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観測手順書について(3) - OHSの場合 -

ここでは観測手順書のコマンド部について、 OHSに特有の場合を説明する。

OHS/CISCOのセットアップ

##########  Set Up  ##########
SetupOBE $DEF_OHS PATH="/home/messia/data/000000"

##########  Shut Down  ##########
ShutdownOBE $DEF_OHS MODE=ALONE

CISCOのときと異なるのは $DEF_CISCOが$DEF_OHSになったことである。 これにより、OHSの各種カバーの開閉を併せて行うようになる。

撮像観測 (目標天体)

## HDF OHS Imaging
#FOCUS & Pointing Check
ReSetupOBE $DEF_OHS Filter="H"
SetupField $DEF_IM $HDF
TelOffsetByVGW $DEF_CISCO
TelOffsetByQDAS $DEF_CISCO SKYSUB=OFF EXPTIME=2 SLITX=30.0 FILTER="H"

#Setup
SetupField $DEF_IMV $HDF I_BOTTOM=3000
AGCenter $DEF_CISCO
GetSky $DEF_CISCO EXPTIME=20 NSAMPLE=1 FILTER="H" SLITX=30.0
ProbeOffset $DEF_CISCO DX=0.0 DY=50.0
ProbeOffsetByQDAS $DEF_CISCO SKYSUB=ON
AGOffsetByQDAS $DEF_CISCO SKYSUB=ON

# H
CheckField $DEF_CISCO EXPTIME=50 FILTER="H"
GetObject $DEF_SP2 $HDF NFRAME=12 DITH=10.0
OHSQL $DEF_OHS
AGOffset $DEF_CISCO DX=0.0 DY=0.0
GetObject $DEF_SP2 $HDF NFRAME=12 DITH=10.0
OHSQL $DEF_OHS

OHSの撮像はCISCOの場合と異なり、目標天体を必ずダークレーン上に載せて 観測を行う必要があるため、以下のような手順を踏む。


フォーカスとポインティングチェック

OHSで観測する天体は通常非常に暗く、OHSの夜光除去領域に直接載せ込めない限り観測は非常に困難である。 このため、まず近くの星で望遠鏡のポインティングチェックを行う( # FOCUS & Pointing Check)。

  1. まず ReSetupOBEで CISCOとOHSのスリットを開き、フィルターを H にする。このコマンドと次の SetupFieldを連続して実行しすれば望遠鏡を向けている間にこの作業を行 うので時間の節約になる。

  2. 次に SetupField$B30930で定義されている方向に望遠鏡を向ける。

  3. TelOffsetByVGW で近所のV=12等程度の星に向ける。

  4. TelOffsetByQDAS で星とX=524, Y=530とのピクセルのずれをチェックする。 このずれは記録しておき、あとで用いる。


フィールドのセットアップ

次に # Setup以下でフィールドのセットアップを行う。

  1. もしフォーカスとポインティングチェックを行っておらす、直前まで分光をしていた場合は ReSetupOBEで CISCOとOHSのスリットを開き、フィルターを H にする。このコマンドと次の SetupFieldを連続して実行しすれば望遠鏡を向けている間にこの作業を行 うので時間の節約になる。

  2. SetupField$B30930で定義されている方向に望遠鏡を向ける。 この時、引数に$DEF_IMではなくて $DEF_IMVで、オートガイドを行う。

  3. AGCenter でAG星をCCDの視野中心に載せかえる。

  4. 次に GetSkyでフィールドチェックの時のスカイの引き算に使うスカイ画像を取得する。

  5. ProbeOffsetで望遠鏡を50ピクセル分(約5 arcsec)南に振って、
  6. ProbeOffsetByQDASでもう一枚画像を取って、その画像を元に望遠鏡を正しいポインティングに振る。 SKYSUB=ONになっているのでクイックルックには先ほど取得した スカイ画像が差し引かれた画像が表示される。
  7. このあと、 AGOffsetByQDASを実行しポインティングの微調整を行う。表示されたクイックルック画像が正しかったら、そのコマンドはキャンセルしてフィールドのセットアップ。
  8. このあと、もう一度 AGOffsetByQDAS を実行しておく。表示されたクイックルック画像が正しかったら、キャンセルしてフィールドのセットアップは完了。

データ取得

# フィルタ名以下でデータ取得を行う。

  1. まず、 CheckFieldを必ず実行する。ここで、フィルターを変える作業と積分時間のセットを行う。

  2. 次に GetObject 実行すればディザリング観測を開始する。OHSの場合は、夜光除去領域(ダークレーン)に沿ってノッディングをする。

  3. データ取得後 OHSQL でクイックルックを行う。

  4. 天体がダークレーン( X=524)の中心に乗っていない場合は AGOffset コマンドで修正し、再度データを取得する。

撮像観測 (標準星)

## Imaging Standard FS201
# Setup
OHSSlit $DEF_OHS SELECT=OPEN
SetupField $DEF_IM $FS201
TelOffsetByQDAS $DEF_CISCO SKYSUB=OFF EXPTIME=10 FILTER="H" SLITX=30.0
# H
GetStandard $DEF_IM2 $FS201 NFRAME=4 DITH=10.0 EXPTIME=10 FILTER="H"
# J
GetStandard $DEF_IM2 $FS201 NFRAME=4 DITH=10.0 EXPTIME=10 FILTER="J"

