headcorr
名称
headcorr - プロファイル(.scn)のヘッダの値を修正する。
使用法
headcorr
[ -file_length byte ]
[ -header_length byte ]
[ -format_id spectrum | cube | ID_number ]
[ -version number ]
[ -data_type Ta | frequency_switch | Tmb |Integ_Ta | Integ_Tmb | RawLong | RawFloat | ID_number ]
[ -history_step number ]
[ -history_line number ]
[ -original_scan_number number ]
[ -backup_version version_number ]
[ -composed_scans number ]
[ -project name ]
[ -scd_name file_name ]
[ -scd_line_number number ]
[ -sw_mode total_power | onoff | frequency_switch | Dicke | ID_number ]
[ -observed_mjd MJD ]
[ -observed_start_time in_sec_from_1970.0 ]
[ -observed_stop_time in_sec_from_1970.0 ]
[ -integration_on_time sec ]
[ -integration_off_time sec ]
[ -observer name ]
[ -observer1 name ]
[ -observer2 name ]
[ -observer3 name ]
[ -observer4 name ]
[ -object name ]
[ -coordinates lb | radec | radec-app | ID_number | -coord_sys lb | radec | radec-app | ID_number ]
[ -l angle_value | -on_l angle_value ]
[ -b angle_value | -on_b angle_value ]
[ -ra angle_value | -on_ra angle_value ]
[ -dec angle_value | -on_dec angle_value ]
[ -az angle_value | -on_az angle_value ]
[ -el angle_value | -on_el angle_value ]
[ -off_l angle_value ]
[ -off_b angle_value ]
[ -off_ra angle_value ]
[ -off_dec angle_value ]
[ -orig_x angle_value ]
[ -orig_y angle_value ]
[ -position_angle deg | -grid_pa degree ]
[ -x angle_value | -on_x angle_value ]
[ -y angle_value | -on_y angle_value ]
[ -telescope name | -telescope_name name ]
[ -ap_eff absolute_value ]
[ -mb_eff absolute_value ]
[ -fss_eff absolute_value ]
[ -beamsize angle_value | -hpbw angle_value ]
[ -receiver name | -rx_name name ]
[ -sideband lsb_ssb | lsb_dsb | usb_ssb | usb_dsb | ID_number | -sb_mode lsb_ssb | lsb_dsb | usb_ssb | usb_dsb | ID_number ]
[ -v_lsr km/s ]
[ -v_off km/s ]
[ -rest_freq GHz ]
[ -obs_freq GHz ]
[ -local_freq GHz ]
[ -if_freq GHz ]
[ -local_multiplier_order number ]
[ -T_sys K | -system_temperature Kelvin ]
[ -T_rx K | -receiver_temperature Kelvin ]
[ -data_rms K ]
[ -calibrator_temperature K ]
[ -data_weight value | rms ]
[ -data_scale_factor value | norm ]
[ -backend name | -be_name name ]
[ -backend_channel_number number | -backend_totel_channel number ] [ -backend_basis_ch number ]
[ -backend_ch_sign 1 | -1 ]
[ -present_data_channel_number number | -data_ch number ]
[ -be_center_ch value ]
[ -be_center_freq MHz ]
[ -be_disp0 MHz ]
[ -be_disp1 MHz/ch ]
[ -be_disp2 MHz/(ch^2) ]
[ -be_disp3 MHz/(ch^3) ]
[ -be_disp4 MHz/(ch^4) ]
[ -be_freq_resolution MHz ]
[ -be_ch_width value ]
[ -be_ch_origin value ]
[ -site_name name ]
[ -atm_temp C | -atmospheric_temperature Centigrade ]
[ -atm_water hPa | -atmospheric_water_pressure hectoPascal ]
