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東京大学アタカマ天文台 (TAO) 計画

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チリ・アントファガスタ州との天文・宇宙科学に関する協定書が締結されました

東京大学大学院理学系研究科はチリ北部のアントファガスタ州政府と、天文・宇宙科学をはじめとする幅広い分野での学術交流と協力に関する協定書を締結しました。2025年6月11日に東京大学本郷キャンパスにて、大越慎一 研究科長とリカルド・ディアス 州知事による署名式を執り行いました。
アントファガスタ州は、東京大学アタカマ天文台 (TAO) が所在するサンペドロ・デ・アタカマ市を行政所管しています。この署名を機に、TAOは現地のアントファガスタ州やサンペドロ・デ・アタカマ市と天文学をはじめとした様々な分野において教育研究活動等の交流を促進していきます。

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▲署名の様子。大越慎一研究科長 (左)、リカルド・ディアス州知事 (右)

署名式には両代表のほか、チリ側からはアントファガスタ大学エドアルド・ウンダ天文台センター長、駐日チリ大使館からリカルド・ロハス大使が参列しました。東京大学側からはTAOプロジェクト代表の吉井讓名誉教授、天文学教育研究センター長の河野孝太郎教授、アタカマ観測所長の宮田隆志教授が列席しました。

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▲集合写真。左から、宮田隆志教授、エドアルド・ウンダ天文台センター長、吉井讓名誉教授、大越慎一研究科長、リカルド・ディアス州知事、リカルド・ロハス大使、河野孝太郎教授、パブロ・ロハス州知事秘書官

なお署名に先立ち、大越研究科長の挨拶に続いて、ディアス州知事、シクトビック アントファガスタ大学学長 (ウンダ センター長代読)、ロハス駐日チリ大使よりそれぞれご挨拶をいただきました。

チリ共和国アントファガスタ州と、東京大学理学系研究科における天文学・宇宙科学をはじめとする幅広い分野での学術交流と協力に関する MoU を締結することとなり大変喜ばしく思っております。 アントファガスタ州サンペドロ・デ・アタカマ市において推進しているTAOプロジェクトは、東京大学が20年以上にわたって推進してまいりましたが、いよいよ完成が近づいてまいりました。 これも本日お越しいただいているアントファガスタ州リカルド・ディアス知事をはじめとする現地の皆様の深いご理解とご協力、またチリ共和国天文コミュニティの皆様からのご支援あってのことであり、この機会をお借りして深く感謝申し上げます。 東京大学理学系研究科としましても、天文学に限らず、さまざまな分野においてアントファガスタ州ならびにサンペドロ・デ・アタカマ市での教育研究活動に貢献し、交流を一層深め、世界をリードする成果を共にあげていけるよう努力していく所存です。

東京大学大学院理学系研究科 大越慎一研究科長
本日は、世界トップクラスの科学的思考や技術革新を持ち、そして持続可能な社会の発展に力を尽くしている、御大学にお招きいただき、大変光栄です。私はチリ北部に位置するアントファガスタ州の知事を務めており、東京大学が大切にされている、これらの理念に深く共感しております。 このたび、私たちは東京大学大学院学理学系研究科・理学部との協力を示すMoUを締結したことを誇りに思います。この機会を通じて、協働研究、人材育成、知識の共有を推進してまいります。さらに、私たちの地域で展開されてきたTAOプロジェクトで使用されたminiTAO望遠鏡の移設協力が進展していることに、深く感謝しております。この望遠鏡は、私たちの土地と宇宙探査をつなぐ象徴的な存在となります。東京大学の多大なご支援により、アントファガスタの研究者たちは天文学の研究能力を強化し、自分たちの地域から、知識を新たに創出することができるようになります。私たちも、協働研究、倫理的リーダーシップ、そして地域の知をグローバルな課題と結びつける必要性を強く信じています。

チリ・アントファガスタ州政府 リカルド・ディアス知事
今回、本学にminiTAO望遠鏡の移設協力をいただくことは、寛大さを示すものあると同時に、国際 的な協力や、両国の大学や研究機関間における科学交流の価値に対する深い信頼の表れでもあります。この望遠鏡はまもなく、アントファガスタ大学の天文センターに移設される予定であり、宇宙観測に恵まれた空と自然条件を有するチリ北部において、天文学の発展に、大きく貢献するものとなります。私たちは、科学は国と国との間に橋がかけられ、知識や経験、技術が共有され、そしてこの世界を理解しようとする共通の関心が地理や文化の壁を越えるときにこそ、大きく前進すると確信しています。そのため、本学と東京大学との連携は、学術分野での国際協力がいかに広く、長期的な影響をもたらすかを示す具体的な一例です。また、今回の協力は、学術的な交流や研究者・学生の流動の促進、さらには、現代社会において重要な分野における新たなネットワークの構築を発展させるものでもあります。天文学はその最たる例であり、私たちに宇宙を研究するだけではなく、自分たちの存在を問い直すきっかけを与え、多面的な思考を育て、次世代に科学への関心を育むきっかけともなるものです。この連携に関しては相互の尊重や対話を基盤とした、長く、そして実り多い関係の始まりとなることを願っております。

アントファガスタ大学 マルコス・シクトビック学長
代読:エドアルド・ウンダ天文台センター長
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