IRAS と COBE/DIRBE データを用い、銀河系中心 500 p の 2.2 - 240 μm
の大規模恒星および星間物質分布を調べた。Ro = 8.5 kpc. 銀河系円盤とバルジ
のモデルを発展
させて、適切な減光補正で表面輝度分布を成分に分解した。中心核バルジ(NB) は
他からはっきりと区別される、大質量で円盤状の恒星と分子雲の系で、GC に対称
である。形が平たい円盤状であり、恒星と分子ガスが非常に高密度で、星
形成が進行中であることで、NB は銀河系バルジとはっきり区別される。NB は
R-2 NSC (Nuclear Stellar Cluster)=半径 230 pc, スケール高
45 pc, と、同じ大きさの Nuclear Molecular Disk から成る。 NB は M = 1.4 109 Mo, L = 2.5 109 Lo である。L の 75 % は若い大質量 MS 星からの紫外、可視光である。 |
今回初めて、中心 500 pc の測光的質量分布を導いたが、それは運動学的な
質量分布と完全に一致した。よく用いられる R-2 型密度分布は
中心 30 pc でしか妥当でなく、それより外では中心核恒星円盤の平坦な質量
分布が支配的であることが分かった。 NB 内の水素ガス質量は MH = 2 107 Mo で、 R = 110 pc の暖かい内側円盤と、外側にあり冷たく質量の 80 % を占める円環 から成る。NB 内の星間物質は非常にムラムラであり、質量の 90 % は濃い大 質量分子雲に含まれる。その体積率は数 % である。おそらく NB の重力ポテ ンシャルによる潮汐限界がその原因であろう。そのため、強い星間輻射が NB 全体に浸透し、また比較的低い平均減光を GC に与えている。さらに、第1象限 では NB 外側に 3 107 Mo, 第4象限では 1 107 Mo の冷たい分子ガスを見出した。この外側ガスは NB 星からの加熱を受けず、 中心分子帯 (Central Molecular Zone) に観測される非対称性の原因となっている。 |
ガスの分布 R ≤ 3 kpc の質量は銀河系バルジに占められている。その重力ポテンシャル により、バーの外側リンドブラッド共鳴 ROLR = 4 kpc から 星間ガスが効率的に内側に運ばれるので、共回転半径 RCR = 3.5 kpc の付近の星間ガスガスが減少する。 (ここの話は分からない。) R ≤ 2 kpc ではガスは細長い X1 軌道に落ち着く。このガスは R ≤ 1.5 kpc で中性水素の傾いた円盤 MH = 4 107 Mo として 観測され、HI 中心円盤、または中心核円盤 (Burton, Listz 1978) と呼ばれる。 内側リンドブラッド共鳴の内側では、 X1 軌道は自己交差するようになり、衝 撃波と角運動量喪失により HI は H2 となって更に内側に落ちていく。 最終的にはより円形の X2 軌道に落ち着く。孤立した異常に高密度の分子雲複合 が中心数百パーセクに存在し、中心分子帯(CMZ) と呼ばれる。ここでのガスの 分布は非対称で大部分が第1象限側に存在する。CMZ は lv-面上で 180-pc 分子 リングとして見える。これはバーポテンシャルの安定な内側 X1 軌道とより円形 な X2 軌道の衝突によるショック領域と解釈される。しかし、膨張リングという 解釈もある。 星の分布 当初、GC 付近の星はバルジの最内側にある古い星の集団と考えられていた。 しかし、若い高温度星、星形成の進行、異常に高い表面輝度から、この領域は 古い星のバルジとは区別される星系でおそらく CMZ と関係すると考えられる ようになった。そこで、 Mezger et al 1996 は R < 300 pc の最深部を 中心核バルジ (NB) と呼んだ。 論文 I, II 論文 I, II では R < 30 pc の星種族を扱った。高分解 K-バンドサーベイ に基づき、我々は中心 30 pc の K-バンド光度関数を導き、それを現在の 輻射等級関数と質量関数に変換した。 M ≤ 1 Mo の主系列星が力学質量の 90 % を占めるが、 K-バンドフラックスへの寄与は 6 % である。M > 1 Mo の主系列星は力学質量の 6 % で、 K-フラックスへの寄与もそのくらいである が、輻射光度では 80 % を占める。ただし、K-バンドではその大部分が主系列 から進化した巨星、超巨星、 WR 星から来る。中心 1.25 pc で低質量星の欠損 が発見され、過去 107-108 年の激しい星形成活動を 示唆する証拠を見出した。 |
