baseline
名称
baseline - ベースラインフィットをおこなう
使用法
baseline [ -size size_of_window ] [
-ch channel_range | -v velocity_range ] [ -T
temperature_range ] [ -gui | -nogui | -cui | -nocui ] [
-order fitting_order_of_polynomial ] [ -v_fit
ranges | -ch_fit ranges ] [ -clear | -keep ] [
-P printer ]
機能
多項式によるベースラインフィットをおこなう。スプリアスフラグの立ったチャンネルはフィッティングには用いられない。GUIによって対話的に処理をおこなうことも、コマンドラインでのCUIによってバッチ処理をおこなうこともできる。
このコマンドにより以前のベースラインフラグはクリアされるが、次のページに表示されるプロファイル上のベースラインの範囲は保持される。
"next"以外のメニューバーのボタンをクリックしても、実際にはベースラインフィットは適用されない。
フィルタ種別
.scn | baseline | .scn
オプション
- -displayのようなX11標準のオプションもすべて有効である。
- -size size_of_window
- GUIモードでのみ有効である。ウインドウのサイズを -geometry
と同様に指定する。ただし単位はcmである (モニタの解像度は72
dpiを仮定している)。
- -ch channel_range | -v velocity_range
- GUIモードでのみ有効である。表示範囲を","で区切った二つの数値で指定する。単位は、-ch
の場合はチャンネル、-v
の場合はkm/s単位のLSR速度である。たとえば、
-v -20,60
は -20 km/sから60 km/sまで の速度範囲を示す。
速度範囲を指定せずにオプション -v
を使うと、プロファイル全体が表示される。このときの横軸はkm/s単位のLSR速度である。
- -T temperature_range
- GUIモードでのみ有効である。表示範囲を","で区切った二つの数値で指定する。単位はKである。たとえば、
-T -10,60
は -10 K から 60 K まで の強度範囲を示す。
- -gui | -nogui | -cui
- これらのキーワードはコマンドのモードを指定する。キーワード
-gui および -nocui
により対話的な処理をおこなう。キーワード -cui
および -nogui
によりバッチ的な処理をおこなう。GUIモードでは、作業ウインドウ上でフィッティングのパラメータを指定・変更することができる。ほとんどのパラメータはウインドウ上部のメニューバーから選択できる。ボタン"next"によりベースラインが適用され、次のステップに進む。GUIモードについての詳細は次のセクションを参照のこと。
- -order fitting_order
- フィッティングに用いる多項式の次数を指定する。
- -v_fit ranges | -ch_fit ranges
- -v_fit または -ch_fit
によってベースラインフィットの範囲を指定する。ranges
はひとつの語(すなわち、空白を含んではならない)で、":"
で区切られたひとつ以上の範囲からなる。それぞれの範囲は ","
で区切られた二つの数値で指定される。たとえば、
-v_fit -20,30:50,60
では、 -20 km/s から 30 km/s までと 50 km/s から 60 km/s
の二つの速度範囲がフィッティングに使われる。
-v_fit -50,-30:-10.5,0.3:1.4,2.0
は三つの速度範囲をあらわす。
- -keep | -clear
- 処理前のベースラインフラグの保持/クリアを指定する。
- -P printer
- プリントアウトのためのプリンタ名称。プリンタは PostScript
をサポートしている必要がある。
パラメータ
-P オプションは .prm ではサポートされない。
デフォルト
- -size 15x20 -order 1 -cui -keep -prm baseline.prm
- -ch
- プロファイルの全範囲がチャンネルを横軸として表示される。
- -T
- 表示速度(チャンネル)範囲内のプロファイルがウインドウ内に収まるように自動的に強度方向のスケーリングがおこなわれる。
- -ch_fit, -v_fit
- フィッティングの範囲は割り当てられない。
環境変数
- DISPLAY のような X11 の環境変数もすべて有効である。
- PRINTER
- プリントアウトのためのプリンタ名称。OS の lpr
コマンドを参照。
GUI
- メニューバー
- next
- 表示されているプロファイルに対する処理を終了して次のプロファイル(次のプロファイルがなければ、パイプラインの次の処理)に移る。"fit"
ボタンを押す前にこのボタンを押すと、正しくないプロファイルが次の処理に渡されてしまう。
- fit
- フィッティングを実行する。"next"ボタンを押す前に実行しなければならない
- reshow
- 処理後のプロファイルを緑線で表示する
- order
- フィットする多項式の次数を変更する
- clear
- ベースラインの範囲をオリジナルも含めてすべてクリアする
- retry
- フィッティングの手続きを中断し、元のプロファイルに復帰する。"-keep"
オプションが指定されていた場合には、元のベースライン範囲も復帰される
- print
- ウインドウの内容をプリントする
- quit
- プロセスをすべて中断する
- メインウインドウ
- 十字カーソル
- ベースラインの範囲を指定する。横方向の位置のみ有効
- 青線
- もとのプロファイル
- 緑線
- 処理後のプロファイル
- 赤線
- フィットされたベースライン
- 水色の長方形
- ベースラインフラグされた範囲。長方形の高さはrmsの6倍
- ピンクの長方形
- スプリアスフラグされた範囲
参照
display,
pipewait
バグ
- GUIモードで使用する場合、画面表示が2ページ以上にわたるほど多数のプロファイルを一度に処理し、かつ、X11を使う(複数プロファイルを一度に表示するようになっている)他のコマンドと一緒に使用する場合には、pipewait
コマンドを直後に使用すること。詳細はpipewaitを参照。
- GUI モードで "fit" ボタンを押さないまま "next"
ボタンを押すと、正しくないプロファイルが次の処理に渡されてしまう。
- GUIモードの場合、表示されている範囲の外側を十字カーソルで指定すると、水色の長方形は表示範囲の端に合わせて選択範囲を表示するが、実際には、指定位置に対応するチャンネル又は速度範囲が選択されることになる。対応するチャンネルがデータとして有効なチャンネル範囲(表示されている範囲ではなく)より外になっている場合に限り、選択チャンネル範囲は自動的に有効チャンネル範囲に収まるように調整される。
- -ch, -v オプションは -gui
モードとともに用いた場合のみ有効である。モードの自動変更は行われない。
履歴
- ver.1.00
- 1995/1/20 T.Oka and O.Kimura
- ver.3.25
- 1998/5/21 T.Handa
マニュアルのバージョン
1998/5/23 T.Handa
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