NIR Survey of IRAS Sources with Coplours Like PNe II.


Garcia-Lario, Manchado, Pottasch, Suso, Olling
2006 AA 448,




 アブストラクト 

 IRAS カラーが既知 PNe と似る 38 IRAS 天体の J, H, K, L, M 測光を行った。  それらを SED で分類した。多くは AGB - post-AGB - PPN - PN の進化の途 中にあるようだ。


 表1.位置 



 表2.IRASフラックス 



 表3.NIR 等級 



 1.イントロダクション 

 未同定 IRAS 天体中の PNe 

 Gillet 1967 が NGC 7027 に強い赤外放射を検出して以来、多くの PNe で 赤外超過が見出された。ある場合には中心星からの放射の 50 % が赤外線に 変換されている。IRAS では約 850 の PNe が検出された。   Pottasch, Bignell, Olling, Zijlstra (1988) は IRAS 二色図上で PNe が存在する領域を、

F12/F25 ≤ 0.35, F25/F60 ≥ 0.3 (log(25/12)≥0.46,log(60/25)≤0.52

とした。したがって、未同定 IRAS 天体の中にはまだ多くの PNe が潜んでいる 可能性がある。
 候補天体 

  Manchado et al. (1989) 以降論文Iと呼ぶ、には約 1000 の未同定天体が含まれている。選択領域内には セイファート銀河、 YSOs, HIIRs なども含まれている。しかし、大部分は post-AGBs, PPNe, PNe である。また、OH/IRs もこの領域に重なる。

 NIR 測光 

 候補天体から PNe を分ける一つの方法は NIR 測光で SED を短波長側に伸ばし、 1-5 μm 帯のエネルギーが星起源か星雲起源かを調べることである。




 図1.SEDs 



 2.観測 

 SED 

 J, H, K, L, M 観測が 1988年4月から 1989年2月に掛けて、カナリー島 1.55 m 望遠鏡を使って行われた。  図1はその結果を IRAS と合わせ、 SEDs として表示した。
 二色図 

 図2と図3は二色図を示す。


 図2.(J-H) - (H-K) 二色図 





 図3.(H-K) - (K-L) 二色図 





 図4.IRAS 二色図 



 3.議論 

 NIR の原因 

 NIR の原因としては、(1) 中心星光球放射、(2) H, He の再結合線、特に HeI 1.083 μm 三重線(高励起 PN)、熱いダストが考えられる。最後の 高温ダストは特に重要で、 H-K カラー分布に影響する。

 (1)星放射 

 減光は殆ど受けていない。NIR 光は光球起源である。中心星は強いマスロス を行っていて、それが厚いダストシェルを形成して FIR 光を放っている。 大部分は AGB 星である。熱いダストからの NIR 光は検出されない。 LRS には放射、吸収帯はなく単なる T =200−250K BB である。 例外は IRAS 23304+6147.

IRAS 05089+0459, IRAS 05113+1347, IRAS 04238+0626, IRAS 05357-0217, IRAS 07331+0021, IRAS 07577-2806, IRAS 08187-1905, SAO 179815,
IRAS 17349-2444, IRAS 17388-2203, SAO 30548, IRAS 18006-1734,
IRAS 23304+6147

(厚いシェルでどうして 10 μm バンドが 見えないか、説明なし。 C-リッチ? )


 (2) 非常に厚い星周外層 

 非常に厚い星周外層に覆われた星。 ただし、IRAS 07225-2428 は preMS として知られている。

IRAS 07225-2428, IRAS 18040-2726, IRAS 19110+1534.
 (3)熱いダスト 

 NIR = 星+熱いダスト。極最近または現在のマスロスを示す。 IRAS 05209-0107, IRAS 05245+0022, IRAS 06518-1041, IRAS 07506-0345,
IRAS 16112-1930, IRAS 17178-2600, IRAS 20490+5934

