2003.12.18 
 

6. 図 4: 活動銀河核の構造(概念図)


■活動銀河核の放射機構と変光の遅延現象■

活動銀河核の中心部からは強い紫外線および可視光が放射されていると考えられています。 一方そのまわりをとりまくように宇宙塵が分布しており、 中心部からの放射で暖められた宇宙塵からは赤外線が放射されていると考えられています。 中心部にあまり近いところでは強力な紫外線により蒸発してしまうため 宇宙塵は存在できないと考えられます。 活動銀河核の中心部が変光した影響は、 光が宇宙塵の分布にまで到達するまでの時間だけ遅れて、 宇宙塵からの放射が変光する原因になります。 このため可視光変光から赤外線変光までの遅延時間に 光速をかけることで中心部から宇宙塵の分布までの距離を推定することができます。

■擬似カラー画像について■

NGC4151 について中心付近を拡大した画像 (視野 20×20秒、我々の観測による)です。 点状に明るく見えているのが活動銀河核です。 可視光および赤外線ともに 3 つの波長帯で観測しそれを合成して擬似カラー画像にしています。
 可視光: 波長 0.35μm帯(U バンド)、0.44μm帯(B バンド)、0.55μm帯 (V バンド)
 赤外線: 波長 1.25μm帯(J バンド)、1.65μm帯(H バンド)、2.2μm帯 (K バンド)

 


 


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2* マグナム計画
2* 図 1: NGC4151 活動銀河核の光度曲線
3* 図 2: 活動銀河核の可視光絶対光度と可視光変光から近赤外線変光の遅延時間との関係
4* 図 3: NGC4151 銀河全体の画像
5* 図 4: 活動銀河核の構造(概念図)