2KCCDカメラ観測マニュアル

2011.06.27 改訂(フィルターの表にいくつかのテキストデータを加えた)
2010.05.07 改訂(フィルターフォーカス値訂正 777,813 )
2009.10.05 改訂(フィルターフォーカス値訂正 N668 )
2009.10.02 改訂(フィルターフォーカス値訂正 N668,N657 )
2008.02.21 Filter Focus値 改訂
2005.12.14 改訂(フィルター特性表訂正)
2005.06.29 改訂(Hαフィルター特性図追加)
2004.06.21 改訂(ドームフラット制御)
(2001年07月24日更新:青い文字で日付と一緒に書き加えてあります)
1) 立ち上げ時の簡略化。2)autoスクリプト中のヘッダー変更コマンド追加。3)プログラムの信頼性向上を図る。の3点が新しくなりました。以下の内容を確認下さい。
注)MessiaIV移行の現行値
  1. カメラの基本仕様
  2. フィルターの波長特性
  3. 観測
    1. カメラ本体の電源の投入

    2. Messia IVの立ち上げ

    3. 観測用コマンド

    4. マクロファイルによる制御

    5. 観測終了
  4. トラブル対策
  1. カメラの基本仕様

    2KCCDカメラではSITe社のSI424ABを用いています。それぞれの諸定数は以下の通りです。
    カメラの仕様
    検出器 SITe 2048×2048 SI424AB裏面照射型ARコーティング
    画素サイズ 24μm×24μm
    受光面サイズ 49mm×49mm(シュミット主焦点で51'×51')
    分解能 1.5''/pixel
    データサイズ 8MB/フレームFITS
    露出時間制限 5秒<露出時間<60分(虹彩絞り型シャッター、宇宙線)
    ペデスタル(バイアス) 4,200ADU
    読みだしノイズ (注)56.0e- 2000/10/30現在の値
    変換効率 3.3e-/ADU
    限界等級
    (exp=15min)
    (S/N=10:seeing=3arcsec)
    U=20(sky=21mag/square arcsec)
    B=21(sky=22mag/square arcsec)
    V=22.5(sky=21mag/square arcsec)
    R=21(sky=19mag/square arcsec)
    I=21(sky=18mag/square arcsec)
    スループット
    (望遠鏡光学系込み)
    U:9.5%
    B:35%(2004.03.20 富田氏@和歌山大 提供)
    V:36%(2004.03.20 富田氏@和歌山大 提供)
    R:35%(2004.03.20 富田氏@和歌山大 提供)
    I:未測定
    0.05%の直線性保証範囲 γ=0.998642(500<ADU<40000)( 図はこちら )
    標準フィルター Johnson-Cousins UBVRI 10cm角
    フィルター搭載枚数 12枚 ( 写真はこちら )
    デュワー窓材 HOYA-N50(φ100mm)
    シャッター COPAL製φ80mm
    動作温度 〜 -100℃
    暗電流 1e-/60min/pixel(-120℃)
    冷却方式 冷凍器(イワタニS007:77K、8W、空冷式)
    温度コントロール 温度コントローラ(Lakeshore mode1330)による
    温度安定性 1〜1.5K/夜(20ADU/夜)
    カメラコントローラ Messia IV
    制御用計算機 Sun Sparc-4/Classic(48MB, 9GB)
    ADC/Clockドライバー ADC4チャンネル、Instrument24チャンネル

  2. フィルターの波長特性及びフォーカス値

    The list of filters and focus values
    FilterCenterWidthMax T.Filter curveFocus value
    Name(AA)(AA)(percent)FigureTablevalue (mm)Date
    U368052068U.pdf 25.752009.Mar.11
    B4402111089B.pdf 25.722009.Mar.11
    V597852561V.pdf 25.952009.Mar.11
    R6475145084R.pdf 25.952009.Mar.11
    I8035155094I.pdf 25.972009.Mar.11
    Ha641764178586Ha6417.pdfHa6417.dat27.102009.Mar.11
    Ha657765778585Ha6577.pdfHa6577.dat27.102009.Mar.11
    Ha673767378587Ha6737.pdfHa6737.dat27.102009.Mar.11
    N499499012091N499.pdfN499.dat26.922009.Mar.11
    N519519013094N519.pdfN519.dat26.882009.Mar.11
    N487487011099N487.pdfN487.dat26.902009.Mar.11
    NB-1410017854NB-1.pdf 26.102009.Mar.11
    NB-2425017264NB-2.pdf 26.102009.Mar.11
    NB-3442021874NB-3.pdf 25.902009.Mar.11
    NB-4460019772NB-4.pdf 25.852009.Mar.11
    NB-5478020375NB-5.pdf 26.002009.Mar.11
    NB-6496019279NB-6.pdf 26.202009.Mar.11
    NB-7515021684NB-7.pdf 26.252009.Mar.11
    HK430510794HK.pdf 26.202009.Mar.11
    777779016495777.pdf 26.902010.Apr.22
    813815012496813.pdf 26.902010.Apr.22
    N65765774084N657.pdfexcel file26.802009.Oct.02
    N66866807287N668.pdfexcel file26.652009.Oct.05
    4Dprism---- 26.982009.Mar.11

