平成28年度 基礎天文学観測実習(野辺山実習)†
国立天文台野辺山45m電波望遠鏡を用いて、天体観測とデータ解析を行う。電波望遠鏡を使った分光観測や撮像観測とはどのようなものか理解すると共に、得られた電波スペクトルおよび電波画像から読み取れる情報とその物理的意味について考察する。野辺山での観測とデータ解析は6/3(金)から6/5(日)の夕方までの日程で実施する。その前には、三鷹で事前説明・準備を、また、観測後には、まとめの考察・議論を行う(それぞれ半日)。
担当教員†
- 河野孝太郎、田村陽一、石井峻(特任助教)
- チューター:谷口暁星(D2)
ガイダンス+事前講義と準備:†
- 日時:2016/5/28 (土) 14:00-17:00
- 場所:天文学教育研究センター 1F 会議室
- アクセス情報
野辺山での実習:2016/6/3(金)-6/5(日)†
(電車の時刻はあらためてご確認ください。)
- 集合:2016/6/3(金) 13時50分頃、JR小海線・野辺山駅に集合。
- 11:00新宿発 特急あずさ13号松本行き → 13時14分小淵沢発 小海線小諸行き → 13時46分 野辺山駅着
- 解散:2016/6/5(日) 16時40分頃、JR小海線・野辺山駅にて解散。
- 16時53分 野辺山発小淵沢行き → 17時41分 小淵沢発新宿行き スーパーあずさ28号 に間に合うように移動。
まとめのプレゼンと質疑、解説など†
- 日時:2016/6/XX (X) 調整中
- 場所:天文学教育研究センター 1F会議室
- 内容:(1) 各自の観測と解析結果のまとめ、それに基づく考察・解釈等について、レポート課題に沿って、プレゼンテーションを行う(一人あたり、10分間-20分間程度を目安)。解析してみて、わからなかった点や、質問事項などがあれば、それらも盛り込んで説明して頂くとよい。(2) プレゼンテーションの内容に基づき、結果の妥当性や解釈等についての議論を行う。(3) レポート作成に向けて、補足すべきことや、配布資料の中で特に重要なポイントなどの解説。
実習概要†
- 天の川銀河内にあるいくつかの星形成領域において、アンモニア分子からの23GHz帯のスペクトル線の分光・撮像観測を行います。
- 複数の遷移からの輝線のデータを解析することで、星間分子雲に関する様々な情報、特に、ガスの運動温度に関する情報が得られることを、星間分子の放射機構や放射輸送などの基礎となる物理レベルから理解して頂くことを目標とします。
- 領域によっては、電離した水素原子からの再結合線も観測できるかもしれません。
- 得られた物理量が、その領域での星形成過程とどのように関連しているか、検討・考察して頂く予定です。
- また、これらの観測に用いる望遠鏡や観測装置とその原理・仕組みについても、実際に見て、使うことを通し、理解して頂くよい機会になるでしょう。
sky dip法による、大気透明度測の定実習†
- アンモニア分子輝線の観測が順調に進めば、実習3日目の朝に、23GHz帯における大気の光学的厚み (optical depth) を測定する実験も行います。光学的厚みとは何かを理解するばかりでなく、電波望遠鏡という、いわば「電力計」が測定している観測量(電力)の内訳を理解する上でも非常に参考になります。
見学など†
- 実習に使用する、野辺山45m電波望遠鏡も、もちろん探検します。高所恐怖症の方はご注意を。。
- 野辺山の実験室で開発が進んでいる、超伝導遷移端センサーを用いた新しい「電波カメラ」の見学も時間が許せば行います。
配布資料 【近日中にアップします。下記のリンクは、昨年の実習資料です。】†
実習手引き†
アンモニア分子輝線の観測と物理量導出†
レポート課題†
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- これに加えて、実習最終日に行った、大気の光学的厚みの測定について、その方法、測定結果、および解析結果をレポートに含めて下さい。
観測指示書作成†
大気の光学的厚みの測定†
電波の観測†
赤外線画像データの取得方法(IRSAの使用手引き)†
得られた物理量(輝線のopacityや温度、柱密度)の画像表示†