[ -atm_press hPa | -atmospheric_pressure hectoPascal ]
[ -optical_depth_at_zenith value | -tau0_at_observation value ]
[ -observation_memo free_memo ]
[ -observation_comment free_comment]
機能
.scn
ファイル中のプロファイルに付随する値を書き換える。修正は履歴に記録される。
フィルタ種別
.scn | headcorr | .scn
オプション
ファイル管理部分
- -file_length byte
- バイト単位での.scnファイルの長さ。最新版の.scnファイルでは、この値は"ls
-l"の結果と一致する
- -header_length byte
- バイト単位でのヘッダの長さ
- -format_id spectrum | cube | ID_number
- ファイルの基本構造。".scn" ファイルは "spectrum" である
- -version number
- ファイルのバージョン番号
- -data_type Ta | frequency_switch | Tmb |Integ_Ta | Integ_Tmb |
RawLong | RawFloat | ID_number
- 物理的な意味でのデータのタイプ
- Ta - アンテナ温度 (K)
- frequency_switch - 周波数スイッチの折り畳まれていない出力。
アンテナ温度 (K)
- Tmb - 主ビーム輝度温度 (K)
- Integ_Ta - 積分アンテナ温度 (K km/s)
- Integ_Tmb - 積分主ビーム輝度温度 (K km/s)
- RawLong - 生の出力 (全パワー)
- RawFloat - 生の出力 (全パワー) の浮動小数表示
- -history_step number
- 履歴のステップ数。"end" ステップはカウントされない
- -history_line number
- 履歴の行数
- -original_scan_number number
- もとのスキャン番号。
この番号は観測プログラムの ASTROS によってつけられる。
- -backup_version version_number
- "save" コマンドを使う際に必要になるバックアップバージョン番号。
作成されたバックアップファイル名にこの番号がつく。
- -composed_scans number
- もとになった .scn ファイルの数。"integ" 処理によってこの数は増える。
- -project name
- プロジェクト名。16 文字以内。
- -scd_name file_name
- ASTROS が使った .scd ファイルの名前。8 文字以内。
- -scd_line_number number
- ASTROS が使った .scd ファイル中の行番号。
- -sw_mode total_power | onoff | frequency_switch | Dicke |
ID_number
- データ取得時のスイッチングモード。
- total_power - 全パワーモード(受信機からの直接出力)
- onoff - on-off スイッチ
- freqency_sw - 周波数スイッチ
- Dicke - Dicke スイッチ
- -observed_mjd MJD
- 観測時刻の修正ユリウス日表記。
- -observed_start_time in_sec_from_1970.0
- プロファイルの観測開始時刻。1970/1/1 0:0:0 UTC
からの秒数で測られる(UNIX/Linux 標準)。
- -observed_stop_time in_sec_from_1970.0
- プロファイルの観測終了時刻。1970/1/1 0:0:0 UTC
からの秒数で測られる(UNIX/Linux 標準)。
- -integration_on_time sec
- on 点の積分時間(秒)
- -integration_off_time sec
- off 点の積分時間(秒)
- -observer name
- 第 1 観測者の名前。8 文字以内。
- -observer1 name
- 第 1 観測者の名前。8 文字以内。
- -observer2 name
- 第 2 観測者の名前。8 文字以内。
- -observer3 name
- 他の観測者の名前。8 文字以内。
- -observer4 name
- 他の観測者あるいはデータ処理者の名前。8 文字以内。
対象天体記述部分
- -object name
- 天体名。15 文字以内。
- -coordinates lb | radec | radec-app | ID_number |
-coord_sys lb | radec | radec-app | ID_number
- 基準座標系。この座標系に対して局所 xy 座標も定義される。
- lb - 銀河座標。l(II) , b(II) と呼ばれる。
- radec - B1950.0 における赤道座標。平均位置。
- radec-app - 観測時における赤道座標。視位置。
- -l angle_value | -on_l angle_value
- on 点の銀経。angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
- -b angle_value | -on_b angle_value
- on 点の銀緯。angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
- -ra angle_value | -on_ra angle_value
- on 点の赤経 (B1950.0)。平均位置。
angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
- -dec angle_value | -on_dec angle_value
- on 点の赤緯 (B1950.0)。平均位置。
angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
- -az angle_value | -on_az angle_value
- on 点の方位角。
angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
- -el angle_value | -on_el angle_value
- on 点の高度。
angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
- -off_l angle_value
- off 点の銀経。angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
- -off_b angle_value
- off 点の銀緯。angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
- -off_ra angle_value
- off 点の赤経 (B1950.0)。平均位置。
angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
- -off_dec angle_value
- off 点の赤緯 (B1950.0)。平均位置。
angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
- -orig_x angle_value
- 局所 XY 座標の原点の経度方向の位置。angle_value
が単なる数値として与えられている場合には、コマンドはこれを "度"
単位であると解釈する。基準座標系はキーワード
"-coordinates"によって与えられる。
- -orig_y angle_value
- 局所 XY 座標の原点の緯度方向の位置。angle_value
が単なる数値として与えられている場合には、コマンドはこれを "度"
単位であると解釈する。基準座標系はキーワード
"-coordinates"によって与えられる。
- -position_angle deg | -grid_pa degree
- 局所 XY 座標の原点における位置角。単位は度。値が 0 のときは、
局所座標の X 軸・Y 軸は基準座標の経度・緯度とそれぞれ平行になる。
値が 90 のときは、局所座標の Y 軸が基準座標の経度と平行になる。
基準座標系はキーワード"-coordinates"によって与えられる。
- -x angle_value | -on_x angle_value
- on 点の局所 XY 座標における X 方向の位置。angle_value が単なる
数値として与えられている場合には、コマンドはこれを "度" 単位であると
解釈する。基準座標系はキーワード"-coordinates"によって与えられる。
- -y angle_value | -on_y angle_value
- on 点の局所 XY 座標における Y 方向の位置。
angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
基準座標系はキーワード"-coordinates"によって与えられる。
アンテナ記述部分
- -telescope name | -telescope_name name
- プロファイルを得るのに使われた望遠鏡の名前。8 文字以内。
- -ap_eff absolute_value
- 望遠鏡の開口能率。％単位ではなく、0.0 と 1.0 の間の値。
- -mb_eff absolute_value
- 望遠鏡の主ビーム能率。％単位ではなく、0.0 と 1.0 の間の値。
- -fss_eff absolute_value
- 望遠鏡の forward scattering and spillover 能率。
％単位ではなく、0.0 と 1.0 の間の値。
- -beamsize angle_value | -hpbw angle_value
- ビームの FWHM。
angle_value が単なる数値として与えられている場合には、
コマンドはこれを "度" 単位であると解釈する。
受信機記述部分
- -receiver name | -rx_name name
- 受信機の名前。7 文字以内。
- -sideband lsb_ssb | lsb_dsb | usb_ssb | usb_dsb |
ID_number | -sb_mode lsb_ssb | lsb_dsb | usb_ssb |
usb_dsb | ID_number
- 観測のサイドバンドモードと信号のサイドバンド。
- lsb_ssb - 信号は LSB、観測モードは SSB。
- lsb_dsb - 信号は LSB、観測モードは DSB。
- usb_ssb - 信号は USB、観測モードは SSB。
- usb_dsb - 信号は USB、観測モードは DSB。
- -v_lsr km/s
- プロファイルの、局所静止基準(LSR)に対する「中心速度」。単位はkm/s。
「中心速度」とは、そのプロファイルに対して標準として参照される速度を指す。
たいていは目標天体のLSR速度に一致するはずである。
プロファイルの実際の中心とは異なることもある。
- -v_off km/s
- off点におけるプロファイルの、局所静止基準(LSR)に対する「中心速度」。単位はkm/s。
データが周波数スイッチで取得されていない限りほとんど意味はない。
「中心速度」とは、そのプロファイルに対して標準として参照される速度を指す。
たいていは目標天体のLSR速度に一致するはずである。
プロファイルの実際の中心とは異なることもある。
- -rest_freq GHz
- 観測する輝線/吸収線の静止周波数。単位は GHz。
- -obs_freq GHz
- 受信機の観測周波数。単位は GHz。
- -local_freq GHz
- LO の周波数。単位は GHz。
- -if_freq GHz
- 一次 IF の周波数。単位は GHz。
