.cub ファイルには三次元データが記述される

基本構造

拡張子".sdb"のファイルには三次元データが格納される。 ひとつのファイルがひとつの三次元キューブに対応する。 このファイルはUNIX-OSあるいはLinux-OSによって直に扱われるので、 ふつうに mv, cp, rm, ls することができる。 ファイル中には、データの値、および"header"と呼ばれるデータが含まれる。

ヘッダ

.cub ファイルおよびフローには、ヘッダとして次の情報が含まれる。 number, name, etc.は値の種類(numberなら数字 ...など) あるいは可能な選択肢を示す。
それらはCにおける構造体のメンバーに相当するが、 同じ名前ではない。詳細は開発者向けのページを参照のこと。

  1. "システムヘッダ"
    .scn ファイル と同じ。
  2. "観測パラメータ"
    .scn ファイル と同じ。
  3. "天体情報"
    .scn ファイル と同じ。
  4. "望遠鏡/アンテナ情報"
    .scn ファイル と同じ。
  5. "受信機情報"
    .scn ファイル と同じ。
  6. "バックエンド/検出器情報"
    .scn ファイル と同じ。
  7. "観測ログ"
    .scn ファイル と同じ。
  8. "軸"
    dimension number
    データの軸の数。現時点では 3 に固定。
    order 'xyz'
    ファイルアドレスにおける軸の順序。 最初の文字はアドレスの変化が最も小さい軸を表す。 最後の文字はアドレスの変化が最も大きい軸を表す。
    x,y,z axes in this order
    axis_name name
    軸の名称あるいはラベル。16 文字以内。
    l - 銀経
    b - 銀緯
    RA - 赤経
    Dec - 赤緯
    az - 方位角
    el - 高度
    v - 速度
    size number
    軸に沿った画素数。
    axis_type type_name
    軸のタイプ。8 文字以内。
    long - 経度
    lat - 緯度
    velocity - 速度
    freq - 周波数
    unit unit_name
    軸の単位。8 文字以内。
    pixel - 単なる番号
    degree - 度 (経度あるいは緯度)
    km/s - km/s (速度)
    project type
    投影法の ID 名称。8 文字以内。ほとんど FITS の projection ID と同じ。
    linear - as is
    arc - linear と同じ (linearを使うことが推奨されている)
    tan - Gnomic
    sin - Orthographic
    stereo - Sterographic
    Mercator - Mercator
    Sinusoid - Sinusoidal
    Parabol - Paraboloid
    Aitoff - Aitoff
    Molweide - Molweide
    refer ID_name
    参照座標系のID名。FITSキーワードの EQUINOX あるいは EPOCH からコピーされるものもある。8 文字以内。
    lb1 - 古い銀河座標 (lb-I)
    lb2 - (新しい) 銀河座標 (lb-II)
    B1950.0 - B1950.0 分点
    J2000.0 - J2000.0 分点
    LSR - 局所静止基準
    helio - 太陽に対する速度
    delta value_in_axis_unit
    ピクセルの間隔。
    origin value_in_axis_unit
    基準となるピクセルの位置。単位は軸の単位と同じ。
    pixel_origin value_in_pixel
    基準点のアドレス。cub中の最も小さいアドレスは0で、1ではない。
    rotation value_in_degree
    axis_name方向からの軸の回転角。
    resolution value_in_axis_unit
    軸に沿った実効分解能。
    point_spread_function name_of_function
    軸に沿った point spread function の関数名。
    gauss - Gaussian
    box - boxcar
    original_resolution value_in_axis_unit
    軸に沿った もとの分解能。
  9. Section "Data Value"
    type type_name
    データのタイプ。8 文字以内。
    Ta* - 補正済みアンテナ温度
    unit unit_name
    データの単位。8 文字以内。
    K - ケルビン
    scale value
    データのスケーリングファクター。phys_value=A*pixel_value+B における A。
    offset value
    データのオフセット。phys_value=A*pixel_value+B における B。
    dummy value
    空白のピクセルに入れる値。
    max value
    データの最大値。
    min value
    データの最小値。
    mean value
    データの平均値。
    rms value
    データの root mean square。
    noise value
    データの RMS ノイズレベル。
  10. "処理の履歴"
    .scn ファイル と同じ。
  11. "プロファイルデータ"
    **data
    実際の三次元キューブデータ。 この配列は(C言語で「ポインタ」と呼ばれる) メモリアドレスのメモリアドレス配列として確保される。 データにアクセスするためには、StarGetCubeData()やStarPutCubeData()などの UltraSTAR標準ライブラリの関数を使うこと。 アドレスは1からでなく0から始まる。

参照

cubheadls

バグ

履歴

ver.4
1999/7/28 T.Handa

マニュアルのバージョン

1999/12/27 T.Handa
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