2MASS から、非常に低温度の炭素星が数個銀河系ハローまたはその向こうに 見つかった。全て N(C-N)-型 AGB 星で、可視光で発見された高銀緯炭素星より ずっと赤い。内3つは厚いダスト雲に覆われ、カラー温度 1000 K の赤外線を 放射していて IRAS 天体である。Keck II とパロマ― 5m 望遠鏡による低分解 能分光測光観測は IRAS SSC 08546 + 1732 と似た極度に赤い連続光と CN 吸収帯を検出した。 | 天体の一つ、2MASSI J040197 + 182807 は低励起輝線スペクトルが被さって いる。輝線は KI, Rb I, Cs I で 19 か月後に消えた。これはミラ的な脈動に 伴う輝線ではないか。これらの初期成果は 2MASS を使い、ハロー構造をマゼ ラン雲距離まで探る有用なサンプルを定義する可能性を示す。 |
ハロー炭素星 Totten, Irwin 1998 はシュミット乾板をスキャンして、炭素星表面密度を 1 star deg-2 と見積もった。しかし、それらの成因は不明である。 赤外炭素星 Guglielmo et al 1990 は赤外炭素星が全炭素星の約 25 % を占めるとした。 ここでは 2MASS による4つの高銀緯炭素星の発見を報告する。もう一つ、 IRAS SSC 08546 + 1732 も合わせ、5つの分光観測の結果を述べる。探査は まだ系統的ではなく、初期探査の速報である。 |
![]() 表1.2MASS 等級とエラー |
![]() 図1.5つの 2MASS 天体の赤スペクトル。上から下へダストが薄くなる。 スペクトル 表2には分光観測のログを載せた。 7000 - 8500 A は CN(2, 0) と (3, 0) システムが支配的である。図1にはダストが薄くなっていく順にスペクトル を並べた。 カラー 図2には 2MASS 炭素星カラーを他の炭素星と比較した。赤いことが判る。 |
![]() 表2.分光観測ログ ![]() 図2.黒丸=5つの 2MASS 炭素星。白丸=。高銀緯可視炭素星、LMC AGB 星、炭素矮星、 暖かい R, CH 星。 |
![]() 図3.2M0401 は 19 か月の間に輝線強度の弱化を示した。これはミラ型 脈動によるマスロス率の変化に伴う可能性がある。 |
![]() 図4.IRAS 12, 25 μm で検出されていた三つの炭素星の SED. 実線= IRC+10216 の SED. 破線= 700 K 黒体輻射。 |
ヒッパルコス視差 Wallerstein, Knapp 1998 はヒッパルコス視差から炭素星の絶対等級を 求めた。SRb, Lb 型変光星は MK = -6.8, ミラ型と SRa は -7.6 であった。 距離 Claussen et al. 1987 は MK = [-6.5, -8.5] を仮定して IRC 炭素星の距離を求めた。 表3には同じ仮定で求めた距離と銀河面高度を示す。星の位置はそれらが ハローに属することを強く示す。場合によってはハローを越えている。 2MASS 炭素星はハロー構造を深く探る良い追跡子となるであろう。 |
![]() 表3.MK = [-6.5, -8.5] を仮定しての星位置。 |
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