![]() 表1.略語一覧 |
2.1.IRAS データISSA = IRAS ALL Sky Atlas マップ(Zodiacal Light 除去)を用いる。 その角分解能は 2' であるが、 IPAC は 5' サイズにオプティマイズした。 100 μm マップは中心部で強く飽和しており、60 μm でも SgrA 方向で部分的に飽和している。IRAS の 4 バンドで、1.5' ピクセルの 15°x10°, 5' ピクセルの 40°x40° マップを作った。 |
2.2.COBE データDIRBE = Diffuse Infrared Background Experiment は 1.25, 2.2, 3.5, 4.9, 25, 60, 100, 140, 240 μm で全天を掃いた。マップの分解能は 42' で、 ピクセルサイズは 21' である。2.3.補助 データIRAM 30-m によるミリ波連続光 11' 分解能観測データは論文 IV で扱う。 MPIfR アーカイブからは 3, 6, 11, 21 cm マップが得られる。それらは 既に出版され(表2)、11, 21 cm マップは点源と背景に分解されている。 3, 6 cm マップから背景を引いて、点源の寄与を導ける。 |
![]() 図2.l=0° での b 方向の DIRBE/COBE 表面輝度断面。左:観測値。 太い灰色線=観測。実線=NB. 破線=GB(Galactic Bulge)またはZL. 点線=円盤。 右:赤化補正後の NB と GB の表面輝度。 図1と表3 図1と表3には輻射と減光に関与する天体を示した。図2は NB のマップ が、特に NIR では、いかに成分分解、減光補正、銀河系要素のモデル化で 影響されるかを示す。 NIR での寄与天体 NIR での寄与天体は GD, GB の星である。GD の減光は主に R = 4 - 5 kpc にある分子リングで生じる。GB と GD の向こう側天体は GC 領域にあるダスト の減光も受ける。これら、比較的一様な減光のほかに、コンパクト分子雲が 高減光の暗い穴を生じる。これらの孤立高減光域はモデルフィットの前にマスク されないといけない。 MIR MIR 放射は UV-励起された非常に小さいダスト粒子と PAH ダストに 多分星周シェルの高温ダストが寄与している。GD と NB にあるダストの質量で 99 % 以上は T = 15 - 30 K で、星間物質の質量トレーサーには FIR かサブ ミリが適当である。 |
![]() 図3.COBE データ整約のフローチャート λ = [3mm, 6cm] λ = [3mm, 6cm] では早期型星に電離されたガスからの f-f 放射 が支配的である。λ > 6 cm になると相対論的電子によるシンクロ トロン輻射が最強成分に変わる。 表面輝度 表面輝度は次の式で与えられる。 ![]() |
3.5.1.銀河円盤の減光前景減光を決める二つの方法GD 内ダストによる前景減光の決定法には次の二つがある。 (1)GB 星の赤化 (2)GD ダストの FIR 放射 方法1 GB の固有色温度= I1/I2 はバルジ全体で一様で、 高銀緯での観測値が使えると仮定する。すると前景減光マップは観測輝度比 I1'/I2' から次の式で得られる。 ![]() I1/I2 は、|b| > 3.5°, λ 2.2, 3.5, 4.8 DIRBE バンドで円盤寄与を差し引いた後で得られる。差し引きは後ろで述 べる。それらは GB の平均カラー温度 4000 K を与え、前景 Av = 14 mag であった。 方法2 このためにはダストの3次元分布モデルが必要で、それは App B に述べた。 ベスト解は Av = 15 mag を与える。実際に使用した減光マップは方法2の マップを l = 0 での平均値にスケールを合わせたものである。 |
