銀河系 239 炭素星の JHKL 測光を行った。それらをミラ型星と非ミラ型星に 分け、変光の振幅、周期(ミラ型では 222 - 849 d) を求めた。カラー・周期 関係は LMC とほとんど変わらない。平均 JHKL 等級+IRAS+MSX から見かけ 輻射等級を決めた。周期光度関係から決めた光度と合わせて距離を決めた。 | BCK を求め、他のカラーからの BC を定める処方を導いた。 マスロス率を求め、文献値と比較した。炭素星ミラの 1/3 と比率不明の 非ミラ炭素星に R CrB 星に似た不定期な減光事象が発生する。原因は不明。 |
近傍炭素星3部作の第1論文で、南天変光炭素星の近赤外測光の結果 を調べる。 | 北天の炭素星は第2論文 Menzies et al. (2006) 両天の炭素星の運動を第3論文 Feast et al. (2006) で扱う。 |
サンプル星は (1) Aaronson et al 1989 カタログと (2) IRAS PSC から 選ばれ、数年間モニタリング観測が続けられた。 Aaronson サンプルは (H-K)o > 0.8 または K 変光から C-ミラ候補 として選ばれた。それらは表1の第10列で "A" とされている。 | IRAS サンプルは、 LRS=4n, F25/F12 > 0.4, F12 > 40 Jy という 基準で 選ばれた。これらの基準は完全ではない。しかし目的は C-ミラの可能性が 高い星を集めることなので構わない。IRAS サンプルは第10列に "I" と 記されている。 |
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SAAO でのJHK精度は 0.03 mag, L で 0.05 mag である。
3.1.IRAS と MSX 測光![]() 図1.MSX (A-C) -C 色等級図 |
![]() 図2.IRAS - NIR 二色図 ![]() 図3.MSX - NIR 二色図。 |
4.1.周期![]() 図4.PK ここで決めた周期。Plit 他の文献周期。 4.2.変光クラスミラ型星GCVS とは別途赤外変光曲線から変光クラスを定義した。それは 1n: K 振幅 0.4 mag 以上。ミラ型と呼ぶ。 2n; K 振幅 0.4 mag 以下。非ミラ型と呼ぶ。 サンプル中 1n は 165 天体、2n は 74 天体。n の意味は表4に示す。 4.3.平均等級と振幅 |
![]() 表4.変光クラス 1n または 2n の n の意味。 ![]() 図5.カラー K-[12] と振幅 ΔK の関係。 |
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![]() 図6.LMC 炭素星の PLR. |
![]() 図7.白丸=非ミラ。バツ=ミラ、の(J-H) - (H-K) 二色図。 星間赤化補正ナシ。 ![]() 図9.白丸=非ミラ。バツ=ミラ、の(H-K) - (K-L) 二色図。 星間赤化補正ナシ。 |
![]() 図8.黒丸=LMC。バツ=銀河系ミラ、の(J-H)o - (H-K)o 二色図。 星間赤化補正アリ。 ![]() 図10.黒丸=LMC。バツ=ミラ、の(H-K)o - (K-L)o 二色図。 星間赤化補正アリ。 |
![]() 図11.P-(H-K) 関係。バツ=銀河系ミラ。黒丸=LMCミラ。 ![]() 図13.P-(Ko-[12]) 関係。バツ=銀河系ミラ。黒丸=LMCミラ。 |
![]() 図12.P-(K-L) 関係。バツ=銀河系ミラ。黒丸=LMCミラ。 ![]() 図14.IRAS サンプルの P-(Ko-[12]) 関係。バツ=銀河系ミラ。黒丸=LMC。 |
輻射補正を以下の式でフィットし、係数を表5に示す。
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![]() 図15.上:BCK - (J-K)o 関係。 下:BCK - Ko-[12] 関係。 |
Jura 1987 は以下のマスロス式を与えた。![]() その結果を表6に与えた。我々が代入した値は v15 = 19/15 λ10 = 〈λ〉/10 = 0.23 - 1.42 図16をカラーでフィットすると、以下の式が得られる。 ![]() |
![]() 図16.マスロス率とカラー K-[12] の関係。 |
![]() 図17.EV Eri K 光度曲線。 JD 2450700 付近の減光に注意。 ![]() 図18.R Lep. 上:K 光度曲線。下:438日周期を差し引いた残り。 噴出減光の例: R For と II Lup R For(Whitelock97) と II Lup(Feast03) は一時的な急減光をしめした。 これはダスト/ガスの噴出が起きたためと解釈された。類似現象は北天の炭素星 (Alksnis03) にも見られる。これは H-欠乏の R CrB 型星で見られる急減光 と似ている。 噴出減光の頻度 25 回以上の観測がある 18 ミラ中 5 星で噴出減光があった。しかし、観測 期間や頻度が増えればこの割合はさらに高くなるだろう。図8−13を見ると、 噴出ミラの性質と非噴出ミラとの間に差が認められない。全てのミラが噴出 事象を起こす可能性がある。 EV Eri (SR 92) Whitelock97 は周期 228 日を与えた。その後この星は R For, R Lep と似た 減光を引き起こした。この星の IRAS-NIR カラー K-[12]=2.14, [12]-[25]=1.02 は他の非ミラ型炭素星と離れた値である。 |
![]() 図19.IRAS 09164-5349, 10136-5743, 16406-5743 の K-変光曲線。 #印は 2MASS. R Lep (M 154) 図18にこの星の光度曲線を示す。JD 2443700 付近に急減光が見える。 R Vol (M 88) R Vol も Whitelock97 で議論されている。その後次第に明るくなってきてる。 IRAS 09164-5349 (SR 14) 図19に光度曲線を示す。約 1000 d の非常に小さい振幅の変光期間の後、 800 かけて K で 2 mag 暗くなった。図19に変光曲線を示す。 (このパラグラフ後半は 09176-5147 の話。 本当にこの星なのか? ) |