IRAS, TMSS, 可視、電波の地上観測を合わせて、 Dec = [-33, 81]、D = [1, 2.5] kpc の 126 C_AGBs を同定した。距離は L = 104 Lo を仮定して求めた。それらに以前同定した太陽 1 kpc 以内にある非常に濃い ダスト層を持つ 29 星を加えた。これらのダスティ炭素星の銀河円盤表面密度 は 10 stars kpc-2 である。 | 非常に濃いダスト層を持つ炭素星の銀河動径方向分布には勾配がないことが 判った。これは一般的な恒星種族が銀河系中心方向に集中する傾向と逆である。 それらの典型的質量放出率は 10-5 Mo/yr である。太陽近傍で炭素 星からの物質還流率は AGB 星全体からの約半分である。外側銀河系では AGB 星からの還流量が支配的であるが、内側銀河系ではそれほど重要でない。 |
高質量放出星が効く Knapp,Morris 1985, Jura, Kleinmann (1989) は AGBs 還流の大部分は少数の大質量放出星 (> 10-6 Mo/yr) が担い、多数の低質量放出星ではないと主張した。 Jura, Kleinmann (1989) は太陽から 1 kpc 以内の還流の約半分は C-リッチ星、残り半分が O-リッチ 星起源であると主張した。 総輻射フラックス限界サンプル Claussen, Kleinmann, Joyce, Jura (1987), Jura 1988 は TMSS C-, S-星の質量放出を IRAS データを組み合わせて調べた。 しかし、 K-バンドサーベイに基づくサンプルは非常に厚いダスト星を逃す。 そこで、 Jura, Kleinmann (1989) では輻射フラックス限界 AGBs サンプルを作った。L = 104 Lo を 仮定して、このサンプルは D < 1 kpc、TMASS サーベイ範囲で完全である。 フラックス限界を下げて、この論文ではその範囲を 2.5 kpc まで拡大する。 |
炭素星に限界 暗くなると得られる情報量が減るので、今回ははっきり区別しやすい炭素星に 限定する。距離範囲を拡大することの利点は大規模分布勾配 Habing (1988), Djorgovski, Sosin 1989 を調べ、銀河系の構造を研究できるからである。 分光データの利用 Thronson, Latter, Black, Bally (1987) は IRAS データを用いて炭素星の銀河系内分布を調べた。しかし、彼らは炭素星 を選ぶのに IRAS 測光のみを用いたので多くの "interpolers" の混入 Zuckerman 1987, Thronson et al 1988, Kleinmann 1989 を招いた。 今回我々は可能な限り、地上、RAS 分光データを用い炭素星の同定を行った。 |
選択基準は (a) Dec = [-33, 81] : TMSS 範囲 (b) Fν(2.2μm) < Fν(12μm) : 減光が大。 問題は TMSS が Fν(2.2μm) < 39 Jy の星を載せていない ことである。そこで、TMSS で載っていなくても 40 Jy < Fν (12μm) ならカタログに含めることにした。 他種天体との差別化 HIIRs, PNe, ダスト雲、PMSs、銀河、非炭素星を含めないようにする必要が ある。その為次の制限を加える。 (c) Fν(60μm) < Fν(12μm) または (d) Fν(60μm) < Fν(25μm) Jura, Kleinmann (1989) が述べているように、この制限だと非常に赤い AGB 星が弾かれる。 Likkel 1989 は低温の IRAS 天体をサーベイしたが、彼女の表1にあるサンプ ル星の内、上の制限のどちらも満たさないが、太陽の 2.5 kpc 以内にある星は IRAS 07399-1435 の一つだけであった。 LRS : O-リッチか C-リッチか Jura, Kleinmann (1989) の太陽近傍質量放出 AGB 星リスト中で、29 炭素星中 24 星は LRS アリで、 21/24 は LRS = 4n と分類された。残りの3つは, CIT 6 LRS 04 RAFGL 3068 LRS 02 Red Rectangle LRS 80 表1では 75 % の星が Bidelman 1980, Little-Marenin et al 1987 により C-リッチとされた。しかし、LRS 分類にはエラーが存在する。例えば、 RAFGL 865 は C-リッチであるが LRS = 22 になっている。他に、 IRAS 17482-2824, 18551+0323, 18585+0900, 20491+4236 は LRS では C-リッチとなるが、OH メーザーが検出されている。幾つかの星は可視スペクトルは炭素星であるが、 星周層は O-リッチとして知られる。 |
S-星 幾つかの S-星は C- 星と似た LRS を示し、その結果 表1に載ってしまう。 Jura, Kleinmann (1989) は太陽近傍での炭素星数は S-型星の 10 倍と見積もっているので、誤って C-星 に組み入れられた S-星による影響は許容できる。 表1には (a) - (d) 基準を満たすが、以前の Jura, Kleinmann (1989) や Jura, Kleinmann (1989) の近傍 AGBs, RSGs リストには載っていず、かつ分光から C-リッチと見做せる IRAS 天体を全て載せている。 |
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