GALACTICNUCLEUS: A High-Angular-Resolution JHKs Imaging Survey of the Galactic Centre II. First Data Release


Nogueras-Lara, Schodel, Gallego, Dong, Shahzamanian, Girard, Nishiyama, Najarro, Neumayer
2019 AA 631, 20 - 35




 アブストラクト 

 GC の NIR サーベイ= 2MASS, UKIDSS, VVV, SIRIUS の角分解能は GC の 込み具合を扱うのに必要なレベルに達していない。ここで 0.2" 分解能の JHK サーベイ GALACTICNUCLEUS を報告する。  GC 0.3 deg2 の JHKs 測光を行い、 3.3 106 個中、 J で 20 %, H で 65 %, Ks で 90 % を検出した。5σ で J = 22, H = 21, Ks = 21 mag である。J = 21, H = 19, Ks = 18 で精度は 0.05 mag である。


 1.イントロダクション 

 NB  

 GC は地球から 8 kpc の距離にある。その 中心の SgrA*=BN はその十倍くらいの質量を持つ NSC = Nuclear Stellar Cluster に囲まれている。その恒星の大部分は 5 Gyr より古い。 NSC と SgrA* は NB = nuclear bulge に含まれ、その中心部を成す。 NB は銀河系バルジからはっきり分離した星系で、 平坦に見え、おそらく円盤形状の NSD = nuclear stellar disc を形成する。 その半径 230 pc(100' for 8 kpc), スケール高 45 pc (20' for 8kpc) Launhardt et al. (2002) )とされる。
 サーベイの特徴 

 これまでの大規模サーベイ 2MASS, UKIDSS, VVV, SIRIUS/IRSF は最高でも 0.6" の分解能であった。それと素子サチュレイションのため K = 9-14 mag の データに限られていた。ここでは 0.2" 角分解能と、10 mag のダイナミック レンジで、J,H,Ks 測光サーベイを行う。





図1.IRAS/Spitzer 3.6 μm 像。白枠=GALATICNUCLRU 領域。




図2.IRAS/Spitzer 3.6 μm 像。白枠=GALATICNUCLRU フィールド。 ラベル "D" = NSD. "B" = 内側バルジ。"T" = バルジと GC の遷移帯。中心領域は 数字だけである。

 3.データ整約 


図3. データ整約  

表1.各カタログに含まれるフィールド  





図4.J バンドの不定性。

 4.カタログ 


図5.左:quadratic propagation of errors 右;重なり領域の等級差  

図6.GALATICNUCLRU と SIRIUS の等級差。  



図7.左:Central catalog と NSD West catalog で共通な星の等級差。

図9.GALATICNUCLRU と SIRIUS の測光比較





表2.各カタログに含まれるフィールド




図8.赤=Ks, 緑=H, 青=J の3色合成。


図10.最終版と予備版カタログの等級比較  

図11.GALATICNUCLRU と VVV の測光比較  





図12.光度関数。赤=SIRIUS. 緑=VVV. 青=CALACTICNUCLUES




図13.左=CALACTICNUCLUES。右=NICMOS/HST F190. 白星= SgrA*.

 7.CMD 

 図14= 代表 3 領域の CMDs 

 GALACTICNUCLEUS サーベイは、NB = 半径 230 pc (100'), 内側バルジ、 それらの中間にある遷移帯の3領域を探る。そこにある色々な星種族と、 起伏の激しい星間減光の結果、観測 CMD は場所により大きく変化する。 図14 は GC セントラル、遷移帯イースト、内側バルジサウスでの CMD を示す。

 CMD の主な特徴 

 中央列に CMD に見える星のタイプを示した:(J-H)≤2 の前景種族は 3本の渦状腕である。(J-H)=2-3,H=15 の集団は AGB bump, J-H=2-3, H=16 の目立つ構造はレッドクランプと RGBB = RGB bump である。 Nogueras-Lara et al. (2018).
 第2ピークは向こう側の星ではない 

 以前の研究で Gonzalez et al. (2011) , Gonzalez et al. (2018) もまた第2ピークを見出し、それを向こう側の渦状腕であるとした。 しかし、低銀緯領域では恒星密度と混み合いが極端なので、GC を超えた 向こう側のどんな星も見えることはありそうにない。 その上、 Nogueras-Lara et al. (2018b). は第2ピークが RGBB の特徴と一致することを示した。RC と RGBB との関係 はメタル量に依存するので非常に重要である。 最後に Ks > 17 mag の星は ascending giant branch の星である。



図14.CALACTICNUCLUES CMDs. 左:GC領域。中:遷移帯East。右:内側バルジ。 中央図下の番号は渦状腕。

 8.結論 

 測光精度 

 "GALACTICNUCLEUS" サーベイの公開データを例示した。このサーベイは、 高分解能 0.2" の JHK の GC 撮像サーベイである。サーベイ領域は 0.3 deg 2/sup> = 6000 pc2/sup> である。この領域内の 300 万個の星の 正確な等級を測った。測光精度は J 21, H 19, K 18 で 0.05 mag である。

 位置精度 

 相対位置精度は 0.05" である。一枚のチップ内での相対位置精度はさらに よく、 1 milli^arcsec に達する。
 CMD 

 GC 領域の様々な場所での、今までに最高の CMD を示す。CMD は微分減光 の効果で、場所によって様々な相貌を示す。我々は前景星、 AGBBs, post-MSs, RGBBs を同定した。