1.2 Mo ミラ型星の色々な変光位相に整合するモデル大気中で非灰色の温度依存 オパシティを持つダストの形成を調べた。それらの測光、干渉計観測での特性を 予想した。初期形成シリケイト内の鉄成分と供給可能なグレイン核の量が決定パ ラメターとなる。 | もっともらしい仮定の下で、ダストは連続平均大気半径の 2 - 3 倍の大きさで 形成される。この研究で波長1μm 以下では、ダストなし大気の基本振動モード モデルの半径よりミラ型星の半径が大きく見えることが説明された。 |
O-リッチミラでのダスト形成 O-リッチミラでのダスト形成の理解は C-リッチミラ Hofner et al. (2003) Gautschy-Loidl et al. (2004) に比べ十分でない。その理由の第1は、ダスト形成過程が複雑だからである。 TiO2 のような形成核(Jeong03) の周りにコランダム、シリケイト、 金属鉄などが付着してグレインは成長するであろう。 ダストシェル内側半径 干渉計観測によるとダストシェル内側半径は連続光で測られる星大気半径の 2 - 4 倍程度である。この半径は十分に分子スペクトルが形成される半径の内 側である。 |
モデル大気でのダスト形成 M-型ミラのモデル大気は、ダストフリー Hofner et al. (2003) であったり、灰色かつ組成固定のオパシティ Winters et al. (2000) を使用したりしている。Bedding et al 2001 は Hofner et al 1998 モデルを 使いダスト形成を研究し、コランダムとシリケイトのグレインが最もありそうな ダスト種であるとした。 ミラ型星動力学モデルを使ったダスト形成 この論文では、ミラ型星動力学モデルを使ってダスト形成から 観測にどのような影響が及ぶかを調べる。特に、シリケイトの非灰色オパシティ 効果に鉄の含有量がどう影響するかを注意する。O-リッチ星のダスト形成過程は 複雑なので、議論は内側シェルに限定する。 |
2.1.シリケイトダストの性質固体化率 f と成分パラメター xダスト温度は以下の輻射平衡で決まると仮定する。 ![]() ![]() ("x" の意味は勉強不足で分からない。 MgxFe1-xSiO3 または、 Mg2yFe2-2ySiO4?) ![]() 吸収、散乱係数 吸収、散乱係数はレイリー近似で計算した。したがって、吸収係数はグレイン 半径に依らない。グレイン半径は fSi と Nnuc = 水素1原子当たりのグレイ核の個数、で以下のように決まる。 ![]() |
最終的なオリビンの吸収、散乱係数は以下の式で得られる。
![]() (ここの"x"は 1.0 オリビンと0.5 オリビンの間の数の重みとして使われ、あるシリケイト内でのFe とMg の比 である x とは違うのではないか?それとも 1.0 と 0.5 オリビンの κ を使い、重み付き平均で x のときの値を p(x)=[(x-0.5)/0.5]p(0.5)+[(1-x)/0.5]p(1) と内挿? (7)式は分からない! 2.2.ミラ大気中でのダスト形成形成核Jeong et al 2000 は TiO2 が最初の形成核になると予想した。 しかし、そのゼロ点エネルギーに不定性があり、核形成温度に 50 K 程度の 誤差が生じる。 衝撃波背面冷却 衝撃波の背面での冷却領域が外向きに進むと、特に光度が変光で低下し、 さらに星面の見込み立体角が距離効果で小さくなると、ダスト化比率 fSi が上昇する。Gail, Sedlmayr 1999 によると、オリビン粒子 成長を決めるのは SiO 分子の付着である。log P > -2.22 の場合 Tg = 1100 K で付着係数を 0.1 として計算すると 0.1 周期でグレインサイズは 10 nm となる。 オリビン後 オリビンがほぼ出来上がった後の沈殿過程の可能性は様様である。 |
2.3.コランダムの付着不足?Al2O3 が 12 - 13 μm の SED を説明するために 提案された。しかし、コランダムのオパシティと Al の存在量は SED に影響 するほど高くないことが示された。 再検討 再検討のため、コランダムの凝結率を ![]() 2.4.モデルダストタイプタイプ A と B表1にこの論文で検討するダストタイプを示す。タイプ A と B は α = 1 で、初め、外向きに流れるガス流中に純粋なフォーステライト が出来て、その後Mg 分圧が下がって Fe が増してくる。A と B の違いは グレイン核の数で、その結果タイプAはグレイ質量が10倍大きい。 |
![]() 表1.ダストタイプ タイプC ダストC は初期凝結がかなりの鉄 (x = 0.93) を含む。結果、星の放射が 強い 1 - 4 μm で吸収係数が高くなる。 タイプ D タイプ D はコランダムである。 |
![]() 表2.ミラ型星 M-シリーズモデルのパラメター。左から、モデル名、 可視変光位相、光度、1.04 μm 半径、そこでの温度。 ![]() 図2.ダスト形成領域の 1.04 μm 光学的深さ. |
![]() 図1.4つのダストタイプ毎のダスト形成半径。実線= R1.04 = 連続光表面半径。点線=単一マス層の軌跡。 ![]() 図3.M22 モデルの温度分布。実線=ダストフリーモデル。点線=A、B. 一点鎖線=タイプC. 破線=タイプ B. 上側の線=ダスト温度。下側の線=ガス温度。 |
![]() 図4.タイプB モデル の SED. 下の実線=M11n モデル。点線=M15 モデル。 破線= M15 モデル。上の実線= M 21n |
![]() 図5.ビジビリティ観測データとのフィット。 |