A Revised Catalogue of 294 Galactic SNRs


Green
2019 JAA 40, 36 - 47




 アブストラクト 

 銀河系 SNRs カタログの改訂版を提示する。2014 年版以降の新しい 6 SNRs が加わったが、HIIRs と判明した 6 SNRs が除去された。  カタログには 294 SNRs が登録されている。簡単な統計を取った。また、最近 提案された SNRs 候補も示す。


 2.カタログ項目の説明 

 タイプ 

S シェル構造

F "filled-centre" 構造

C 電波で両者の複合構造が見える

"composite" は著者により意味が変わる場合がある。

 フラックス密度 

 これは実測値ではない。異なる波長の観測を内挿でここに揃えた。

  

 
 スペクトル指数 

 Sν ∝ ν とした時の α を示す。

 他の名前 

 通称が広く使われている場合、それを載せた。

 サイト 

 詳細なカタログは、

      http://www.mrao.cam.ac.uk/surveys/snrs/


 4.議論 

 4.1.単純な統計 

 検出率 

21 天体 ( 7 %) は電波で検出されないまたは怪しくて 1GHz フラックスなし。

42 % は X-線で検出された。

31 % は可視で検出された。

X, 可視での検出率が電波に比べ低いのは銀河面吸収のためである。

 タイプ 

80 % はシェルタイプ。

13 % は複合タイプ。

3 % はfilled-centre タイプ

G69.0+2.7 や MSH 17-39(=G357.7-0.1) のように、どれにも当てはまらない ものもある。

 4.2.選択効果 

 大部分の SNRs は最初に電波で発見されている。したがって、電波検出の難点 =面輝度が低いまたはサイズが小さいと、検出から脱落する。

 面輝度とサンプル完全性 

 Green 2005 は 表面輝度 Σ(1GHz) = 10-20 W m-2 Hz-1sr-1 を検出完全性の目安とした。この数字は Green 2009 カタログ以降、これより高い面輝度の SNR が発見されていないこと からももっともらしい。Xu et al 2013 はシグナスXの周り l = [66, 90], b = [-4, 4] という広い領域を電波数波長で観測し、熱電波成分と非熱電波成分を 分離した。彼らは Σ > 0.37 10-20 W m-2 Hz-1sr-1 で新しい SNRs を一つも見出さなかった。 これはグリーン限界値と一致する結果である。 Anderson et al. (2017) は THOR と VGPS 連続波データ Stil et al. (2006) と MIR サーベイデータを用いて、 l = [17.5, 67.4], b = [-1.25, 1.25] に多くの SNRs 候補天体を発見した。 このサーベイは内側銀河の大きな範囲を覆っている。しかし、その中に Σ(1GHz) = 10-20 W m-2 Hz-1sr-1 のものは2つしかなかった。

図1. Anderson et al. (2017) が発見した SNR G38.83-0.01 の MAGPIS Helfand et al. (2006) VLA 1.4 GHz 画像。等高線は 0.8, 1.6, 2.4, 3.2, 4.0 mJy/beam

 完全サンプル 

 そこで Green 2015 は表面輝度が 10-20 W m-2 Hz-1sr-1 以上の 69 SNRs を選んだ。ただし、その後 二つは SNR でないとされた。そこで現在は 67 サンプルである。それでも Green 2015 で統計的に調べられた 銀河中心距離の分布の性質は変わらない。

 小さな SNRs 

 これまでの大規模電波サーベイは分解能が粗すぎ、小さい SNRs の検出に 適さない。これまでに見つかった,直径 3'以下の SNR は 9 つで、その数は 2009 以来増えていない。


 表1.294 SNRs