- -local_multiplier_order number
- LO の逓倍器の次数。ダブラーなら 2、トリプラーなら 3。
- -T_sys K | -system_temperature Kelvin
- 大気吸収込みシステム雑音温度。単位は K。
- -T_rx K | -receiver_temperature Kelvin
- 受信機雑音温度。単位は K。
- -data_rms K
- プロファイルの rms ノイズレベル。単位は K。
- -calibrator_temperature K
- キャリブレータの輝度温度。
- -data_weight value | rms
- プロファイルの重み。ふつうは rms ノイズレベルから計算される。
数値でなく "rms" という単語を指定すると、コマンドは
ヘッダに書かれている rms レベルから計算された重みを新たに与える。
integなどのコマンドによって使われる。
- -data_scale_factor value | norm
- データをケルビン単位に換算するためのスケーリングファクター。
浮動小数値 "profile.data[ch-1]" にこの値を乗ずることでケルビン単位の電波強度が得られる。
数値のかわりに"norm"という語を与えると、
データの値がスケールされた値にじかに書き換えられ、
data_scale_factorの値は1にリセットされる。
分光器記述部分
- -backend name | -be_name name
- バックエンド分光器の名前。8 文字以内。
- -backend_channel_number number |
-backend_totel_channel number
- バックエンドの全チャンネル数。2048 以下。
- -backend_basis_ch number
- バージョン 3 以降では無意味。"-be_center_ch" と同じ意味だった。
- -backend_ch_sign 1 | -1
- バックエンドチャンネルの極性。正の値のときは、
バックエンドの周波数が高くなるに従って RF 周波数も高くなる。
負の値のときは逆。
- -present_data_channel_number number | -data_ch
number
- データのチャンネル数。もともとはバックエンドのチャンネル数と
同じであるが、smooth などの
処理によって変わる。
- -be_center_ch value
- 使用されたバックエンドの「中心チャンネル」。
「中心チャネル」とは、バックエンドのチャンネル数と周波数との関係を評価するときに
標準として参照されるチャンネルを指す。
"backend_channel_number" の半分であったりすることもある。
- -be_center_freq MHz
- バックエンドの「中心周波数」。単位はMHz。
「中心周波数」とは、分光計のチャンネル数と周波数との関係を評価するときに
標準として参照される周波数を指す。
プロファイルの周波数範囲の真ん中であったりすることもある。
- -be_disp0 MHz
- 分光器の分散関数の 0 次の係数。単位は MHz。
- -be_disp1 MHz/ch
- 分光器の分散関数の 1 次の係数。単位は MHz/channel。
バージョン3以降のデータでは、「チャンネル」は現在のデータチャンネルを指す。
- -be_disp2 MHz/(ch^2)
- 分光器の分散関数の 2 次の係数。単位は MHz/channel^2。
- -be_disp3 MHz/(ch^3)
- 分光器の分散関数の 3 次の係数。単位は MHz/channel^3。
- -be_disp4 MHz/(ch^4)
- 分光器の分散関数の 4 次の係数。単位は MHz/channel^4。
- -be_freq_resolution MHz
- バックエンドの周波数分解能。単位は MHz。
これはオリジナルの値で、現在の実効分解能ではない。
- -be_ch_width value
- オリジナルチャンネルのビニング幅。バージョン3以降のデータでは無意味。
- -be_ch_origin value
- オリジナルチャンネルのビニング始点。バージョン3以降のデータでは無意味。
観測ログ記述部分
- -site_name name
- 観測地の名前。8 文字以内。
- -atm_temp C | -atmospheric_temperature
Centigrade
- 観測時の気温。単位は°Ｃ。
- -atm_water hPa | -atmospheric_water_pressure
hectoPascal
- 観測時の水蒸気分圧。単位は mbar あるいは hPa。
- -atm_press hPa | -atmospheric_pressure
hectoPascal
- 観測時の大気圧。単位は mbar あるいは hPa。
- -optical_depth_at_zenith value |
-tau0_at_observation value
- 観測時における天頂の光学的厚さ。
- -observation_memo free_memo
- メモ。64 文字以内の ASCII 文字列。
- -observation_comment free_comment
- コメント。64 文字以内の ASCII 文字列。
デフォルト
すべてのフラグが off。
参照
headlist,
sdbselect, .scn
バグ
- 修正内容についてのチェックはしない。
間違った修正を施してしまった場合、他のコマンドで正しく読めなくなることがありうる。
- .prmで指定したものを打ち消すオプションを用意するべきであるが、まだ。
履歴
- ver.1.0
- 1993/3/3 T.Handa
- ver.3.21
- 1998/4/16 T.Handa
- ver.3.21a
- 2003/1/29 T.Handa
マニュアルのバージョン
1998/5/16 T.Handa
2003/1/29 T.Handa
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