オリオン座とエリダヌス座にある多数の 21 cm 電波、可視光の円弧構造を含む l = [185. 215], b = [-50, -12] 領域内で、Hα, [NII]λ6584 ライン に二重速度構造が検出された。観測から、この領域にある可視光放射ガスの大部分 は膨張シェルの内部に閉じ込められていることが示唆される。シェルの直径は 280 pc で膨張速度は 15 - 23 km/s、膨張エネルギー 1051 エルグである。 温度、電離状態、 Hαフラックスから、シェルの東端に位置する I Ori OB アソシエイション内の星からの紫外放射光が電離の原因と考えられる。 | この電離ガスは位置、速度の点で Heiles 1976 が発見した 21 cm H I 膨張 シェルに付随している。つまり、電離ガスと中性ガスは同じ構造体の二つの 成分なのである。このシェルが超新星起源ならば 2 Myr 以前に非常に強い 爆発が起きたか、一連の超新星爆発が起きたかのどちらかであろう。その総 エネルギーは ≥ 1052 エルグが必要である。暴走 OB 星の 中には I Ori アソシエイション起源と思われものがあり、それらは上に述べた 超新星爆発の時に飛び出たのかも知れない。星風もやはり重要な エネルギー源である。 |
星間空間に多数の特徴が見える α = [2h50m, 6h00m], δ = [-25°, +10°] の領域には 多数の星間物質模様が見られる。バーナードループと I Orion O-アソシエイション -分子雲複合体はこの領域の東端に位置する。領域の西端に沿っては、より弱い Hα の筋が銀河面の下 50° まで伸びている。Hα 希薄背景輻射は この領域では強まっている一方、 Heiles 1974 はこの領域が H I 分布で穴になっていると指摘した。ここでは拡散 X-線放射も 検出されている。その上、大規模膨張速度が電波でも可視光でも検出された。 |
エリダヌス領域とオリオン領域 伝統的にはエリダヌス領域とオリオン領域は別個の天体として扱われてきた。 例えば、バーナードループは I Ori アソシエイションの過去の出来事の 結果であり、エリダヌスに見られる Hα, X, 21 cm は比較的最近の高銀緯 現象とされた。しかし、それらは一つの出来事の別な側面と看做すべきである。 ファブリーペロー観測 ウィスコンシン大学 15 cm ファブリーペロー分光器を用いて、 Hα, [N II]λ6584, [O I]λ6300, [O III]λ5007 のスキャンを 実施した。 |
![]() 図1.エリダヌスーオリオン領域での Hα, 21 cm 特徴。実線= Hα 輝線の特徴(Sivan 1974 の写真)。点線=Heiles 1976 の H I V = [-12, -9] km/s マップ上の円弧。一点鎖線= V [+3, +6] km/s マップ 上の円弧。破線= V [+18, +21] km/s マップ上の円弧。参考のためオリオンの 星をいくつか示す。丸=ファブリペロ観測点。 |
![]() 図5.Hα 強度マップ。等高線は 2, 6, 12, 20,... 200, 320 rayleighs (R) I Ori アソシエイション中心付近で直交する二本の点線は大体等しい Hα フラックス を持つ 4 領域に分割する。λ Ori HIIR はマップから除いた。 |
![]() 表2.Hα フラックスへの寄与率。 |
![]() 表3.最も明るい星のリスト |