LPV Stars in NGC 147 and NGC 185 - 1. Their SFHs


Golshan, Javadi, van Loon, Khosroshahi, Saremi
2017 MN 466, 1764 - 1776




 アブストラクト 

 NGC 174 と NGC 185 は M31 の衛星銀河の中で最大級であり、場所も接近し ている。質量も形態分類 dE も似ているに拘わらず、それらの星間ガス量と 潮汐変形は異なる。したがって、SFHはどうなのかが疑問となる。そこで、 LPVs を用いて二つの SFHs を再構成した。LPVs の光度は Mi に相関するか らである。NIR 測光と進化モデルを組み合わせて、我々は質量関数を作り、 そこから SFH を導いた。   NGC 185 の星形成は 8.3 Gyr 昔で、その後はずっと低い水 準だがほぼ一定の星形成を続けてきたことが判った。NGC 174 では、星形成の ピークは 7 Gyr 昔で、3 Gyr 前まで強い星形成が続いた。しかし最近 300 Myr は星形成が起きていない。銀河質量が類似であるに拘わらず、 NGC 147 の進化 は NGC 185 より遅い。しかし、最近の進化はより激しい。これはNGC 147 の 強い潮汐変形と NGC 185 中心に溜まるガスの存在により裏付けられる。
(炭素星と LPVs の同定に全く触れていない。 二重に数えているのか? LPV は O-リッチとして赤化補正 しているらしい。そして、LPVs は (I-K)o = 2.6, 炭素星は (J-K)o = 1.4 に固定している。Ko 等級は明るくなり過ぎる危険がある。すごくキケン! )


 1.イントロダクション 

 矮小銀河 

 矮小銀河には、不規則矮小銀河 dIrrs と楕円矮小銀河 dSph/dEs の二種が ある。主な差は dIrrs がかなりの星間ガスを持つのに対し、dSph/dEs には ほぼ完全にガスがないことである。SFHs もやはり異なり、dIrrs は「若い」 (Battinelli, Demers2006). dSph/dEs は大抵、銀河群の中心近くの濃い環境 にあるのに対し、dIrrs は孤立していることが多い。これは環境効果が dIrrs を dSph/dEs に変えることを強く示唆する。

 LPVs から SFH 

 我々は LPVs を使って SFH を構成する新しい方法を開発した。この方法は M33 Javadi et al. (2011), Javadi17, MCs Rezaei et al. (2014) に適用された。
 NGC 147 と NGC 185 

 NGC 147 と NGC 185 は Mv = -16, 速度分散 25 km/s と似た値をもつ M31 の衛星銀河であるが、その性質はかなり異なる。NGC 185 にはガス、ダスト があり、最近の星形成を裏付ける証拠もある。しかし、 JNGC 147 には 最近の星形成を示す観測事実はない。RGB 位置から [Fe/H]147 = -1.1 から -1, [Fe/H]185 = -1.3 から -1.1 である。 d147 = 675±27 kpc (μ147 = 24.15), d185 = 616±27 kpc (μ185 = 23.95). 二つは重力的につながっているかどうか議論が分かれる。

 この論文 

 この論文では 6.5'x6.5' について、 LPVs の誕生質量関数を作り、 SFHs を導く。





図1.緑点= AGBs (Nowotny03). 青四角=LPVs (Lorentz11). 赤四角=炭素星(Kang05, Sohn06)。6.5' = 1.27 kpc に相当する。

 2.データ 

 NGC 147 は 13.2'x7.8', NGC 185 は 11.0'x10.0' ある。しかし、データは 6.5' 四方でしか得られていない。

 2.1.可視データ 

 Nowotny03 は Nordic Optical Telescope (NOT) により、V, Gunn i, CN, TiO フィルタの観測を行った。

 2.2.近赤外データ 

 2.2.1.LPVs 

Lorentz11 は NOT + Gunn i フィルターで 36 番の観測を行った。さらに K で一晩観測した。NGC 147 に 213 LPVs, NGC 185 に 513 LPVs を検出した。

 2.2.2.炭素星 

 Sohn06 は CFHT J,H,K' フィルターを使用して NGC 147 の 91 炭素星を , Kang05 は NGC 185 の 73 炭素星のカタログを作った。
(炭素星と LPVs の同定に全く触れていない。 二重に数えているのか? )





