Tracking Sagittarius Structure with SDSS and SEGUE Imaging and Spectroscopy


Yanny, et al 2009
2009 ApJ 700, 1282 - 1298




 アブストラクト

 SDSS から選んだ非常に赤い K/M 型巨星でサジタリウス星流を追跡できることを示す。 その一部は SEGUE, SDSS 分光で確認された。2MASS と SDSS 巨星の距離スケールは RR Lyr 距離スケールで較正された。 K/M 巨星の絶対等級は巨星先端で Mgo = -1.0 である。星流と位置が重なる M 巨星と青色水平枝星の視線速度は以前の研究の 結果と良く合う。  潮汐流に沿って星の密度を測った。それはモデルの制限に役立つ。サジタリウス星流 の脇にあるもっと表面密度の薄い潮汐流にある K/M 巨星、青色水平枝星、F 型ターンオフ 星の速度とメタル量はサジタリウス先行流の星とよく似ている。K/M 巨星と青色水平枝星 の数の比、青色水平枝星とターンオフ星の数の比はやはり、先行流での値と似ている。



図1. Newberg et al 2007 図6の再生。F 型ターンオフ星の選択基準は 0.2 < g-r < 0.3, u-g > 0.4, 21 < go < 22. (上)北銀極周り。(下)南擬銀極周り。 明るいサジタリウス腕の他に、(l,b) = (195-255, 50) に Orphan stream, (l,b) = (1, 45) に Pal 5 が見える。サジタリウス先行流は分岐しているようだ。 南銀極にも F 型ターンオフ星で (l,b) = (100, -85) から (170, -40) にかけて サジタリウス追尾流が見えることに注意。  

図2.(上)サジタリウス北側先行星流を囲む 50 平方度の (g-r)o - (u-g)o 二色図。 go < 19 である。(l,b) = (330, 61.5) サジタリウス星流は 45 kpc 離れている。 銀河面矮星からなる 主軸の下に過剰にある (u-g)o の赤い星は遠い M 型巨星と考えられる。 斜め枠は、(u-g)o > 3, 1.1 < (g-r)o < 1.6, 1.5(g-r)o + 1.09 < (u-g)o < 1.5(g-r)o + 1.59 で、ハロー K/M 巨星を探すには最も有用である。 SDSS では u=22 で測光エラーが0.3 等になる。これは 80 kpc まで追跡可能 であることを示す。もっと赤い星の枠は 1.35 < (g-r)o < 1.6, 3.4 < (u-g)o < 4.0 で定義され、低銀緯の円盤矮星が多いところでも有用である。しかし、 サンプル数が少ない。 (r-i), (i-z) を選択基準に加えて精度を上げようとしたが 効果は薄かった。 (下)銀河中心方向に関してl が鏡像になる方向の同じ面積の二色図。K/M 巨星候補 の数が著しく減ったことに注意。  





図3.(上): Newberg et al 2002 図5の再生。α = [200, 225], δ = [-4, 1] の (g-r)o - go 図。枠内は図2の斜め枠領域に入る K/M 星. 見易さのため 枠内の星数は 10 倍にしてある。
(下)赤線=M71, シアン線=M3, 青線=M92 ライン。上下に等級を調節して、サジタリウス 星流に合わせた。マゼンタX=分光で確認した TiO なし巨星。黒プラス=TiOあり巨星。
 

図4.(上) K 巨星。(中)非常に赤い M 巨星。(下)M矮星。  





図5.サジタリウス星流方向の 2MASS 2 色図. 青四角=図2(上)で選んだ巨星候補。枠= Majewski et al 2003 が使用した 2MASS 巨星域。我々の SDSS 選択巨星は Majewski の 2MASS 巨星とよく重なる。  





図6.(左):サジタリウス軌道面から 5 kpc 以内にある SDSS+SEGUE K/M 巨星全部の分布。
(右):同じ星だが、サジタリウス星流の星を赤にした。
 


図8.図6と似るが、測光的に選ばれた青色水平枝星の分布。 (左):サジタリウス軌道面から 5 kpc 以内にある青色水平枝星の分布。 (右)同じ。K/M 巨星に比べノイズが高いことに注意。  

図7.図6で赤印にされたサジタリウス星流 K/M 巨星を (l,b) プロット。 背景の灰色は全 SDSS+SEGUE 星。左側の方で太陽に近づくのでそちらは巾が広い。 (上)図の濃いところはサジタリウス銀河本体の近く。(下)南銀極周りの分布。  

図9.図7と同じだが、図8で赤にされたサジタリウス星流の青色水平枝星分布。 図の特徴は図7とよく似るが、(上)図の反銀河中心方向の超過は新しい。  





図10.測光で選んだ F 型ターンオフ星の分布。青色水平枝星の 60 倍 の数があるのでヘス図は濃淡で示した。直線状の筋は不完全性などによる。  

図11.測光で選んだ F 型ターンオフ星の (l, b) 分布。19 < go < 23.5, |Zsgr| < 5 kpc.  





図12.(上)サジタリウス面から 5 kpc 以内の星の視線速度。 (下)  

図12.南天の星の視線速度  





図14.上分枝と下分枝の視線速度  

図15.サジタリウス先行腕上分枝の視線速度。  





図16.下分枝の視線速度。  

図17.サジタリウス星流の星のメタル量分布。  





図18.各種の星の Λo 分布。  

図19.サジタリウス星流星の色等級図。