太陽から 20 pc 以内の 743 星の視線速度を Gliese のカタログから採り、 様々に解析した。それらの星の太陽に対する平均速度は u0 = 11 km/s, v0 = -17 km/s, w0 = -7 km/s である。 スペクトル型 M, K では、メディアン接線方向速度が視線速度のメディアンと較べると、 ランダムサンプリングで許される値より大きい。また接線方向速度分布は ガウス分布から外れていて、サンプルの重みが固有運動の大きな星に片寄って いることを指し示している。 | 星は銀河系公転軌道の離心率で分類された。離心率の小さな星の群れでは、 速度楕円体の頂角の方向は銀河中心方向から大きく外れていない。オールト 定数 A, B から求まる (B-A)/B = 3.1 である。銀河面に垂直な方向の速度分散 は銀河面上の離心率と明白な相関を示す。 星を質量毎にグループ分けした時、 (w-w0) の分散は一定である。つまり、エネルギー等分配は全く 存在しない。 |
Gliese の 20 pc 以内の星のカタログには年周視差が 0".050 以上の 1094 星が載っている。内 742 星は視線速度、固有運動、視差が求められている。 したがって、それらの太陽に対する速度の3成分が km/s 単位で決まる。 | Gliese が採用した軸は u-軸=銀河中心から離れる方向に伸びる、 v-軸= 銀河面内で円運動接線方向、w-軸=銀河面に垂直な方向、である。 |
太陽運動を決めるためには何らかの方法で、サンプル星の速度平均を取る: 単純平均、質量の重み付きの平均、メディアンなど。 | ここでは、u0 = 11 km/s, v0 = -17 km/s, w0 = -7 km/s とする。 |
![]() 表6.軌道の楕円率で分けた時の w0 |
![]() 表7.星質量と w0 |
カラー・光度関係を離心率グループで調べる研究は Woolley, Eggen (1958) のテーマとなる。 |