![]() 図4.GD ダストによる GB と NB の前景減光。 点線=方法2による減光。破線=方法1による減光。実線=平均。 灰色点= Catchpole et al 1990 による GC 方向の星の CMD から導いた減光。 このプロファイルは GC 星を使っていて NB 内のダストによる減光も含む。 |
3.5.2.銀河中心領域内ダストの減光二つの Av図4の Catchpole et al 1991 の結果を見ると、 NB でダスト分布が一様か つ軸対称と仮定すると、NB 全体で Av = 30 mag と考えられる。一方それに対 し、5.6.節で述べるが、FIR から求めた減光は Av = 200 mag に達し、大 きな差が存在する。 超高密度分子雲 この差を説明できる仮説の一つは、 CMZ の中での ISM が極端にムラムラで、 質量の大部分が小さくて超黒い雲に集中していて、約 10 % の放射を完全に 遮っているというものである。 |
向こう側天体の減光 従って、 GB と GD の向こう側部分の減光は、 Av = 20 mag + NH = 2 1022 cm-2 等密度線内側では 10 % 遮断ファクター と考える。NB の内側でも外側でもムラムラが同じ程度という仮定はおそらく 間違いであるが、完全に一様な分布よりはマシであろう。 NB の固有減光 星の NB の大きさと形を正確に求めるには NB 自体からの NIR 放射を正しく 減光補正しなくてはならない。5.5.節では CMZ での水素コラム密度マップ を NB の外側と内側に分ける。 NB の固有減光マップがそれから導かれる。 星とダストが NB 内部では一様に混ざっていると仮定して、 表面輝度 Iν' = 0.9[1-exp(-τNB)]Iν */τNB |
銀河円盤 GD の「観測」表面輝度分布は |l| = [3.8, 20] で求まる。 つまり、円盤分子リング(DMR) 内側接点を含み、しかし NB より外側が含まれ る。平均円盤放射は NIR と FIR マップを比較し、強い FIR 放射や異常に強い NIR 吸収=分子雲の領域を避けて平均円盤プロファイルを作った。 NIR (DIRBE バンド 1 - 4)では |l| ≤ 20 では GD と GB が重なるので、 GD だけを独立に決定することは無理である。 |
従って、最初に先の方法で |l| > 20 の円盤をモデル化して、総放射から
差し引きする。その残りをモデル化し、逐次的に GB と内側 GB を差し引きする。
(ほぼ完全に意味不明) GD 放射が最終的に総放射マップから差し引かれる前に、マップは GC の向こう 側とこちら側とに分解されていた。そして、3.5.節に述べたように GC 領 域の減光を補正しておいた。 |
GB NB の NIR 輝度分布を得るためには GB からの寄与を差し引く必要がある。 GB の中心部プロファイルが外側部から外挿(内挿?)で決められると仮定す る。GB の表面輝度分布は指数関数型に近い形でかつ対称的でない。そこで、 適切な減光補正と内挿が重要である。前景減光が適切に処理されると、しばしば 言われてきたピーナツ形状は消え、図5(a) のようなボックス型の非対称楕円 形状が残った。GB が3軸不等な楕円体である証拠が多いので、その表面輝度 分布を単純な対称関数で表現するのはまずい。Althanassoula et al 1990, Freudenreich et al. 1998 に倣い、バーを表現するのに、有効半径 Rs で表 される一般化した楕円を選ぶ。 ρ ∝ exp(-Rs) ![]() ここに、C⊥ と C∥ は上からと横から見た ときの形状パラメターである。 (Rs の求め方が書いていないんですけど。 ) また、 φx = x-軸と太陽-GC線のなす角度。 θx = 銀河面から突き出し角。 太陽は銀河中心面から 16 pc 上方にある。 |
