DENIS カタログを使って、|b| < 5 における星団サーチを行った。銀河面の 44 % が観測されて調べられた。 | 22個の既知星団が確認され、新しい星団が2つ発見された。ただし、それらは 2MASS ウェブサイトで既に HIIR に埋もれた星団として紹介されていた。周囲の 減光と、星団前面の減光が評価された。 |
2MASS 星団 Dutra, Bica 2000 は銀河系中心 5° × 5° 領域で 2MASS カタログを利用した星団 探査を行い、58 個の赤外星団を検出した。彼らはさらに、星形成域周囲周辺で 同様のサーチを行い新たに 42 個の星団、 Dutra, Bica 2001 を発見した。 |
Hurt et al 2000 は他の研究の途中で銀河面内に球状星団を発見
した。また、 Vauglin et al 2001 は 2MASS による銀河サーチの過程で 13 個
の星団を発見した。
DENIS による探査 われわれは DENIS を用いて |b| < 5 での星団自動サーチを試みた。 |
DENIS のカバレッジ DENIS は赤経巾 12′、赤緯巾 30° の帯が単位になって いる。隣り合う帯は 2′ の重なりがある。DENIS 3317 帯 から、我々は |b| < 5 を含む 1219 帯を選び、星団を探した。 銀経は l = [-160, 40] である。 検出手順 (1) 2′ × 2′ の区間を選び、 Ks での検出天体数 N と、Ks 総フラックス F を測定する。 (2)区間を 0.4′ ずらし、再測定する。 (3)全画像の平均値 〈N〉, 〈F〉 と標準偏差 σN, σF を計算する。 (4)N - 〈N〉 > 4σN, F - 〈F〉 > 4σF の区間は星団候補を含む。 (5) |
球状星団 CG01 で試した。 しかし、2MASS で見つかった CG01 ではこの方法は必ずしもうまく働かなかった。 そこで、カラー J-Ks に制限をつけ、赤い星を対象にして自動化を図った。 限界カラーの決定は難しい。 CG01 の場合、 J-Ks = 2.5, 3 では失敗し、 3.5 で 成功した。 Wilson 1991, Battinelli 1991 の方法 彼らはアソシエイションの自動検出を目指した。Wilsonn 1991 はサーチ半径を 定義した。 Battineli 1991 は Path-Linkage-Criterion アルゴリズムを用いた。 二つの星が指定された距離以下のジャンプをつないで辿りつけたらこの二つは同じ グループに属する。この手法では糸状の集合も検出できる。 赤い星団か強い赤化の星団 我々の方法では、若い星のアソシエイションを見つけるには向いていない。それは コントラストを上げるためにカラー限界を設けたからである。我々の方法は 球状星団や、 HIIR に埋もれた若い星団の検出に向いている。 |
![]() 表1.この方法で「見つかった」既知の星団。*C = 星団。 OC = 散開星団。 GC = 球状星団。 |
![]() 表2.発見された Gum 25 星団と W 40 星団の性質。 検出されなかった星団 表1にこの方法で検出された星団を載せた。検出されなかった星団の大部分は 暗く、DENIS カタログでははっきり現れていない。NGC 6544 と NGC 6553 は 明るい球状星団であるに拘わらず検出から漏れた。NGC 6544 は多分中心部が 一つの星と看做されたのであろう。NGC 6553 の方は帯の重なり部に位置し、 その片方には写っていなかった。 新発見(?)星団 これまで正式報告のない二つの星団が見つかった。ただし、それらは 2MASS の "picture of the week" で既に紹介されている。これら二つの性質を表2 に、その画像を図1に示す。 |