    1. 冷却は冷凍機を用いています。
    2. CCDはmessia IV(2000年10月末まではmessiaIII)によって制御され、データはayameに格納されます。
    3. U(3000ÅからI(9000Åまで20%以上の感度があり、Z(11000Åまで伸びています(下図参照)。 フィルターはU、B、V、R、Iの広帯域フィルターが用意されています。(上図参照)
    4. Rフィルターは2001年12月25日より 昭和機械製作所製の新しいフィルターも装填されています。(特性曲線はこちら)(2002Jan02)
    5. 画像には1〜10コラムと2041〜2047コラムにoverscan領域があり、それを含めて2047*2047の画像サイズになります。
    6. チップ1にはひっかき傷状のbad pixelが150所あり、そのcolumnのそのpixelから先のpixel には転送漏れが生じています。3枚以上line方向にずらして撮像し、imcombineで3σrejectionを行なうことでこの影響は軽減することができます。
  3. 観測

    観測準備は、2つに大別する事が出来ます。一つは、カメラ本体の電源投入、もう一つはカメラ・コントローラ関連の立ち上げです。これらの操作には順番がありますので、これから示す手順にしたがって操作を行って下さい。手順を守らない場合には、検出器の破壊につながる事があります。
    1. カメラ本体の電源の投入

      カメラ本体の電源は、3つの直流安定化電源から供給されます(下図参照)。電源投入には順序がありますので注意して下さい。

      1. 各電源のメインSWをONする。
        1. SEVAC(左)は、パネル左下のスナップSWを上に上げる。
        2. KENWOOD(中)は、パネル左下のプッシュSWを押し込む。
        3. KIKUSUI(右)は、パネル左下のスライドSWを右にスライドする。
      2. 電源電圧をチックする。 
        1. SEVAC(左)は、約+26V。
        2. KENWOOD(中)は、+6.3V、−6.0V。CHANNELボタンが“3”になっていることを確認すること。
        3. KIKUSUI(右)は、±16.3V。
      3. OUTPUT SWを押して、本体の電源を入れます。次の順番を守って下さい。  
        1. KENWOOD(中)は、パネル右上の赤いSWを押す。
        2. KIKUSUI(右)は、パネル右下のプッシュSW(中央に赤いLEDが付いたSW)を押し込む。
        3. SEVAC(左)は、右下のスナップSWを上に上げる。
      4. 電源投入後の電流値が下記の数値か確認して下さい。  
        1. SEVAC(左)は、殆ど0Aでメーターはふれない。   
        2. KENWOOD(中)は、0.35A (+6.3V)、0.15A (−6.0V)。   
        3. KIKUSUI(右)は、0.17A (+16.3V)、0.1A (−16.3V)。


    2. Messia IVの立ち上げ

      CCDの制御・データ取得はSUN 'ayame'のMessiaIVプログラムで行ないます。
      • account は klccd です。パスワードは所員に訪ねること。
      • login後、ayame>xinitと入力すると、観測用のX-windouが立ち上がります。
      • ktermで、>cd messia4/localとします。(このdirectoryにはフィルターの対応表filter.tabがあります。また、messia4/local/auto/ディレクトリには自動観測用マクロが集めてあります。ただし、自分でマクロを制作する場合はmessia4/local/auto/の下に自分のdirectoryを作ってその下に各自で保管してください。)
      • messia_newとすると自動的に初期化を行ない、messiaプログラムが立ち上がります。またmessiaのGUIも同時に立ち上がります。初期化に2分ちょっとかかりますがお待ち下さい。(2001/07/24)GUIの画面を下に示します。

      • messiaプログラムが立ち上がるとROOT)というmessiaのプロンプトが表示されます。実際の観測にはOBSと入力することでOBSプロンプトに変わり観測の制御が可能になります。 まちがって[END]ボタンを押してGUIが消えてしまった場合は、GUI画面だけを別プロセスとして立ち上げることができます。その場合はsoftディレクトリから"messia-gui &"とキーインします。これで初期画面(GUI)とまったく同様に使うことができます。

      • GUIで画像を格納するdirectoryを指定、観測者名、object名、他を記入し[SetUp] ボタンをクリックします。以後はそれらのデータがヘッダーに記入されるようになります。(必要な時は随時変更して下さい。)
      • 現在セットされているフィルターをfilter.tabに記入し、また壁のホワイトボードに記入します。
    3. 観測用コマンド

      観測に用いるMessiaIVの基本的なコマンドを示します。なお、lc 或は?でコマンドの一覧を見ることができます。コマンドはユニークに決まる分だけ入力すれば十分です。

