New Star Clusters Projected Close to the Galactic Centre


Dutra, Bica
2000 AA 359, L9 - L12




 アブストラクト

 銀河系中心 5°×5° の星団を 2MASS を用いて系統的に 探索した。同時に |l| < 4° の HIIR と暗黒雲も調べた。58 個の 赤外星団とその候補のリストを得た。それらの位置、サイズ、 100 μm 放射から決めた赤化量を示す。以前にカタログ化されている天体と合わせた 星団の角度分布と、星形成複合との関連を議論する。

 1.イントロ 

 Glass et al 1990 は Arches 星団を、長田その他 1995 は Quituplet 星団 を銀河中心近くに発見した。中心領域の星団、HIIR に埋もれた星団、暗黒雲 は興味深い対象である。





表1.新発見の星団と星団候補

 2.星団とその候補 

 星団の探索  (1)予備リスト 
 17h51m10s-28°16'10" を中心に 5°×5° で体系的に 星団探索を実施した。さらに、|l| < 4° での HIIR に埋もれた 赤外星団、暗黒雲の探査も行った。一般的には形態とサイズが Arches や Quintuplet と類似の天体を調べた。その際には Survey Visualization & Image Server http://irsa.ipac.caltech.edu/ を使用して約 1500 の 画像を調べた。各フィールド で Ks 画像から 1 arcmin 程度の天体を探した。こうして作った予備リスト の天体を中心に 5'×5' の画像を切り出した。

 星団の探索  (2)選別 
 ここで、人工的な効果や明るい星の混入などによる候補をはじく。最終 的に表1にある 58 天体が残った。位置は Ks 画像で決めた。 Schlegel et al. 1998 は赤化マップを発表した。位置を考えて、我々は彼らから dust-getval ソフトを提供してもらい、 E(B-V)FIR を決定した。 星団が可視光で見えているかどうかは XDSS 画像 http://cadcwww.dao.nrc.ca/cadcbin/getdss でチェックした。


図1.Arches 星団の Ks 3'×3' 画像。
 既知の放射星雲か反射星雲に関連する星団 
 表1には 58 天体のリストを載せた。コメントによると、20個は 既知の放射星雲か反射星雲に関連している。これらはまた、高い E(B-V)FIR を有している。
( この後、ぐだぐだ言っていることが よく理解できない。それらは既知の可視星雲と関連する前景の星団なのか、 バルジの星団なのか、はっきり言及されていない。)


 星団画像 
 図1は星団探索に際して参照に使った Arches 星団を示す。図2は赤外 星団候補 No13 である。これは Sh2-21 に埋もれていた。





図2.星団候補 No.13 の Ks 3'×3' 画像。



 3.星団分布 

 赤外星団と既知散開星団の比較 
 図3には銀河中心 5°×5° 内の赤外星団またはその候補の 位置を 10°×10° の既知散開星団と比べた。Arches と Quintuplet は図に載せていないがその位置はそれぞれ (l,b) = (0.12, 0.01), (0.16, -0.06) である。我々が調べた領域内で赤外星団またはその候補が 58 個あったが、既知 星団は Arches, Quintuplet を含めても 24 個である。第1象限に可視星団が 欠落しているのが目立つが、これはおそらく Cambresy 1999 が調べたような 太陽近傍ダスト雲のためであろう。

 赤外星団と既知球状星団の比較 
 図4には図3と同じ区画内で赤外星団と16の既知球状星団を比較した。 赤外星団を調べた区画には Palomar 6, Terzan 9, ESO456SC38 の3つしかない。 Barbuy et al 1998 は銀河中心から 5° 以内の球状星団の空間分布を調 べて、向こう側の銀河系には 15 の球状星団が隠れていると結論した。


図3.黒丸=銀河中心 5°×5° 内の赤外星団。
   白丸= 10°×10° の可視散開星団。
 


 


 



図4.図3と同じだが、球状星団と比べた。



 4.結論 

 銀河中心付近を中心にした 5°×5° 領域に 2MASS 画像から 58 の赤外星団またはその候補を発見した。その大部分は構造的に Arches や Quituplet と類似している。地上大望遠鏡か HST によるさらなる 観測が望まれる。  第1象限に既知の散開星団や球状星団が少ないのは減光の影響とみられる。


( なぜ、星団画像を載せない のか?)