標準星取得もガイダーを用いないこと以外は同じである。

  1. OHSのスリットが閉じている場合は OHSSlitで 開く。

  2. SetupField で天体の方向に向ける。

  3. 次に TelOffsetByQDAS を用いて星をダークレーン上に導入する。一度で導入できない場合はこれを繰り返す。

  4. それが完了したら GetStandard で観測を行う。標準星取得はダークレーンに沿った2点ディザで行われる。

分光観測 (目標天体)

## B30930 OHS Spectroscopy
#FOCUS & Pointing Check
ReSetupOBE $DEF_OHS Filter="H"
SetupField $DEF_IM $B30930
TelOffsetByVGW $DEF_CISCO
TelOffsetByQDAS $DEF_CISCO SKYSUB=OFF EXPTIME=2 SLITX=30.0 FILTER="H"

# Setup
ReSetupOBE $DEF_OHS Filter="H"
SetupField $DEF_IMV $B30930 I_BOTTOM=3000
AGCenter $DEF_CISCO
GetSky $DEF_CISCO EXPTIME=20 NSAMPLE=1 FILTER="H" SLITX=30.0
ProbeOffset $DEF_CISCO DX=0.0 DY=50.0
ProbeOffsetByQDAS $DEF_CISCO SKYSUB=ON
GetObject $DEF_SP2 $B30930 EXPTIME=50 NFRAME=3 DITH=10.0 SLITX=30.0 FILTER="H" NSAMPLE=1
OHSQL $DEF_OHS
AGOffset $DEF_CISCO DX=0.0 DY=0.0
GetObject $DEF_SP2 $B30930 NFRAME=3 DITH=10.0
OHSQL $DEF_OHS

# JHGr, NORMAL slit
OHSSlit $DEF_OHS SELECT=NORMAL XOFFSET=0.0
CheckField $DEF_CISCO EXPTIME=10 NSAMPLE=1
CISCOSlit $DEF_OHS DX=0.0
CheckField $DEF_CISCO EXPTIME=10 NSAMPLE=1 SLITX=2.0
CheckField $DEF_CISCO EXPTIME=20 NSAMPLE=1 FILTER="JHGr"
GetObject $DEF_SP4 $B30930 NFRAME=1 EXPTIME=1000 NSAMPLE=6 DITH=10.0
GetObject $DEF_SP4 $B30930 NFRAME=1 EXPTIME=1000 NSAMPLE=6 DITH=10.0


フォーカスとポインティングチェック

#FOCUS & Pointing Check以下の部分は 先述したOHS撮像の手順のフォーカスとポインティングチェックチェック と同じで以下のようになる。

  1. まず ReSetupOBEで CISCOとOHSのスリットを開き、フィルターを H にする。このコマンドと次の SetupFieldを連続して実行しすれば望遠鏡を向けている間にこの作業を行 うので時間の節約になる。

  2. 次に SetupField$B30930で定義されている方向に望遠鏡を向ける。

  3. TelOffsetByVGW で近所のV=12等程度の星に向ける。

  4. TelOffsetByQDAS で星がポインティングされた座標を記録しておく。 この座標 (X, Y) はこのあと使うことになる。

フィールドのセットアップ

次に # Setup以下でフィールドのセットアップを行う。

天体導入の手順は天体の明るさによって変わってくる。 ここに記されているコマンドを組み合わせて行うことになる。

OHSのセットアップとデータ取得

以下、スリット導入完了後の部分 ( # フィルタ 以下の部分) を説明する。

  1. まず OHSSlit でOHSスリットを用いるスリット ( SELECT=NORMAL; 1arcsec、SELECT=NARROW; 0.5arcsec) にする。 その後、CheckFieldでスリット像を確認し、 XOFFSET パラメータを用いてOHSスリットの中心が ダークレーンの中心に来るように微調整する。

  2. OHSスリットとダークレーンの位置が揃ったら今度は CISCOSlit でOHSスリットがCISCOのスリット中心( X=524)に来るように調整する。

    調整はCheckFieldでCISCOのスリットを2arcsecに狭めて確認しながら行う。

  3. 最後にCheckFieldでフィルターをグリズムに替える。

  4. GetObject 実行すれば観測を開始する。

分光観測 (標準星)

## Spectroscopic Standard SAO120671
#Setup
SetupField $DEF_IM $SAO120671
CATCHSAO $DEF_CISCO X=304 Y=188
SetupField $DEF_IMV
AGCenter $DEF_CISCO
CheckField $DEF_CISCO EXPTIME=2 NSAMPLE=1
AGOffset $DEF_CISCO DX=-4.0 DY=0.0
CheckField $DEF_CISCO

#Get Standard
GetStandard $DEF_SP4 $SAO120671 NFRAME=3 DITH=10.0

分光標準星(割り算星)の取得は、スリットやグリズムなどは全く動かさずに 行い、CISCOの場合と全く同じ手順となる。


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Kentaro Motohara : kmotohara@ioa.s.u-tokyo.ac.jp