"Unifying Bulge and Bar" by Martinez-Vaspuesta and Gerhard 2011 の コメントを述べる。そのモデルでは主軸がねじまがったボクシーバルジという 単一構造で銀河系内側 4 kpc の観測結果を説明する。我々はこの仮説は原理的 に許容できると考える。 | しかし、このモデルはある観測的特徴を説明しないままに残している。一方 バルジとロングバーの軸角がずれているという従来のモデルはそれらを 説明できることを指摘する。 |
主軸と見かけ極大位置とのズレ 厚い構造では星計数極大位置が主軸と一致しない(体積効果)の問題は既に Lopez-Corredoira et al. (2007) Cabrera-Lavers et al. (2007) で論じられている。その際に厚い構造ではズレ角が 10° に達しうることが 指摘されていた。したがって、 Cabrera-Lavers et al. (2007) の得た見かけ軸角 25 は実際には 15 であるかも知れない。しかし、こ の効果は仮定される薄くて長いバーには大きな影響を及ぼさない。 平面内にある軸比 1 : 0.25 の3軸不等バルジ(?)では見かけ密度極大と 主軸とのズレは最大でも 100 pc だからである。 名前の付け方 同じ実体に対して異なる名前の付け方をしているに過ぎない。 |
未説明の1 銀河系では内側 l < 15 のバルジの(奥行き方向)厚みは、外側 l > 15 のバーよりずっと厚い。しかし、 Martinez--Vaspuesta and Gerhard 2011 の図1(a) を見ると、内側と外側でバルジ・バー構造の厚みは同じである。 未説明の2 モデルでは薄い外側部と言っているがどのくらい薄いのか?観測では |l| > 10 ではバーの厚みは |b| < 2 になる。 星種族の差または強い勾配 バー末端での星形成 |