図2.NGC 147 の CMD. 等時線は Marigo et al. (2008) より。




図3.NGC 185 の CMD. 等時線は Marigo et al. (2008) より。

 2.3.CMDs 

 可視 CMDs 

 LPVs と 炭素星のカタログを対応させて、炭素星の位置を CMDs 上に 定め、図2、3に記入した。図には Marigo et al. (2008) の等時線も入れてある。図では AGBs が V-I = 1 - 2 mag に集積しているのが 見える。明るく青い星が少数見えるのは前景の MW 矮星である。単組星と LPVs が AGB の先端付近に固まっているのは、それらが AGB 進化の最終期にあり、 したがって AGB 先端光度の決定に利用できるという我々の予想を裏付けている。
 等時線 

 パドヴァ等時線から、 NGC 147 は Z = 0.0019, NGC 185 は Z = 0.0015 と分かる。等時線の V-I ≥ 2.5 mag 部分にはマスロスによる減光効果 が含まれている。図2,3から明らかなように LPVs の大部分は数 Gyr であり、最も若くて 0.4 - 0.5 Gyr である。





図4.点は Marigo08 モデルから。赤線=スーパー AGB 期を内挿した。

 3.方法: SFH 


表1.log M = a K + b とした時の係数 a と b. μ147=24.15

 方法は Javadi et al. (2011), Rezaei et al. (2014) と同じなので略する。

 赤化補正は、

  Ko = K - 0.24 [(I-K) - 2.6]    (LPVs)

  Ko = K - 0.59 [(J-K) - 1.4]    (炭素星)


(LPV は O-リッチとして赤化補正 しているらしい。そして、LPVs は (I-K)o = 2.6, 炭素星は (J-K)o = 1.4 に固定している。Ko 等級は明るくなり過ぎる危険がある。すごくキケン! )

表2.log t = a log M + b の係数 a と b.


表3.変光期間 相対比の表式計数





図5.メタル量が過去一定と仮定した場合の星形成史

 4.結果:SFHs 

 4.1.メタル量が過去一定と仮定した場合 

 NGC 147 

 NGC 147 のピークは 7 Gyr 昔 log t = 9.85 で、1.3 Gyr の間 0.02 Mo/yr レベルを保った。その後 4 - 6 Gyr は 0.003 - 0.005 Mo/yr に低下した。 一時 0.014 Mo/yr に上がったが、その後は 0.003 - 0.005 Mo/yr に戻ってい る。
 NGC 185 

 SFR は 8.3 Gyr 昔に突然短期の活動を迎えた。ピーク値は 0.06 Mo/yr で あった。その後急落した SFR は 0.2 Gyr 前まで 0.006 - 0.008 Mo/yr であった。MGC 185 質量 2.4 108 Mo の 54 % は t = 10.2 - 7.6 Gyr に作られた。この比率は NGC 147 と同じくらいであるが、形成期間は 半分である。





図6.メタル量が変化する効果。 右は NGC 147. 黒四角:一定値 Z = 0.0019. 赤バツ: log t ≥ 9.2 で Z = 0.0015. log t < 9.2 で Z = 0.0024.
左は NGC 185. 黒四角:一定値 Z = 0.0015. 赤バツ: log t ≥ 9.2 で Z = 0.0012. log t < 9.2 で Z = 0.0019.


 4.2.古い種族と若い種族でメタル量を変えた場合 

 図6に古い種族と若い種族でメタル量を変えた場合の SFHs を示す。
 古いピークは高くなったが若いピークはほぼ消えてしまった。





図7.メタル量一定だが、その値が変わった時の効果。

 4.3.メタル量の全体的な効果 

 図7を見ると低メタルにすると形成ピークは古い方に移ることが判る。  





図8.SFH の動径依存性

 4.4. SFH の動径依存性 

 図8にSFH の動径依存性を示す。内側と r > の最外側とではファクター 5の強度比が」ある。NGC 185 では内側 0.1 kpc に t < 1 Gyr の強い 星形成が見られるが, r > 0.5 kpc ではそれが全くない。これは図1での NGC 185 の天体分布が強い中心集中を示すことに対応する。NGC 147 の星 形成にはより一様である。  





図.

