smooth, virspec

名称

smooth - バックエンドの分散を変換し、スムージングをかけてリサンプルする
virspec - バックエンドの分散を変換し、リサンプルする

使用法

smooth [ -v velocity_range| -v_range velocity_range ] [ -v_step v_for_resampling | -v_sample v_for_resampling] [ -v_width velecity_width ] [ -v_smooth_kernel hunning | gauss | box | bin | pin ] [ -v_start_type center | edge | outer_edge | inner_edge ] [ -template_scn scn_name ]
virspec [ -v velocity_range| -v_range velocity_range ] [ -v_step v_for_resampling | -v_sample v_for_resampling] [ -v_width velecity_width ] [ -template_scn scn_name ]

機能

"smooth" はバックエンドの分散を変換する。 もとの .scn ファイルはバックエンドのチャンネルと周波数の関係を 4次以下の多項式の形で持っている。 "smooth" コマンドによって、この関数は速度の範囲とステップで決まる 1次関数に変換される。 異なった分散関数を持つプロファイルどうしを integ する場合には この変換を実行する必要がある。 このとき、"-v_step" はもとのサンプリングより小さくし、 "-v_smooth_kernel" は "pin" を選ぶと、 もとのプロファイルがよく再現されるのでよい。 リサンプルのためには、デフォルトで与えられる "-v_range" と "-v_step" の値を使ってはならない。 デフォルトのオプションでは、同じ分散関数にならない。
このコマンドによってスペクトルの速度分解能も変更される。

スムージング処理において、スプリアスフラグの立ったデータは無視される。

"virspec" は "smooth" と同じ機能を持つが、 "-v_start_type center" と "-v_smooth_kernel pin" のオプションが固定される。 コマンド名は仮想分光器 virtual spectrometer によりプロファイルを取得する ことに由来する。

フィルタ種別

.scn | smooth | .scn
.scn | virspec | .scn

オプション

-v velocity_range | -v_range velocity_range
速度範囲を","で区切った二つの数値で指定する。 単位は LSR に対する km/s。 たとえば
-v_range -20,60
は -20 km/s から 60 km/s の速度範囲を意味する。
-v_step v_for_resampling | -v_sample v_for_resampling
リサンプルの間隔。単位は km/s。 正でない値を与えると、 "-v_width" と "-v_smooth_kernel" から求められる値に直される。 bin と pin カーネルについては "-v_width" と同じ値が与えられ、 他のカーネルの場合はその半分になる。
-v_width velecity_width
速度方向のスムージング幅。単位は km/s。 スムージングのカーネル関数の FWHM で指定する。 pin カーネルに対してはこの値は無意味である。 正でない値を与えると、 "-v_step" と "-v_smooth_kernel" から求められる値に直される。 bin と pin カーネルについては "-v_step" と同じ値が与えられ、 他のカーネルの場合はその倍になる。
-v_smooth_kernel hunning | gauss | box | bin | pin
スムージングのカーネル関数を指定する。
hunning - hunning smoothing, すなわち 1-2-1 の重み
gauss - gaussian
box - boxcar, すなわち等しい重みの running mean
bin - binning, すなわち指定した幅の中での平均
pin - pin-point, すなわち デルタ関数, 単なるリサンプル
-v_start_type center | edge | outer_edge | inner_edge
結果として得られるプロファイルの速度範囲と "-v_range" で指定した範囲との関係を指定する。
center - 結果として得られるプロファイルにおいて、最初と最後のチャンネルの中心が "-v_range" で指定した速度範囲になる
edge - 結果として得られるプロファイルにおいて、最初と最後のチャンネルの外側の端が "-v_range" で指定した速度範囲になる
outer_edge - "edge" と同じ
inner_edge - 結果として得られるプロファイルにおいて、最初と最後のチャンネルの内側の端が "-v_range" で指定した速度範囲になる
-template_scn scn_name
受信機およびバックエンドの設定のテンプレートとして用いる scn ファイル名を指定する。 scn_name は load コマンドと同様に省略可能。 scn_name が "no" であるときは、どのプロファイルもテンプレートとして使用されない。

デフォルト

-prm smooth.prm
-v_range 0,0
最初のプロファイルの全範囲。 バックエンドの分散関数を調整するためには 決してデフォルトのままにしないこと
0km/sから1km/sおきに最大チャンネル数までサンプルされる。
-v_step 0
"-v_width" と "-v_smooth_kernel" によって決まる値にリセットされる。 しかしデフォルトのままにすることは推奨しない。
-v_width 0
"-v_step" と "-v_smooth_kernel" によって決まる値にリセットされる。
-v_smooth_kernel bin
-v_start_type center
-template_scn no

環境変数

参照

spurious, headlist, .scn, integ

バグ

履歴

ver.3.00
1998/4/1 T.Handa
ver.3.20
1998/5/1 T.Handa
ver.3.30
2000/2/10 T.Handa

マニュアルのバージョン

2000/2/10 T.Handa
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