IRAS PSC で IR 超過のある SAO 星を探した。以前の探索と違い、IRAS [12]-[25]-[60] 全二色図を用いた。その結果、462 星が見つかった。その かなりは星周物質を伴う星である。 | 選択された星は、PMSs, Bes, PPNs, post-AGBs などであると分かった。 多数が連星である。特性温度、赤外超過を計算し、それらとスペクトル型との 関係を調べた。 |
星周物質の性質を探るにも有用 Trams, Waters, Lamers, Waelkens, Geballe, The (1991) は多数の post-AGBs が可視で見えることを示した。そこでこの論文では IRAS PSC と SAO カタログを突き合わせ、可視 post-AGBs の数を増やすことを試みた。 この様なサンプルは中心星のみでなく星周物質の性質を探るにも有用である。 二色図上の固有領域 van der Veen, Habing (1988) は IRAS 二色図上で星がその種類ごとに固まることを示した。しかし、種類間に かなりの重複があり、またその領域には全体の 80 - 90 % しか含まれない。 それでもその後の研究はその固有領域内の星に集中した。 |
高銀緯赤外超過星 Parthasarathy, Pottasch (1986) は高銀緯にある F 型巨星の幾つかを post-AGBs 候補星とした。しかし選択基準 がはっきりしない。Stencel, Backman 1991 は赤外超過を有する高銀緯 SAO 星 を探した。しかし彼らは F12 を光球起源と考えたのでかなりの赤外超過星を 見逃す結果となった。 追究観測の出発点 我々のリストは今後の追究観測の出発点を提供するものである。すでにそれ らの幾つか Waelkens90a, Waters90 は発表されている。それらの観測から、 リストには post-AGBs だけでなく Herbig Ae/Be 星、PPNe が含まれることが 判った。 |
基準 (a) SAO と IRAS の位置が一致する。 (b) B, A, F, G 型スペクトル。 Simbad のより新しいスペクトル型が SAO と異なる場合は SAO を捨てる。 2.1.冷たいダストの星T < 1000 K ダスト T < 1000 K の星周ダストを選ぶために以下のカラー基準を採用した。 [12] - [25] > 0.4 かまたは、 [25] - [60] > 0.3 FQ(12,25) = 2, 3 を要求する。更に [25]-[60] <:0.6 の場合 FQ(60) = 2, 3 を追加条件とする。これは暗い天体で F(60) の上限値のために見かけ 上赤外超過があると判断されることを防ぐ目的である。 414 星が選ばれた。 IRAS/SAO からカラー基準を満たした星は 1579/34611 である。さらに スペクトル基準を加えると 414/1579 となる。図1にそれらの星を示す。 |
![]() 図1. [12] - [25] > 0.4 かまたは、[25] - [60] > 0.3 で スペクトル型 B, A, F, G の SAO 星。上のカラーは T(BB) < 1000 K に対応する。実線= BB. |
2.2.熱いダストの星正常星の B, V, [12]Waters87 は Bright Star Catalog から正常星の B, V, [12] の関係を導い た。彼らは星間赤化は微小として無視した。その関係は、 ![]() である。このラインより V-[12} が 1mag 上にある場合を赤外超過とした。 多重同定を排除した後に 56 赤外超過星が残った。 図2にそれを示す。図1と重なる星は 8 星である。 2.3.シラスシラスが結果に影響する可能性はある。CIRRUS1 と CIRRUS2 フラグと 赤外超過との相関を調べたが |
![]() 図2.[12]-[25] < 0.6 の SAO B, A, F, G 型星。実線=式(1). 破線より上が赤外超過星。 |
等級 我々が使う等級は以下の通りである。 ![]() ここに Kλ = 補正項である。 3.1.赤外超過の決定 |
3.2.ダスト温度の決定 |
![]() 表2.サンプル星のスペクトル型の分布 表2=サンプル星のスペクトル型分布 表2にはサンプル星のスペクトル型分布を示す。B 型 III-V が多いのは Be 星を検出するこの方法の能力による。 図3=スペクトル型毎の二色図 図3はスペクトル型毎の二色図を示す。B 型星は Be 星が多く、f-f 放射の効果 が強い。 |
![]() ![]() 図3.スペクトル型毎の IRAS 二色図。図 3a は超巨星 I, II の分布。 図 3a は矮星 III - V の分布。実線=黒体。縦軸が [12]-[60] に注意。 |
![]() 図4a.超新星 I, II スペクトル型毎のカラー温度分布。 Be 型は f-f カラー温度 図4にはカラー温度の分布を示す。図4b の光度クラス III - V 星の カラー温度は 100-200 K と 300-500 K の二区間にピークが見える。 特に B-矮星では第2ピークが顕著である。この温度は f- f 放射のカラー 温度である。Be 星を外すと、 100 K がピークとなる。 I - II クラス I - II クラスの温度分布は II - V クラスと異なり、温度巾が大きい。 I - II クラスでは Tcolor < 100 K の冷たい成分は殆どない。 矮星の冷たいダストは惑星形成を示唆する。 |
![]() 図4b.矮星 III - V スペクトル型毎のカラー温度分布。B 型星図の破線= 輝線を示さない B 型星のカラー温度分布。 III - V クラス III - V クラスではスペクトル型による違いは見られない。 |
Be 星 赤外超過を持つ SAO 星を探した。多数の B 矮星が見つかった。その 多くは Be 星である。 |
post-AGB 星 星周ダストを持つ星は Tcolor = 200 K となる。多くの超巨星が以前に post-AGB として分類されていた。しかし Be 星も多く含まれるから 一層の研究が必要である。 |