 5.議論: NGC 185 と比べて異なる NGC 147 の進化 

 NGC 147 

 Han et al 1997 は NGC 147 に主系列星を検出できなかったことから、NGC 147 では星形成が 1 Gyr ほど前に停止したと結論した。彼らはまた、中心部の メタル量が高く、周辺にかけて低下することを見出した。我々も独立に同様な 見解に達した。特に星形成は 0.3 Gyr 昔に止まっている。星形成は 7 - 3 Gyr 昔が最も盛んであった。仮に、若い星が高メタルで古い星は低メタルと仮定す ると、星形成が盛んになる時期は昔にずれて 8 Gyr からとなる。これらの結果 は内側 2'x2' のNIR 観測から最近の活発な星形成は 3 Gyr 昔であったという Davidge 2005 と合う。

 NGC 185 

 NGC 185 では Martinez-Delgado, Aparicio 1998 が 7.2' x 7.2' 領域で可視 測光からメタル量勾配を見出した。Martinez-Delgado, Aparicio, Gallart 1999 は SFH を研究し、星質量の多くが早いうちに生まれたが、干し形成は.1 Gyr 昔 まで続いたとした。彼らは 1 - 15 Gyr 以前の平均星形成率を 0.008 Mo/yr と し、最近 1 Gyr は 0.0007 Mo/yr とした。我々の方法は異なるが彼らと驚くほど 一致する結果を得た。我々の結果では、星形成は 8 Gyr 昔に鋭いピークを示し、 r < 170 pc 内では星形成が 0.2 Gyr 昔まで続いた。Davidge 2005 は NIR 測光に基づき、最も最近の星形成は 1 Gyr 昔であった、NGC 147 よりずっと 新しい、とした。

 星形成の凍結(quenching) 

 図9に累積星形成史を示す。図を見ると NGC 185 の方が NGC 147 より星形 成が早かったことが明らかである。また、 NGC 185 の最近星形成は質量の点 では重要でないことも分かる。 Weisz et al 2014 は、宇宙再電離の前までに 70 % 以上の星質量を形成し終えた銀河を「化石」銀河と呼んだ。この定義に よれば、 NGC 147 も NGC 185 も化石銀河ではない。累積星形成率が 70 % に なるのは、NGC 147 で 6 Gyr 昔、NGC 185 では 8 yr 昔である。Weisz15 では さらに進んで 90 % の星質量が形成された時が "quenching" であるとした。

 ガス還流 

  Martinez-Delgado et al. (1999) は dEs の星形成が初期の星からのガス還流で維持されていると述べた。これが NGC 185 における最近の星形成を説明するかも知れない。NGC 147 における ISM の欠落はラム圧か潮汐力に依るのかも知れない。

図9.NGC 147 と NGC 185 の 6.5' x 6.6' 累積星形成史。





図.

 6.まとめ 

 星形成の開始 

 星形成は NGC 185 では 8.3 Gyr 昔にピークに達した。 NGC 147 ではそれ より遅れ、 7 Gyr 昔である。

 星形成の継続 

 NGC 185 では過去 6 Gyr の間低レベルの星形成が続いた。中心では 0.2 Gyr 昔の星形成が認められる。周辺ではもっと早く星形成は停止した。 NGC 147 では星形成が盛んだったのは 3 - 6 Gyr 昔であるが、過去 0.3 Gyr の間星 形成は停止している。

 星質量 

 星の総質量は NGC 185 で > 2.42 108 Mo である。 NGC 147 で > 1.16 108 Mo である。
 累計星形成 

 星質量の 70 (90) % が作られるのは NGC 185 で log t = 9,90 (9.56), NGC 147 で log t = 9.71 (9.55) である。

 以前の研究との比較 

 独立な方法であるが一致した。

 シナリオ 

 NGC 147 は NGC 185 より遅れて M31 周辺に登場した。しかし、軌道が M 31 に近いため, ISM が残らず, 最近の星形成も停止したままである。


 付録 


図A1.


図A2.


図A3.


図A4.


図A5.


図A6.


表A1.


表A2.