      • OBS)filter R :フィルターをRにします。2KCCDではfilterの引き数のフィルター名がfilter.tabに書き込まれているときはそのフィルターにセットします。filter.tabに対応するフィルターがないときは現在セットされているフィルターが外されます。
      • OBS) filter : 現在装填されているフィルター名を示します。
      • OBS) bias : バイアスをとる。
      • OBS) flat 20 3 : 20秒のフラットを3枚撮る。単にexpでとるとheaderのOBS-TYPEが天体画像と同じOBJECTとなりますが、flatを使うとFLATとなり、解析の時便利です。
      • OBS) exp 20 : 20秒露出。画像はFITS形式でkcd#####.fits に保存されます。
      • OBS) auto [RET] とし、file name を入力すれば自動観測を行なうことができます。ここでfile name はバイアス用のマクロファイル(自動実行用のコマンドを記述したもの)の名前です。file name でdirectory/file nameとすればdirectoryに格納されたファイルを読み出して実行します。なお、マクロファイルではバイアス等を取得するコマンドが微妙に違うので次節の例を参照しながら作成して下さい。
      • コマンド一覧
        * bias  3       : biasフレームを3枚取得(注:autoの場合はbias 0 3)
          exp   100  3  : 露出時間100秒のフレームを3枚取得
          filter  R     : Rフィルターをセット(注:テーブルに登録の物のみ入る)
          flat  100  3  : 100秒のフラットフレームを3枚取得
          dark  100  3  : 100秒のダークフレームを3枚取得
          auto          : auto用マクロファイル実行コマンド
          wipe          : CCDに蓄積された電荷のクリアコマンド
          read          : CCDから読み出してファイルを作成(注:ファイルは上書)
          sopen         : シャッターOPEN
          sclose        : シャッターCLOSE
              
    4. マクロファイルによる制御

      2KCCDを制御するayameから望遠鏡の制御コマンドを送ることができます。また、それらのコマンドを以下のようなファイルにすることで、マクロとして実行することが出来るようになります。

      • 新制御系のコンソール(ontake)で Command Control Window からmac ayameと入力します。同機能はProcess Control Window のワークステーション名をマウスでクリックすることで得られます。
      • マクロファイルの例は ~/soft/auto/ディレクトリの下に(大文字ファイル名)ありますので参考にして下さい。
      • コマンド一覧
        * bias  0  3             : biasフレームを3枚取得(注:通常のコマンドとの違いに注意!!)
          flat   60   2          : フラット画像60秒を2枚取得
          dark   30   3          : ダーク画像30秒を3枚取得
          sopen  10              : シャッターを10秒間開く
          filter R               : フィルターをRに交換する
          object 600  3          : 天体の600秒露出を3枚取得する
          read                   : CCD上のデータを読み込む
          wipe                   : CCDをwipeする
          title  M31             : フィッツヘッダーのタイトルを『M31』と書き換えます。(2001/07/24)
          end                    : スクリプトを終了する
        
        <以下はドームフラットコマンド>
          domeflat lamp on       : ドームフラットランプを点灯する。
          domeflat lamp off      : ドームフラットランプを消す。
              
        <以下は望遠鏡制御コマンド>
          pause                  : しばらくの間動作停止
          fst  25.00             : 望遠鏡のフォーカス値をセット
          dad  120.0  -120.0     : 望遠鏡のα、δ軸をそれそれ120.0",-120.0"角振る
        
        注:dad以外の望遠鏡関連コマンドもほとんど全てが利用可能です。(所員にお聞き下さい)
              
      • auto[RET]、file_name[RET]とすればマクロファイルが実行されます。

      ファイバー・フラットの取り方(非公開)

    5. 観測終了

      • 終了手順

        OBS) exit[RET]と入力すれば、MessiaIVを終了します。また、カメラ電源の切断は投入順序の逆順で行って下さい。望遠鏡やオートガイダー等の終了方法については2章を参照します。

  4. トラブル対策

    Q:望遠鏡のプログラムを立ち上げ直したが、messia_newプログラムも再立ち上げすべきか?
    A:はい、立ち上げ直してください。最近何故か立ち上げが必要となりました?。申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。(2001/07/24)

    Q:星像が非常に大きい、暗い星がリング状に見える。
    A:おそらくfocusがあっていません。HPのフォーカスリストを確認してください。

    Q:コントロールパネルが効かない(ミラーカバーが閉まらない等)。
    A:新制御系ではコントロールパネルは効かないので、GUI画面で操作してください。

    Q: 望遠鏡コントロールGUI画面での操作ができない。(POINT, RESTを押しても動作しない)。
    A: WSをPIOとの通信が出来なくなった可能性があります。X-Windowを抜けて、もう一度X-Windowを立ち上げてGUIで操作して見て下さい。

    Q:シャッターが故障で閉まらなくて望遠鏡を制御プログラムで動かせないが、観測はしたい。
    A:移動ボタンを用いて目的の位置に動かすことはできます。

    Q:messiaで観測中[ctrl-c]で終了すると次の画像が乱れる。
    A:読みだし中などに[Ctrl-c]で止めるのは非常識の部類である。[wipe]、[read]で直ると言われていますが、AUTOモードのデータ取得が異常をきたしていることがありますので、短いAUTOで確認した方が無難です。これでもだめならmessiaを抜け、CCDカメラの電源も落として再度立ち上げます。

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