![]() 図5.GB と NB の 2.2 μm 輝度分布。S/N を上げるため、2.2, 3.5, 4.9 μm マップを重みを付けて加算した。GD (円盤)成分は差し引かれ、前景ダ ストによる減光の効果が補正された。(a)等高線マップ。濃い灰色線=赤化補正 したマップ。薄い灰色線=モデル。(b) l = 0 での GB の銀緯断面図。点=観測。 破線=モデル。 |
表4= GB パラメター GD 差し引き後の COBE/NIR の GB マップでは、GD 内ダストによる減光が補正 (3.5 節を見よ)される。その際、CMZ と 個々の不透明 GMCs はマスクされる。 表4に GB モデルパラメターを示す。GB のSED は 4.2. 節で扱う。 CMZ 吸収の補正 GB のモデル表面輝度マップ IGB は、次に GC 領域の減光= CMZ を補正される。 I'GB = IGB [1+exp(-τCMZ)]/2 つまり、IGB の半分は CMZ 前面で CMZ 吸収なし、半分は CMZ 吸収あり、 ということ。CMZ 吸収は場所による変化を含んでいるのか、それとも定数?定数だと IGB にただ定数を掛けるだけになるけど。 この I'GB が COBE マップから引かれる。 |
![]() 表4.GB モデルのパラメター。式 (4), (5) 参照。 |
4.1.GC 領域方向の減光減光は半々図4には、太陽と GB, NB こちら側との間での l = 0° 減光の銀緯による 変化が示されている。 3.5.節参照。近似すると、 Av(b) = 11 sech2(b/0.78) + 3.5 sech2(b/3.3) である。銀河面中心線での GB と NB 前面までの減光は Av = 14.5 である。 良く知られている Av(GC) = 30 mag と比べると、我々の結果は GC までの減光の 半分は GD で生じ、半分が GC 領域で生じることを意味する。 図4には Catchpole et al 1990 による GC 周辺 CMD から導いた減光変化を 示す。これは GC 周りの星に対する減光を示す。 4.2.GB表4 = GB パラメター表4 に GB モデルのパラメターを示す。図5にはその結果を図示した。我 々のモデルはパラメター空間全てを当たったわけでないので、これがユニーク とは主張しない。 図6=GB の SED。 図6には GB の SED を示す。黒四角はモデル輝度を l = [-20, 20], b = [-10, 10] で積分したものである。BB フィットはバルジ星の有効温度 4400 K を与える。一方、BW での観測フラックスへの BB フィットは Te = 3850 K を与える。これは上の値とまあまあの一致である。 GB の光度。 モデルが与える全光度は 1 1010 Lo である。 |
![]() 図6.GB の SED. 黒四角=モデルフィットの積分フラックス。曲線(a) = BB(Teff = 4400 K) フィット. 黒丸=円盤を差し引き、減光補正なしの COBE による BW 表面輝度。曲線(b)=黒丸への BB(Teff=3850K)フィット。 |
![]() 図7.COBE 9バンドで見た NB. 黄道光(ZL), 円盤(GD), バルジ(GB) および (l, b) = (-1.4, 0) の点光源放射(銀経プロファイルの点線)は差し引いて ある。データは前景円盤減光は補正してあるが、 NB 内部の減光はそのまま である。図左下の小さい四角は COBE ビーム HPBW を示す。 |
![]() 図8.NB からのダスト熱放射の IRAS マップ。角分解能 2'. ZL と GD 成分 は差し引かれている。データは GD 前景減光の補正済み。 ![]() 図9.NB からの電波連続波。出所は様々、表2を参照。 |
