Are the Galactic Loops Supernova Remnants?


Berkhuijsen, Haslam, Salter
1971 AA 14, 252 - 262




 アブストラクト

 銀河系電波連続光ループの性質の観測的証拠を提示する。それらの小さな 輪の幾何学を論じる。高・中銀緯における中性水素の特徴と連続光ループとの 関係が見つかった。 ループ I と逃散星 θ Ophiucus との関連が 示唆された。現在の証拠はループは超新星残骸であるという仮説を支持する。

 1.イントロ 


 高銀緯帯に電波連続光の強い尾根が存在することは電波天文の初期から 知られていた。Quigley, Haslam 1965 はそれらの内最も明るい3つが小さな 円弧を描くことを示した。それらの大きい二つは North Polar Spur と Cetus Arc として知られていた。それらの内部にはより小さな尾根が散在している。 そこで、この論文では、単独の尾根を "spur" と呼び、 円弧を形成している ものをループと名付ける。North Polar Spur の名は l = 30° 付近からの 立ち上がりに残し、Large et al 1966 が提案した円弧全体はループ I と呼ぶ。 Cetus Arc はループ II である。第3のロープは既にループ III が定着している。





表1.銀河系ループの円弧パラメタ―

 2.ループの幾何学 

 3.ループと HI 

 3.1.ループ I  

 連続光円弧の外側の強度急勾配部は HI の尾根に一致する。

 3.2.ループ II  

 HI の強まりはない。

 3.3.ループ III  

 Heiles 1967 は 2 枚の薄い HI シートを発見し、膨張シェルの前面と背面 と解釈した。

 3.4.l = 185° の負銀緯ループ  

 3.5.ループ I のシェルモデル  

 観測結果は SN シェルを支持する。そうなら、 van der Laan 1962 モデルの "shocked" 領域に HI が見出される筈である。適当なパラメタ―を仮定すると 連続光極大の外側 3° 離れて HI シートが期待される。

 Baauw 1961 は O9.5 V の θ Ophiuchus (d = 200 pc) が SN で解放 された連星の片割れではないかとした。もしループ I の接点距離が 120 pc とすると、爆発中心は 220 pc となり、中心位置 170 pc の Scorpio-Centaurus アソシエーションのメンバーという可能性が強い。Loop I の中心位置付近には 変光 X 源が数個見つかっている。  



図3.ループ。十字=検出された尾根。