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東京大学アタカマ天文台 (TAO) 計画

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無線アンテナ、気象観測装置の設置と運用開始

TAOにおいてインターネット回線は、観測や気象状況の把握など、様々な用途で使われる重要な通信インフラです。しかし、これまで山頂にはインターネット回線が来ておらず、外部との通信を行うことは難しい状況でした。そこで、2023年12月、山頂のエンクロージャーと観測運用棟をつなぐブリッジ通路上に無線通信用のアンテナを設置しました。このアンテナはサンペドロ・デ・アタカマにある山麓施設を向いて設置されています。山麓施設の屋上にも同じアンテナが設置してあり、2つのアンテナが直線距離48kmを隔てて向かい合っている状況です。この2つのアンテナで長距離の無線通信(wi-fiの電波を利用)を行うことで、山頂でもインターネットが使えるようになりました。このような通信方法は、mini-TAOの時にも使われていたものですが、mini-TAOの運用終了後に山頂のアンテナは撤去されていました。今回、古いアンテナを再稼働させ、当初の仕様通りの通信性能が得られることが確認できました。これによって、山頂に重要な通信インフラが確立されました。

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▲山頂のエンクロージャーと観測運用棟をつなぐブリッジ通路上に設置された無線通信用アンテナと気象観測装置
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▲山麓施設の屋上に設置されている無線通信用のアンテナ。TAO山頂の方向を向いて設置されており、予備を含めて2つがあります。

同時期には、気象観測装置の設置も行われました。山頂の気象情報は、観測を行う上で参考にされるのはもちろん、山頂で作業を行う人の安全を守ることにもつながる、重要なデータとなります。気象観測装置は、無線アンテナと同じくブリッジ通路上に設置され、気温・湿度・風向・風速・雨量・雲量・全天画像などの様々な情報を取得することができます。取得されたデータは、専用のウェブページ上でまとめて見ることができるようになっています。山頂の環境を把握することができるようになったことで、今後の安全な山頂作業や観測に寄与することが期待されます。

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▲気象観測装置のデータを見るためのウェブページ(開発中)
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▲気象観測装置によって取得される全天画像の例。画面上側(北側)にエンクロージャー、下側(南側)に観測運用棟が見え、夜には星空を眺めることもできます。
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