, サイズは 1 kpc である。




図1.黒丸= WSRT 観測点。灰色=Thilker et al 2004 の BGT による HI 放射。 等高線= 16 高速雲と NGC 205 の HI WSRT 強度。点 H, I では WSRT データには 信頼できるシグナルが受からなかった。


図3 (a).HI 数密度。(b) 太陽中心速度。HVC 1 - 6 (黒丸)は類似した速度 を持ち、密度は高い。HVC 7 - 12(白丸) はより低密度で速度はばらばら。


図4.M 31 HVC 1。(右上) HI コラム密度。等高線は 0.1, 0.5, 1, 2, 3, ... × 1019 cm-2。点線矢印は左図に使うカット。 (右下)太陽中心速度マップ。等高線は 5 km/s 間隔。(左上)コラム密度、 (左中)視線速度、(左下)速度分散の位置変化。


図6.M 31 HVC 2。(右上) HI コラム密度。等高線は 0.1, 0.5, 1, 2, 3, ... × 1019 cm-2。点線矢印は左図に使うカット。 (右下)太陽中心速度マップ。等高線は 5 km/s 間隔。(左上)コラム密度、 (左中)視線速度、(左下)速度分散の位置変化。


図8.M 31 HVC 4。(右上) HI コラム密度。等高線は 0.1, 0.5, 1, 2, 3, ... × 1019 cm-2。点線矢印は左図に使うカット。 (右下)太陽中心速度マップ。等高線は 5 km/s 間隔。(左上)コラム密度、 (左中)視線速度、(左下)速度分散の位置変化。


図10.M 31 HVC 13。(右上) HI コラム密度。等高線は 0.1, 0.5, 1, 2, 3, ... × 1019 cm-2。点線矢印は左図に使うカット。 (右下)太陽中心速度マップ。等高線は 5 km/s 間隔。(左上)コラム密度、 (左中)視線速度、(左下)速度分散の位置変化。


図12.M 31 HVC 15。(右上) HI コラム密度。等高線は 0.1, 0.5, 1, 2, 3, ... × 1019 cm-2。点線矢印は左図に使うカット。 (右下)太陽中心速度マップ。等高線は 5 km/s 間隔。(左上)コラム密度、 (左中)視線速度、(左下)速度分散の位置変化。


図14.M 33 HVC 1。(右上) HI コラム密度。等高線は 0.1, 0.5, 1, 2, 3, ... × 1019 cm-2。点線矢印は左図に使うカット。 (右下)太陽中心速度マップ。等高線は 5 km/s 間隔。(左上)コラム密度、 (左中)視線速度、(左下)速度分散の位置変化。


図16.M31 HVC 3(上)と HVC 5(下)の高分解能(30")マップ。副構造が 現れた。(左)コラム密度。 1 × 1019 cm-2 から 3 × 1019 cm-2 ステップ。 (右)視線速度。5 km/s ステップ。

 HVC の力学およびビリアル質量を評価した所、それらはダークマターか電離ガス などの質量付加により重力的に束縛されているらしいことが判った。雲の内 12 個 は M 31 円盤から投影距離 15 kpc での 1° × 1° 領域内に集中 している。この HVC 複合体はかなり複雑な形態と運動学的特徴があり、部分的には M 31 ジャイアントストリームと部分的には重なっている。これは HVC の潮汐起源 を示唆している。観測されたもう一つの特徴は位置と速度の点で NGC 205 と近い ことである。これも潮汐起源を示唆する特徴の一つであろう。他の HVC は離れて 孤立していて始原性のダークマターが支配的な雲かもしれない。




図2.ジャイアントストリームの位置と速度をその付近の HVC と比較した。 四角=星の視線速度測定(Ferguson et al 2004) 等高線= Thilker et al 2004 の HI 強度。


図3c.雲の速度勾配を方向と大きさで示した。 HVC 1 -6 では勾配(実線) はばらばらの向きで大きいが、 HVC 7-10 (破線)は大体同じ方向を向いている。


図5.HVC 2 - 12 の (上)コラム密度マップ。(下)視線速度マップ。


図7.M 31 HVC 3。(右上) HI コラム密度。等高線は 0.1, 0.5, 1, 2, 3, ... × 1019 cm-2。点線矢印は左図に使うカット。 (右下)太陽中心速度マップ。等高線は 5 km/s 間隔。(左上)コラム密度、 (左中)視線速度、(左下)速度分散の位置変化。


図9.M 31 HVC 6。(右上) HI コラム密度。等高線は 0.1, 0.5, 1, 2, 3, ... × 1019 cm-2。点線矢印は左図に使うカット。 (右下)太陽中心速度マップ。等高線は 5 km/s 間隔。(左上)コラム密度、 (左中)視線速度、(左下)速度分散の位置変化。


図11.M 31 HVC 14。(右上) HI コラム密度。等高線は 0.1, 0.5, 1, 2, 3, ... × 1019 cm-2。点線矢印は左図に使うカット。 (右下)太陽中心速度マップ。等高線は 5 km/s 間隔。(左上)コラム密度、 (左中)視線速度、(左下)速度分散の位置変化。


図13.M 31 HVC 16。(右上) HI コラム密度。等高線は 0.1, 0.5, 1, 2, 3, ... × 1019 cm-2。点線矢印は左図に使うカット。 (右下)太陽中心速度マップ。等高線は 5 km/s 間隔。(左上)コラム密度、 (左中)視線速度、(左下)速度分散の位置変化。


図15.M31 HVC 1(上)と HVC 2(下)の高分解能(30")マップ。副構造が 現れた。(左)コラム密度。 1 × 1019 cm-2 から 3 × 1019 cm-2 ステップ。 (右)視線速度。5 km/s ステップ。