しかしながら、 いちいち装置依存コマンド手で発行するには膨大な手間がかかって面倒くさい。 そこで、ある一連の動作を行うときに発行される装置依存コマンドをマクロ化したものが抽象化コマンド(abstract commands)である。 抽象化コマンドのマクロのことをスケルトン(skelton)と呼び、 各観測装置ごとに用意されている。 実際に観測を行うときに観測者が実行するのはこの抽象化コマンドである。 そして、観測に行う抽象化コマンドを並べたのが観測手順書である。
そこで、われわれはMKOPEFILEというスクリプトを作り、 天体のリストさえ作ればそれが自動的に観測手順書を吐くようにした。 (最新版のMKOPEFILEはここ で入手できる。) これでとりあえず手順書を作る、という手間は何とかできる。
しかし、 やはり観測者が個々の抽象化コマンドを知らないことには実際の観測での判断は行えない。
この文書は、抽象化コマンドリファレンスを一から読むのはちょっと… という方のために、MKOPEFILEが吐き出す観測手順書の動作を解説し、 どのような理念で観測を行うかの一例を示したものである。
それと同時に、観測手順書がどのような構造で、どう動作するのかも解説している。
不明な点があれば、kmotohara@ioa.s.u-tokyo.ac.jp に問い合わせていただきたい。