図7、8、9 = NB の画像 図7と図8には NB の赤外像を示す。NB 内部の減光は補正されておらず、 FIR マップには NB に加えてその外側の CMZ ダストからの放射も含まれている ことに注意せよ。比較のために、電波連続光のマップを図9に示す。 波長ごとの特徴 NIR では赤色巨星、超巨星からの放射が支配的である。MIR, FIR, submm では ダスト熱放射と共に、電波での f-f とシンクロトロン放射が加わる。表5に NB のパラメターを示す。 NIR 画像 COBE NIR 像は比較的コンパクトで銀系方向に 2° - 3° の長さである。 図7上の3図を見よ。減光の影響が少ない 4.9 μm 像には NB の形が最も 良く現れている。2.2 μm では低レベルの広がった成分が見えるが、減光処理の 不定性のためかも知れない。l = -1.4 に青くて明るい IRAS17393-3004 が見える。 この天体は Philipp et al 1999b により M4 型超巨星で、太陽から D ≤ 4.7 kpc に距離にある前景星とされた。NIR 表面輝度のピークは l = +0.2 にある が DIRBE のビーム巾 0.7 を考慮するとはっきりとは言えない。 1.25 μm の画像は減光が大きく不定性内では NB は見えない。 |
MIR 画像 COBE MIR 画像は NIR, FIR ほど銀系方向に広がらない。これは熱いダスト が NB でも内側部に限られることを示唆する。12 μm には広がった弱いハロ ーが見える。UV 励起された PAH 輻射が通常のダストより広がっているのかも 知れない。このハローはより高角分解能の IRAS でも見える。図8を見よ。 IRAS 12, 24 μm 画像は、MIR 放射の大部分が Sgr A 電波複合、Radio Arc, Radio Bridge に集中することを示す。 FIR 画像 COBE FIR 画像は NIR 画像と似て、l で長く伸びる。第4象限では l = -1.7 で止まるが、第1象限では長波長ほど伸び、 240 μm では l = 4 に達する。 これは第1象限側では冷たいダストが星のNIR より遠くまで伸びて存在することを 意味する。同じことが IRAS 100 μm 画像にも見える。 電波 電波マップは主に個々の電波源で決まるが、その全体の形は MIR と似ている。 これは電離ガスからの f-f 放射と 熱いダストからの MIR 放射が似た分布を していることを示す。11, 21 cm は非熱的シンクロトロンが占める。 |
4.3.2.NB の SEDNB 成分だけを残した図7−9の各点での輝度から SED を求めた。NB 全体 は l = [-2.5, 3.8], b=[-1.3, 1.1] を含む多角形を積分した。この領域は NB の外側に接する CMZ のダストを少し含む。中心 120 pc は COBE ピクセル 0.7° 四方の大きさで、同じ面積の円形アパーチャに直すと 半径 0.395 ° であり、それは Requiv = 60 pc である。4.3.3.CMZ の H コラム密度H コラム密度 NH は 240 μm ダスト放射から得られる。![]() |
![]() 図10.上=中心 120 pc と下= NB 全体の COBE+IRAS+radio SED. 前景減光 だけ補正。点線=ダストと星とf-f+シンクロトロンの成分。フィットパラメター は表6に示す。この SED には高温大質量星の成分が入っていない。 |
中心 30 pc に K-明るい巨星が多い GB と NB の中間質量および低質量 MS 星種族は似ている。しかし中心 30 pc には K-バンドで明るい巨星が多い。これらは 107-108 yrs 以前の活発な星形成活動の名残りと考えられている。NB に固有な特徴は 多数の若い大質量 MS 星と超巨星で、やはり中心付近に集中している。それらは 質量では 6 % だが光度の 80 % を占めている。 |
低質量が質量、巨星が NIR 光度 質量の 90 % 以上は低質量 MS 星が担っているがそれらは光度の 6 % にしか 寄与しない。進化した星は NIR 光度の 88 % を支配する。したがって、NIR か ら総質量を導くには低質量星と進化した星との比率に関する仮定が必要である。 |
