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東京大学アタカマ天文台 (TAO) 計画

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完成に近づくTAO望遠鏡!主要部品が山頂に到着

TAO山頂施設のあるチャナントール山頂 (標高5,640m) では、現在口径6.5mのTAO望遠鏡の建設が進められています。2026年3月から4月にかけて、TAO望遠鏡を構成する重要な部品であるセンターセクションと高度軸円盤、望遠鏡の組立に使用するアセンブリスタンドが輸送され、無事にTAO山頂施設に到着しました。これでTAO望遠鏡の組み立てに必要な主要部品のうち主鏡および主鏡セルを除く大型部品がすべて山頂に揃いました。今後はこれらを組み立ててTAO望遠鏡の構造部分の建設を終え、その後に主鏡および主鏡セルの山頂への輸送と設置作業が進められる予定です。

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▲エンクロージャー内部で組み立てが進むTAO望遠鏡の様子
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▲TAO望遠鏡の組み立てに必要な主要部品が到着したTAO山頂施設の様子。(右) エンクロージャー棟、(左) 観測運用棟、その脇に運用停止中の口径1mのminiTAO望遠鏡ドーム

TAO望遠鏡の概要

東京大学アタカマ天文台 (TAO) 望遠鏡は主鏡口径6.5m、経緯台式架台の大型光学赤外線望遠鏡です。2か所のナスミス焦点と2か所のベントカセグレン焦点の合計4か所に観測装置を搭載することが可能で、リッチークレチアン型光学系の採用により、各焦点に直径25分角の広い視野を持ちます。

鏡筒部分の長さは約10m、その両側面部は半円盤状の構造をしており、これらが支持台上を滑るようにして高度方向の向きを変え、さらに全体が直径約12mの方位回転台に載せられて水平に回転します。経緯台式の架台では望遠鏡の向きによって焦点面上での天体像の向きが変わるため、焦点に搭載した観測装置をまるごと回転させて像回転を追尾します。全高約15m、総重量200トンに迫るTAO望遠鏡はいわば巨大な精密機械です。

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▲口径6.5mのTAO望遠鏡の模式図

センターセクションとアセンブリスタンドの輸送

センターセクションとアセンブリスタンド (組立台) は2021年から標高5,000mのヤードに保管されていましたが、2026年3月に3日間かけてヤードから山頂に輸送されました。初日にアセンブリスタンドが、続く2日間でセンターセクションが輸送されました。このうちセンターセクションは8角形のリングを2分割した形状で、各々全長約8m、重量7.7トンにおよぶ大型の精密部品です。そのため、2部品をまとめて輸送することはせず、2日間に分けてひとつずつ慎重に輸送されました。

輸送当日はまだ日も上がらない早朝から行動を開始しました。山頂には輸送業者以外にも望遠鏡の建設部隊など、様々な業者のメンバーが訪問しますが、安全のためサンペドロ・デ・アタカマの町からほど近いところに集合し、キャラバンとなって山頂へ向かいます。集合場所では、街灯もない早朝の暗闇の中、当日の輸送に関するミーティングが実施されました。輸送業者には日本人とチリ人が混在しているため、行き違いが無いように日本語とスペイン語を交えて入念な打ち合わせが行われました。

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▲早朝の暗闇の中、入念に輸送の打ち合わせを行う輸送業者のメンバー

標高5,000mのヤードに到着してもすぐに輸送を始められるということはありません。まずは山頂までの道に落石がないか、各カーブを安全に曲がることができるかどうか最終チェックが行われました。道幅が十分でない箇所については土盛の一部を削るなどして貨物が確実に通行できる道幅を確保します。その間、ヤードでは貨物をクレーンでトレーラーに積み込む作業が行われました。現地は標高が高く酸素が薄いため、クレーンのエンジン起動に1時間以上の時間を要したものの、無事に積み込み作業を終えました。その後、貨物を積載したトレーラーは3台のピックアップカーに挟まれる形で隊列を組み山頂へ向けて出発しました。

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▲アセンブリスタンドを積載して山頂に登っていくトレーラーと前後を挟むピックアップカーの隊列

山頂に到着するまでには複数のヘアピンカーブがありますが、要所要所で無線機を使い、トレーラー・先導の車・最後尾の車とでコミュニケーションを取り、丁寧に安全を確認しながらゆっくりと慎重に輸送され、山頂に到着後、エンクロージャーのそばに下ろされました。こうしてセンターセクションとアセンブリスタンドの輸送は、3日間連日、早朝からお昼前後まで最長6時間かけて実施され無事に完了しました。

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▲無事に山頂に到着したセンターセクション

高度軸円盤とセルフランジの輸送

高度軸円盤とセルフランジは2026年2月に神戸港を出港し、3月にチリのイキケ港に到着後、セルフランジは数日以内にイキケ港から山頂に輸送されました。高度軸円盤は全長約6.5m、重量14トンにおよぶ大型の精密部品のため、公道では一般車両との接触事故を防ぐため、現地警察によるエスコートを受けながら隊列を組んで輸送されました。標高5,000mヤードから山頂への輸送はセンターセクションと同様の手順で、2つの高度軸円盤をひとつずつ2日間に分けて慎重に輸送されました。イキケ港を出発後、山頂まで約1週間かけて4月中旬に無事に山頂に到着しました。

これでTAO望遠鏡の組み立てに必要な主要部品のうち主鏡および主鏡セルを除く大型部品がすべて山頂に揃いました。今後はこれらを組み立ててTAO望遠鏡の構造部分の建設を終え、その後に主鏡および主鏡セルの山頂への輸送と設置作業が進められる予定です。

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▲無事に山頂に到着した高度軸円盤
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