IRAS カラーが既知 PNe と似る 38 IRAS 天体の J, H, K, L, M 測光を行った。 | それらを SED で分類した。多くは AGB - post-AGB - PPN - PN の進化の途 中にあるようだ。 |
未同定 IRAS 天体中の PNe Gillet 1967 が NGC 7027 に強い赤外放射を検出して以来、多くの PNe で 赤外超過が見出された。ある場合には中心星からの放射の 50 % が赤外線に 変換されている。IRAS では約 850 の PNe が検出された。 Pottasch, Bignell, Olling, Zijlstra (1988) は IRAS 二色図上で PNe が存在する領域を、 F12/F25 ≤ 0.35, F25/F60 ≥ 0.3 (log(25/12)≥0.46,log(60/25)≤0.52 とした。したがって、未同定 IRAS 天体の中にはまだ多くの PNe が潜んでいる 可能性がある。 |
候補天体 Manchado et al. (1989) 以降論文Iと呼ぶ、には約 1000 の未同定天体が含まれている。選択領域内には セイファート銀河、 YSOs, HIIRs なども含まれている。しかし、大部分は post-AGBs, PPNe, PNe である。また、OH/IRs もこの領域に重なる。 NIR 測光 候補天体から PNe を分ける一つの方法は NIR 測光で SED を短波長側に伸ばし、 1-5 μm 帯のエネルギーが星起源か星雲起源かを調べることである。 |
SED J, H, K, L, M 観測が 1988年4月から 1989年2月に掛けて、カナリー島 1.55 m 望遠鏡を使って行われた。 図1はその結果を IRAS と合わせ、 SEDs として表示した。 |
二色図 図2と図3は二色図を示す。 |
NIR の原因 NIR の原因としては、(1) 中心星光球放射、(2) H, He の再結合線、特に HeI 1.083 μm 三重線(高励起 PN)、熱いダストが考えられる。最後の 高温ダストは特に重要で、 H-K カラー分布に影響する。 (1)星放射 減光は殆ど受けていない。NIR 光は光球起源である。中心星は強いマスロス を行っていて、それが厚いダストシェルを形成して FIR 光を放っている。 大部分は AGB 星である。熱いダストからの NIR 光は検出されない。 LRS には放射、吸収帯はなく単なる T =200−250K BB である。 例外は IRAS 23304+6147. IRAS 05089+0459, IRAS 05113+1347, IRAS 04238+0626, IRAS 05357-0217, IRAS 07331+0021, IRAS 07577-2806, IRAS 08187-1905, SAO 179815, IRAS 17349-2444, IRAS 17388-2203, SAO 30548, IRAS 18006-1734, IRAS 23304+6147 (厚いシェルでどうして 10 μm バンドが 見えないか、説明なし。 C-リッチ? ) (2) 非常に厚い星周外層 非常に厚い星周外層に覆われた星。 ただし、IRAS 07225-2428 は preMS として知られている。 IRAS 07225-2428, IRAS 18040-2726, IRAS 19110+1534. |
(3)熱いダスト NIR = 星+熱いダスト。極最近または現在のマスロスを示す。 IRAS 05209-0107, IRAS 05245+0022, IRAS 06518-1041, IRAS 07506-0345, IRAS 16112-1930, IRAS 17178-2600, IRAS 20490+5934 (4) PN,PPN 候補 Td = 1500 - 100 K の勾配を持つ。幾つかにはシリケイト吸収もアリ。Av = 2 - 5 等赤化を戻すと "nebula2 box に収まる。 IRAS 06556+1623, IRAS 07253-2001, IRAS 08005-2356, SAO 183986, IRAS 16559-2957, IRAS 17291-2402, IRAS 19075+0432, IRAS 20572+4919 (5) 極端 OH/IRs 非常に赤い H-K を持ち、 Td ≤ 150 K. シリケイト吸収。 この領域には YSOs や Ae/Be 星も入る。SFRs が近くにないかチェックが必要。 IRAS 05506+2414, IRAS 05568+3206, IRAS 06571-0436, IRAS 07173-1733, IRAS 17514-1555, IRAS 18092-2347 |
個々の天体IRAS 05089+0459SED は2成分。Td = 200K. NIR は T = 3500 K BB にフィット。この温度は ミラ型星に対応する。しかしながら H-K はこの星を主家列性の左に置く。 もしかすると熱いダストの効果かも知れない。 (SED から A(NIR) = 1 程度の減光 を受けている。Te = 3500 K は怪しい。 ) IRAS 08187-1905 = HD 70379 G5 星で NIR は BB(5500K) にフィットする。 IRAS 08187-1905 = HD 70379 G5 星で NIR は BB(5500K) にフィットする。 (この星もSED から A(NIR) = 1 程度の減光 を受けている。赤化を戻してまた 5500 K になるのかな? やや心配。) IRAS 05113+1347 その他。 NIR SED は BB(5500K) にフィットする。G 型星ではないか? 他には IRAS 05238-0626 T = 8000 K A-型, IRAS 05245+0022 T = 30,000 K B-型, IRAS 05357-0217 T = 6500 K F-型である。 |
IRAS 05189-2524 セイファート銀河という報告もある。 IRAS 05209-0107 (HD 290380) F0 型星。 Pottasch, Parthasarathy (1988) が扱った F-型星と似ている。 IRAS 05506+2414 H-K ≥ 1.4 と赤い。ただし、Manchado et al 1989b による分光観測 では輝線が見つかり、 H-H 天体の可能性もある。 IRAS 06518-1041 T = 150 K. IRAS 06556+1623 (HD 51585) BQ[ ] 星。symbiotic star か PPN に近い。Allen 1973 の観測より 0.1 mag 明るくなっている。次第に明るくなって行くかも知れない。 |
IRAS 06571-0436, 05568+3206 YSO かも。 IRAS 07225-2428 暗黒雲中心にある。 IRAS 07253-2001(HD 59049) A2-型星。Td = 200 K. (NIR も FIR の裾野。これはダスト放射 か、強い赤化か?とにかく A2 型だから興味ある。 ) IRAS 07331+0021 (AI CMi) G5 Iab. 変光星。 IRAS 07577-2806 ちょっと変な結果。原因不明。 IRAS 11195-2430 = SAO 179815 K5 星。連星。 |
IRAS 15556-2248 =SAO 183986 G5. Hα 輝線。 IRAS 16112-1930 FIR 超過。 IRAS 16559^2957 シリケイト放射帯。マスロス中? IRAS 17291-2402, IRAS 19075+0432 SED ははっきり2成分。 (とは言うが、そうはっきりしていない 。 ) SAO 30548 F3 Ib 型星で大きな赤外超過。 Parthasarathy, Pottasch (1986) は post-AGB から PN への遷移天体とした。 IRAS 17349-2444 これも遷移天体であろう。 |
IRAS 18092-2347 この星は OH/IR 星らしい。しかし長々と議論してる。 |
IRAS 23304+6147 シリケイト吸収帯と 11.3 未同定放射が見える。特異スペクトル。 |