銀河系 SNRs カタログの改訂版を提示する。2014 年版以降の新しい 6 SNRs が加わったが、HIIRs と判明した 6 SNRs が除去された。 | カタログには 294 SNRs が登録されている。簡単な統計を取った。また、最近 提案された SNRs 候補も示す。 |
タイプ S シェル構造 F "filled-centre" 構造 C 電波で両者の複合構造が見える "composite" は著者により意味が変わる場合がある。 フラックス密度 これは実測値ではない。異なる波長の観測を内挿でここに揃えた。 |
スペクトル指数 Sν ∝ ν-α とした時の α を示す。 他の名前 通称が広く使われている場合、それを載せた。 サイト 詳細なカタログは、 http://www.mrao.cam.ac.uk/surveys/snrs/ |
4.1.単純な統計検出率21 天体 ( 7 %) は電波で検出されないまたは怪しくて 1GHz フラックスなし。 42 % は X-線で検出された。 31 % は可視で検出された。 X, 可視での検出率が電波に比べ低いのは銀河面吸収のためである。 タイプ 80 % はシェルタイプ。 13 % は複合タイプ。 3 % はfilled-centre タイプ G69.0+2.7 や MSH 17-39(=G357.7-0.1) のように、どれにも当てはまらない ものもある。 4.2.選択効果大部分の SNRs は最初に電波で発見されている。したがって、電波検出の難点 =面輝度が低いまたはサイズが小さいと、検出から脱落する。面輝度とサンプル完全性 Green 2005 は 表面輝度 Σ(1GHz) = 10-20 W m-2 Hz-1sr-1 を検出完全性の目安とした。この数字は Green 2009 カタログ以降、これより高い面輝度の SNR が発見されていないこと からももっともらしい。Xu et al 2013 はシグナスXの周り l = [66, 90], b = [-4, 4] という広い領域を電波数波長で観測し、熱電波成分と非熱電波成分を 分離した。彼らは Σ > 0.37 10-20 W m-2 Hz-1sr-1 で新しい SNRs を一つも見出さなかった。 これはグリーン限界値と一致する結果である。 Anderson et al. (2017) は THOR と VGPS 連続波データ Stil et al. (2006) と MIR サーベイデータを用いて、 l = [17.5, 67.4], b = [-1.25, 1.25] に多くの SNRs 候補天体を発見した。 このサーベイは内側銀河の大きな範囲を覆っている。しかし、その中に Σ(1GHz) = 10-20 W m-2 Hz-1sr-1 のものは2つしかなかった。 |
![]() 図1. Anderson et al. (2017) が発見した SNR G38.83-0.01 の MAGPIS Helfand et al. (2006) VLA 1.4 GHz 画像。等高線は 0.8, 1.6, 2.4, 3.2, 4.0 mJy/beam 完全サンプル そこで Green 2015 は表面輝度が 10-20 W m-2 Hz-1sr-1 以上の 69 SNRs を選んだ。ただし、その後 二つは SNR でないとされた。そこで現在は 67 サンプルである。それでも Green 2015 で統計的に調べられた 銀河中心距離の分布の性質は変わらない。 小さな SNRs これまでの大規模電波サーベイは分解能が粗すぎ、小さい SNRs の検出に 適さない。これまでに見つかった,直径 3'以下の SNR は 9 つで、その数は 2009 以来増えていない。 |