 (4) PN,PPN 候補  

 Td = 1500 - 100 K の勾配を持つ。幾つかにはシリケイト吸収もアリ。Av = 2 - 5 等赤化を戻すと "nebula2 box に収まる。

IRAS 06556+1623, IRAS 07253-2001, IRAS 08005-2356, SAO 183986,
IRAS 16559-2957, IRAS 17291-2402, IRAS 19075+0432, IRAS 20572+4919

 (5) 極端 OH/IRs 

 非常に赤い H-K を持ち、 Td ≤ 150 K. シリケイト吸収。 この領域には YSOs や Ae/Be 星も入る。SFRs が近くにないかチェックが必要。

IRAS 05506+2414, IRAS 05568+3206, IRAS 06571-0436, IRAS 07173-1733,
IRAS 17514-1555, IRAS 18092-2347


 個々の天体 

 IRAS 05089+0459 

 SED は2成分。Td = 200K. NIR は T = 3500 K BB にフィット。この温度は ミラ型星に対応する。しかしながら H-K はこの星を主家列性の左に置く。 もしかすると熱いダストの効果かも知れない。
(SED から A(NIR) = 1 程度の減光 を受けている。Te = 3500 K は怪しい。 )


 IRAS 08187-1905 = HD 70379 

 G5 星で NIR は BB(5500K) にフィットする。

 IRAS 08187-1905 = HD 70379 

 G5 星で NIR は BB(5500K) にフィットする。
(この星もSED から A(NIR) = 1 程度の減光 を受けている。赤化を戻してまた 5500 K になるのかな? やや心配。)


 IRAS 05113+1347 その他。 

 NIR SED は BB(5500K) にフィットする。G 型星ではないか? 他には IRAS 05238-0626 T = 8000 K A-型, IRAS 05245+0022 T = 30,000 K B-型, IRAS 05357-0217 T = 6500 K F-型である。
 IRAS 05189-2524 

 セイファート銀河という報告もある。

 IRAS 05209-0107 (HD 290380) 

 F0 型星。 Pottasch, Parthasarathy (1988) が扱った F-型星と似ている。

 IRAS 05506+2414 

 H-K ≥ 1.4 と赤い。ただし、Manchado et al 1989b による分光観測 では輝線が見つかり、 H-H 天体の可能性もある。

 IRAS 06518-1041 

 T = 150 K.

 IRAS 06556+1623 (HD 51585) 

 BQ[ ] 星。symbiotic star か PPN に近い。Allen 1973 の観測より 0.1 mag 明るくなっている。次第に明るくなって行くかも知れない。


 IRAS 06571-0436, 05568+3206 

 YSO かも。

 IRAS 07225-2428 

 暗黒雲中心にある。

 IRAS 07253-2001(HD 59049) 

 A2-型星。Td = 200 K.
(NIR も FIR の裾野。これはダスト放射 か、強い赤化か?とにかく A2 型だから興味ある。 )


 IRAS 07331+0021 (AI CMi) 

 G5 Iab. 変光星。

 IRAS 07577-2806 

 ちょっと変な結果。原因不明。

 IRAS 11195-2430 = SAO 179815  

 K5 星。連星。
 IRAS 15556-2248 =SAO 183986 

 G5. Hα 輝線。

 IRAS 16112-1930 

 FIR 超過。

 IRAS 16559^2957 

 シリケイト放射帯。マスロス中?

 IRAS 17291-2402, IRAS 19075+0432 

 SED ははっきり2成分。
(とは言うが、そうはっきりしていない 。 )


 SAO 30548 

 F3 Ib 型星で大きな赤外超過。 Parthasarathy, Pottasch (1986) は post-AGB から PN への遷移天体とした。

 IRAS 17349-2444 

 これも遷移天体であろう。


 IRAS 18092-2347 

 この星は OH/IR 星らしい。しかし長々と議論してる。
 IRAS 23304+6147 

 シリケイト吸収帯と 11.3 未同定放射が見える。特異スペクトル。


 4.結論