![]() 図11.(a) NB の 4.9 μm マップ。太い灰色線=前面ダストと NB 内部ダ ストの減光を補正した。細線=ベストフィットモデル(b) を COBE ビームで コンボルブした図。(b) (a) に使用したモデル。 恒星 NB の大きさと形は 4.9 μm 画像が最適である。図11a は COBE 4.9 μm による NB の最終画像である。NB 前面と NB 内部の減光を補正して ある。3.5.2.節参照。対応する l, b 断面図が図12e, f にある。中心が少し ずれてはいるが、NIR 放射の全体像は SgrA* に関し対称的である。 中心数パーセクは R-2 密度プロファイルの中心核恒星円盤 が支配的である。しかしその形は R > 30 pc の輝度分布は説明できない。 それは楕円形で単一べき乗則では合わない。それには中心 に中心核星団(Nuclear Stellar Cluster = NCS)を持つ指数円盤(Nuclear stellar Disc = NCD) が合う。 Nuclear Stellar Cluster = NSC K 輝度分布は下の形が良く合う。 ![]() n = 2, Ro = 0.22 pc がよい。 ( 表面輝度と体積放射率が混同されて いて、意味不明なので以下を読まない。) |
![]() 図12.Δ = SgrA* を原点とした経度、緯度。(a), (b) = NB の体積放 射率のモデル。(c) = 表面輝度のモデル。(d) = 表面輝度の観測 ![]() 図13.NB における大質量星。(a) 暖かい(50-100K)ダストの分布=IRAS 60 μm マップ。 (b) 熱い(200-500K) ダストの分布=IRAS 12 μm マップ。(c) f-f 放射分布。 6pパークス。等高線=Stellar Nuclear disk モデルの NIR 表面輝度。 |
![]() 図14.半径 Rgc 内に含まれる質量。細い実線=モデルから決めた中心核星団 (NSC) と中心核円盤(NSD)の質量. 点線=バルジ(GB) の測光質量。破線= BH 質量。太い灰色実線=上記全ての和。 |
![]() 図15.(a) CMZ における H コラム密度の銀経変化。b=0. (b) CMZ 内の Td 変化。 (c) 実線=ダストコラム密度。灰色点線=赤化補正した 4.9μm 輝度。 第1象限の点線=NB でのダスト光度。(d) 水素質量当たりダスト放射度。(Ld/MH) (e) IRAS 60, 100 μm 輝度。 |
![]() 図16.(a) 12CO(1-0) 分布。(b) COBE 240 μm ダスト放射 マップから導いた NH マップ。GD 寄与は差し引いた。(c) NB の外側 ISM のコラム密度。(d) NB 内 ISM のコラム密度。(e) NB モデルの NH マップ。(f) NH 断面図。 |
![]() 図17.(a) NB における H 密度の銀経変化。b=0. 中心部の密度低下は はっきり決められてはいないことに注意。(b) Td 変化。 (c) IRAS 60, 100 μm 輝度。暖かいダストを表す。 |
![]() 図18.NB の 2.2 μm, 4.9 μm 放射プロファイル。減光補正は二つの モデルで行った。破線と白丸= ";1°" 分子雲複合が前面にあると仮定。 実線と黒丸=NB の背面にあるモデル。 |
![]() 図19.(a) 完全に赤化補正された NB の 4.9 μm 表面輝度マップ。 (b) IRAS 60 μm による暖かいダストの放射。(c) NB 水素コラム密度モデル。 主に冷たいダストの分布を表す。破線= NB の外にある ISM のコラム密度= 大きな COBE ビームで見える。(d) GC 領域のマンガ。点線=バルジの星の NIR 輻射。実線=CMZ 内にある冷たい ISM. 灰色=NB。 |
![]() 図A1.星間減光曲線 |
![]() 図B1.円盤の特性。(a) GD の HI と H2 密度プロファイルの FWHM 半径 R による変化。 (b) R = 一定リング上で平均した密度( H cm-3 )プロファイル。 トゲトゲは渦状腕を表現。(c) Td 変化。(d) 重元素量勾配。 |