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4.
図 2:活動銀河核の可視光絶対光度と可視光変光から近赤外線変光の遅延時間との関係
■説明■
我々の今回の研究とこれまでの同様の研究をまとめ、
活動銀河核の本来的な明るさと可視光変光から赤外線変光の遅延時間との関係を図示します。
図の横軸は活動銀河核の可視光での本来的な明るさ(絶対等級、左ほど明るい)、
図の縦軸は可視光変光から赤外線変光の遅延時間の測定値です。
図中赤で示しているのが今回の我々の結果で遅延時間の測定誤差が
これまでの研究に比べて最も小さいことがわかります
(なお図中横軸方向の誤差棒は観測期間中の活動銀河核の変光範囲を示します)。
この図から明るい活動銀河核ほど可視光の変光から近赤外線の変光の遅延時間が大きいことがわかります。
これは宇宙塵の蒸発温度がほぼ一定であり、
より明るい活動銀河核ほど中心部からの強力な紫外線にさらされて
より外側まで宇宙塵が蒸発してしまうためであると考えられます。
このとき中心部から宇宙塵の分布までの距離は
活動銀河核の紫外線および可視光での本来的な明るさの平方根に比例すると期待されます。
そこでそのような関係に沿って観測データを解釈したのが図中の青い斜線です。
明るい活動銀河核ほど遅延時間が大きくなる関係をよく説明できることがわかります。
引用した過去の研究
Clavel, Wamstecker & Glass 1989, ApJ, 337, 236
Sitko et al. 1993, ApJ, 409, 139
Glass 1992, MNRAS, 256, 23P
Nelson 1996, ApJ, 465, L87
Oknyanskij et al. 1999, Astronomy Letters, 25, 483
担当者:峰崎 岳夫(東京大学 助手)
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