Exploring Wind-Driving Dust Species in Cool Luminous Giants
II. Constraints from Photometry of M-Type AGB Stars


Bladh, Hofner, Nowotny, Aringer, Eriksson
2013 AA 553, 20 - 34




 アブストラクト 

 AGBs からの質量放出は2段階の過程:(1)脈動衝撃波による大気の浮揚 と(2)形成されたダストの輻射加速、を経ると考えられる。ダストは衝突を 通して周囲のガスに運動量を転移し、ガス流出を起動する。M-AGBs の輻射流 体モデルによると、放出流は吸収でなく 0.1 - 1.0 μm サイズの Fe-ナシ シリケイト粒子の光子散乱により駆動される。
 モデル大気は (1) Mg2SiO4 粒子の成長を組み込み、 粒子の吸収と散乱断面積を考慮するモデル、と (2) パラメター化したダスト モデルを使い、化学組成、光学的深さの変化による影響を調べるモデル、の 二種類である。
 (1) = Mg2SiO4 粒子の成長を詳細に記述したモデ ルは M-AGBs の時間変化を上手く説明した。これは光子散乱星風の正しさに支 持を与える。(2)= パラメター化モデルからは、星風駆動源は可視、近赤外 での吸収断面積が低くないと、(V-K) は大振幅でも(J-K) が小振幅という 変光の特徴が出ないことが判る。これは星周ダスト種に制限を与える。
 以上の結果、ダスト粒子に働く光子散乱という星風モデルには、 Mg2SiO3, MgSiO3, SiO2 が 強力な候補である。


 1.イントロダクション 

 炭素星星風ダストは上手く説明する 

 炭素星の場合、カーボン粒子に働く輻射圧により星風が駆動されるモデル は様々な観測結果とよい一致を示す。それらは、 Winters et al. (2000), Gautschy-Loidl et al. (2004), Nowotny10, Nowotny11, Sacut011 による 高分解分光、測光、干渉計観測 である。

 シリケイトは? 

 M-型星の場合、現実的なモデル構築 Jeong03 は困難である。特に星周ダス トの組成を決めることが難しい。 Hofner09. 様々な種類のダストの特徴が MIR 観測に現れている Dorschner10, Molster10 が、以下の条件を満たす粒子 は殆どない。
(i) 星の近傍で形成可能。
(ii) 豊富な物質から成る。
(iii) 近赤外で断面積が大きい Bladh, Hofner2012.

 Mg2SiO3 と [Mg,Fe]SiO3 

 はモデルとしてよく上げられる。9.7, 18 μm 帯は星周層にシリケイトが 豊富に存在することを示す。しかし、星風機構に重要なのはダストの MIR で なく NIR での光学的性質である。シリケイトの場合、近赤外の吸光効率は Fe 量に強く影響され、高 Mg 比シリケイトは NIR で著しく透明となる。 Woitke (2006) は、ダスト形成を組み込んだ波長依存星風モデルを用いて、星の近傍ではシリ ケイトダストは Fe を含まないことを示した。 Fe シリケイトは星近傍で高温 になり過ぎ、蒸発してしまうからである。しかし、近赤外で低断面積の、鉄を 含まないシリケイトでは星風起動には力不足である。
 偏光干渉観測 

 Hofner08 は Fe ナシシリケイトの光散乱が星風を駆動すると述べた。 星からの輻射はピーク波長が 1 μm 付近であるので、散乱が有効となるに は 粒子径が 0.1 - 1 μm の必要がある。他波長星像マスク偏光干渉計を 用いて、 Norris12 は 3つの M-AGBs で大気近傍に粒径 0.3 μm の粒子が 存在することを明らかにした。ダストの散乱光は星の周りに光暈を形成し、 その偏光ベクトルは光球の接線方向となる。彼らの結果は粒径が星風を起動す るのに必要な大きさにまで成長することを観測から支持する。

 MIR 干渉計 

 Sacuto13 は MIR 干渉計で RT Vir を観測し、恒星近傍にシリケイトが存在 することを確認した。ただ、そのように長波長だと結果が粒径にあまり依存し ない。Feフリーシリケイト NIR で透明なため、 NIR 星周減光は非常に低い。 それが Tej03 の星風ナシモデルが可視、近赤外観測スペクトルを上手く再現 できたかの理由である。

 時間変化 

 この論文では、散乱モデルの合成スペクトルを M-AGBs の観測結果と比較する。 観測星は LPVs であり、そのカラーや等級は時間変化するので、その比較から 力学モデルをテストすることが可能である。我々はまた、 Bladh, Hofner2012 で導入された





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