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東京大学アタカマ天文台 (TAO) 計画

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TAO山頂サイトに観測運用棟が完成

東京大学アタカマ天文台(TAO)は先端的科学施設であり、6.5m望遠鏡はそれ自身が大型精密機械です。観測を安定して行うためにはその保守が重要となります。例えばTAO望遠鏡の心臓部ともいえる口径6.5mの主鏡は、観測を続けるうちにアルミコートが劣化し反射率が落ちるので、数年に1度はアルミの付け直し(再蒸着)を実施します。輸送を考えると、このような作業はサイトで行う必要があります。蒸着装置は鏡全体を覆うほどの大きさですので、これを収容するには大型の建築物が必要となります。また、山頂サイトは現時点では外部から電気は供給されておらず、電力は発電機を利用することとなります。
このような、望遠鏡運用のためのインフラとして建設を進めてきたのが、観測運用棟です。これはエンクロージャーの横に建てられた3階建ての建物です。1階は主に発電機などインフラ関連機器が設置されます。2階には吹き抜け状の大型実験室があり、その中に蒸着装置が設置されます。ここには大型クレーンも整備され、鏡の移動や観測装置の調整に用いられます。また、観測室やラウンジも設置され、この建物から夜間観測を行うことも可能です。

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▲完成した観測運用棟。

観測運用棟建設はコロナの影響を受け当初計画からは遅れていましたが、2022年2月に現地工事着工しました。工事は日本企業の建設作業員を中心に、チリ作業員やクレーン会社などの共同作業として進められました。着工からわずか僅か2か月で鉄骨工事を終え、その後屋根外壁工事や内部機器設置などを進めていました。最終的には実工事期間6か月という短期間で建設を終え、2023年4月に東京大学に引き渡されました。
観測運用棟は今後続くエンクロージャー工事や望遠鏡組み立ての拠点として運用を行い、観測開始後はメンテナンスや初期観測などにも活用される予定です。

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▲鉄骨工事中の様子。高標高での鉄骨組み立ては安全に最大限注意しながら進められた。
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▲完成した観測運用棟を背景にした建設チームの集合写真。
Copyright(c) 2023 東京大学大学院理学系研究科 TAO計画推進グループ
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