HI Shells, Supershells, Slell-Like Objects and "Worms"


Heiles
1984 ApJS 55, 585 - 595




 アブストラクト

 二つの HI サーベイを結合して、|b| = 10° の境界を無くした写真画像 を作成した。 また、弱い HI 模様を浮き出させるため、高コントラストの写真を特定の速度 付近で提示する。これら全ての写真は HI シェル、スーパーシェル、シェル状 天体の新しいリストを作成するために使われた。高速ガスに伴う 3 つのシェル と、電波連続波のループ I, II, III と随伴するシェル状天体について調べた。 我々は空間フィルタリングを用いて、くねくねして内側銀河の銀河面から 立ち上がる糸状のガス=芋虫(worms) を強調した。「芋虫」は多分頭頂部が 開いたシェルの壁であろう。このようなシェルは銀河系ハローの高温ガス のよい供給源である。  シェルとスーパーシェルのこれまでの観測結果をまとめた。既知の天体とシェル との間には一意な関係は見つからない。アソシエイションの星風と超新星はシェル エネルギーとしては十分である。しかし、スーパーシェルに関しては、星形成活動 が通常よりずっと大きい必要がある。その上、いくつかの異常なシェル状天体を 説明するにはそれだけでは不十分である。その他のエネルギー源、例えば高速雲 の銀河面への衝突、のようなものは幾つかの点で観測に合う。

最後まで読み通せなかった。記述があいまいな気がする。


1. イントロダクション  

 HI 円弧 

 狭い速度帯で作った HI マップには多数のカーブした糸状の模様が見える。 幾つかの場合ではその大きさが速度により変わり、膨張する球殻のようである。

 これまでのカタログ 

  Heiles 1979 は |b| < 10° の Weaver, Williams 1973 の HI データからシェルと スーパーシェルのカタログを作った。   Colomb, Poppel, Heiles 1980 は Heiles, Habing 1974 と Colomb et al の観測から |b| > 10° シェル カタログを作った。この論文では二つのサーベイを合体させ、b = [-65, +65] での 速度別 HI 写真を示す。
(写真は l = [250, 10] が抜けている。なぜか不明。 そのためか、表1もその部分のシェルが欠落して不完全。 )

 2.観測データ 

 速度別マップ

 図1のプレート 10 - 18 はそれらの写真表示 l = [10, 250] が載っている。 速度間隔は V = [-89.7, -45.0] では 6.3 km/s, [-40. 38.0] では 8.4 km/s である。

 糸状模様 

 写真には多数の糸状模様が存在し、それらは円弧の一部のように見える。 詳しく調べると、ある場合には糸の位置が速度と共に動き、それは膨張球殻に 期待される動きであることが分かった。

 表1 

 表1には Heiles 1979 にあった完全に |b| < 10 のシェルは載せていない。 表1は |b| = 10 を横切るか、それより遠くのもののみを載せた。我々の手法が 単に写真を目で見てシェルを探すことだったので、定量的な性質が与えられない という欠点がある。



表1. HI シェルとシェル的な天体。低銀緯は Heiles 1979 にある。

 速度帯別の HI 強度マップ 





















 3.個々の天体  




図3.HV = high velocity, IV = intermediate velocity, LV = low velocity での HI の筋。電波連続波のループ II (b < 0) と ループ III (b > 0) も示す。

 GS 120-30-8  

ループ II との重なり 

 このシェルは 図 1l, 1m, 1n で見える。ループ II と重なっていて、大きさは Δl × Δb = 110 × 50 である。これは   Colomb, Poppel, Heiles 1980 では速度分解能が良いためよりはっきり見える。


 GS 155+38-58 

IV (intermediate velocity) gas 

 ∼ -60 km/s シェルが   Berkhuijsen et al 1971 のループ III と重なっている。


GS 174+02-64 = Anticenter Shell  



GS 193-32+4, GS 202-28+12   



GS 331+14-15   

 エリダヌスーオリオン複合体の一部である。可視輝線では   Reynolds, Ogden 1979 が研究した。  
 

 この論文の図の範囲外であるが、   Colomb, Poppel, Heiles 1980 では最も著しい天体なので個々に論ずる。このシェルはループ I = North Polar Spur の 外側にある。全面は太陽に非常に近いと思われる。